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悪姫恋聖  作者: ねじるとやみ
第5部 巨神大戦
66/82

16.返事

巨神討伐後の帰路は大きな襲撃も無く、順調だった。

トルルトも移動中に意識を取り戻し、

自分で鎧を動かせるようにはなった。

夜になり、休憩する場所として森を選び、

各自休憩に入った時、

ラーラから急な呼び出しがあった。


呼ばれたのはアミア達3人にエリエ、

大巫女ナナにクルク王女と龍神ドド、

そして神聖騎士団代表のキマキと、

繰り上げで教団戦闘部隊代表になったサムサだった。


「こんな時間に急なお呼び立てをして申し訳ありません。

魔術師ドゼビムが、

どうしても皆さんにお伝えしたい事があると申しております」


ラーラが魔法を使い、魔導機から、

ドゼビムの映像を出す。


『ごめんなさいね、急に呼んで。

初めましての方もいるわよね。

わたしがドゼビム・ゲレーナです。

まずは巨神の件、おめでとう。

でも、あなた達に悪い知らせがあるの』


ドゼビムの表情はいつになく真面目だ。


「初めまして。

私はクルク・デクスビアと言います。

それで悪い知らせとは何でしょうか?」


クルクが代表して切り出す。


『まず、デュガール教団の町が襲われたわ。

町を守った不死鎧はほぼ全滅、

更に乗り手がいなかった不死鎧が奪われた』


「それは本当か?

あんたはそれを見たのか?」


サムサが興奮して叫ぶ。


「サムサさん、落ち着いて下さい」


「すまない。

それは確かな情報なのか?」


王女に窘められ、サムサは少し冷静になる。


『直接わたしは見ていないけど、

町にいた魔術師からの情報で、確かな話よ。

現在町は防衛手段が少なくなって危険な状態だわ。

わたし達魔術師は直接的な協力は出来ないけど、

周りにいる妖魔を別の場所に引き付ける、

という方法で少しだけ協力しているわ』


「それで、襲ったのは何者なんだ?」


『その話をする前に、もう一つ、

伝えた方が分かり易いと思うから、

そちらから話すわね。

その1日後に、アルデン聖教団の町も襲われた。

デュガール教団ほどでは無いにしろ、

神聖鎧が半分以上破壊され、

そして、聖女が殺されたわ。

これで何か思い当たらないかしら』


「もしかしてメレン団長が・・・」


リンリが元騎士団長の名前を口にする。


「馬鹿な。

団長は悩んではいたが、そんな事をする訳が無い!」


『普通の精神状態なら、ね。

2重適合の経験者なら、

冷静な状態じゃ無くなるのは分かるわよね。

更にデレンの研究していた2重適合が、

完璧なものでは無い、

って話はリンリなら知ってるわよね?』


「はい、フラーネも肉体が無いようでした」


アミアはここで後回しにしていた、

フラーネの件が出てきた事に驚く。


『わたしの予想だと、

今回の件は聖教団側の騎士を、

実験体にした結果なのでは、と考えてるわ。

わたしもデレンとは少なからず因縁があって、

彼女の居場所を探してたんだけど、

まだ見つかっていない。

ラーラからフラーネという名前を聞いて、

まだデレンが生きてると確信したの。

だから、メレンさんはデレンに騙されるか、

強制され、2重適合したのでは、

と考えているわ』


「じゃあ、

邪教団の町を襲ったのがフラーネで、

聖教団の町を襲ったのがメレン、

という事か?」


『一人でやったのか、

協力してやったのかは分からないけど、

恐らくそうだとわたしは想像してる』


今回の戦いは犠牲も出たが、

最終的に聖教団と邪教団の部隊が協力し合い、

過去の諍いも完全では無いにしろ、

無くなってきたのでは、と思っていた。

しかし、元の町が破壊されては、

それも意味が無くなってしまう。


「それぞれの町はどれくらいの間なら、

自衛出来るでしょうか?」


『妖魔次第なので、正確には言えないけど、

1週間程度ならそれぞれ耐えられる筈よ』


クルクの質問にドゼビムが答えた。

それなら城に戻ってからドドに運んで貰えば、

間に合う筈だ。


「分かりました、ありがとうございます。

また何か分かりましたら伝えて頂いても、

宜しいでしょうか?」


『もちろん。

特に妖魔の大きな動きが無いか、監視しておくわ』


「よろしくお願いします」


そしてドゼビムとの連絡は終わった。


「皆さん、思うところは色々ありますが、

今は王都に無事に戻る事が大事です。

その後の事は王都で検討致しましょう」


クルク王女がまとめてくれた事で、

すぐに慌ただしくなる事は無かった。


「大変な事になっちゃったね・・・」


「そうだな、あれは何とかしないとな」


各自の鎧に戻りながら、リンリと話をする。

今の自分なら確実にフラーネを倒せるだろう。

あとは相手がどこにいるかだ。


「やっぱり、私が行ったのが間違いだったのかなあ」


「いや、違うだろう。

いずれ誰かしらを実験体にしただろうし、

そうなれば襲撃は起こる。

それに、このタイミングなのは、

巨神を動かした奴とデレンが繋がってる、

という可能性も高い」


リンリが要因であるのは確かだが、

アミアが代わりに行ったとしても、

同じだっただろう。

責任があるとしたら、

今回の作戦を決行した全員になる。


「結局いっぱい死んじゃったね・・・」


「最初から分かってた事だ。

それに、巨神が倒せなければ、もっと死んでた。

あたし達は精一杯努力したよ」


「うん。

それじゃあ、お休みなさい」


「ああ、お休み」


それぞれリグムとデュエナに乗って、眠りにつく。

アミアは眠るまでの間、

今回の戦いでどうすればもっとうまく行ったか、

振り返っていた。



『ようやく着いたね。

何か凄い久しぶりな気がするよ』


城が見えてきたのでリンリが嬉しそうな声で言う。

帰路に悪魔は現れず、

戦ったのはうろついていた妖魔位だった。


『そうだな、そんなに日は経ってないのにな』


王都を出てからたった二日だ。

激しい戦闘だったので、

平穏が懐かしいのだろう。


「おう、おかえり」


王都の門の中で待っていたのは、

まさかのミルミだった。

姿を普通に晒しており、

アミア達以外にもミルミの姿で見え、

声も聞こえている。


「ミルミ様、ただいま帰りました。

無事、お役目を果たしました!」


エリエが大喜びで返事をする。

そのままアイシンで抱き付きそうな勢いだ。


「わらわも話が聞きたい。

城まで連れていけ」


「はい」


エリエは喜んでアイシンの手にミルミを乗せ、

落とさないように歩き出す。


『ミルミちゃんどうかしたのかな?』


『さあ?

ただ、巫女に対しては命令した形だから、

形式だけでもちゃんと報告を受けるつもり、

とかかもしれない』


正直ミルミの考えている事は分からないが、

王都が無事なのはミルミのおかげな気もしている。

町の人々は帰ってきた騎士達を盛大に出迎え、

お祝いムードになっていた。

戦った側からすると、被害も大きく、

仲間の死もあり、更に西側の問題もあるので、

そこまで浮かれてはいない。

ただ、やり遂げた充実感はそれぞれ感じていた。



「皆さま、無事巨神を排除し、

こうして城に戻れたのは、

全員の尽力があってこそです。

尊い幾人もの犠牲はありました。

それでも作戦を成し遂げられた事で、

この王都と、その他多くの命が救えた事になります。

私、クルク・デクスビアが代表として、

感謝の意を伝えたいと思います。

皆さま、本当にありがとうございました」


クルク王女が頭を下げる。

ミルミが拍手し、周りも拍手をして、

勝利を祝った。

応接室には出発前と同じように人が座っているが、

亡くなった巫女二人分の席は空き、

邪教団代表はビンサからサムサに代わっていた。


「ありがとうございます。

それでは、アミア、被害状況を報告して下さい」


「はい。

王国騎士団は2名死亡で8名生存。

神聖騎士団は4名死亡で9名生存。

教団戦闘部隊は5名死亡で8名生存。

トワの国の巫女は9名死亡で21名生存。

魔術師は10名生存。

他にドドとテルテは生存です。

合計で死者20名、生存者58名です」


アミアはクルクから話を引き継ぐ。

裏切りの人数は死者に数え、

ドドも生存者に含めて報告した。

数えてみると約1/4が失われた事が分かる。


「一つご質問宜しいでしょうか?」


巫女のゼンゼが手を上げる。

アミアはクルクの方を見ると、

軽く頷いたので引き続きアミアが対応する。


「はい、どうぞ」


「魔術師の魔導機は巨神を倒す際、

悪魔の自爆で数機破壊されたと思います。

全員無事なのは何かの魔法なのでしょうか?」


「それはあたしが答えます」


ラーラが反応する。

難しい問題だが、正直に話すほか無いだろう。


「魔導機には1日に1度、

どれだけ破壊されても再生する機能があります。

再生されるのは魔導機本体だけでなく、

搭乗者も含めてです。

ですので、あの後、

無事に巨神のテレポートが行えました」


ラーラの言った内容に室内がざわつく。

知っているのはアミアだけだろう。


「なぜその情報を最初から開示されなかったのでしょうか?」


クルク王女は誰よりも先に、冷静に質問する。

議論にならないようにと、先手を打ったのだろう。


「はい、お答えします。

まず、情報の隠匿については我が師、

ドゼビムの命令によるものです。

意図としては、どれだけ厳重に守ろうと、

どこかで問題が発生する可能性はあり、

情報を秘密にする事で、

それを防ぐ最終的な手段になる、

という判断でした。

現に裏切り者がいた事は事実で、

情報の秘匿は正しい選択だった、

とあたしは認識しております」


ラーラの発言にとりあえず反論する者はいない。

もし情報が護衛にだけでも伝えられれば、

二人の巫女が生き残った可能性はある。

が、知った事により油断し、

作戦が失敗する可能性もあるのだ。

結果論を話しても意味が無い事は、

みんな分かっていた。


「ドゼビム様の意図は理解致しました。

今回の作戦の成功は魔術師の方の援助あってこそです。

この話はここまでに致しましょう」


クルク王女が責任をもって話を終わらせた。


「そろそろわらわも参加してよいかな?」


自己紹介も無く、

王女と対面の一番奥の席に座っていたミルミが、

ようやく口を開いた。


「アミア、いいですか?」


「はい、あたしは大丈夫です」


「では、ミルミ様、

自己紹介からお願い致します」


ミルミを知らない人からすれば、

クルク王女の態度の意味は分からないだろう。


「わらわの名前はミルミじゃ。

人間が言うところの、超越者の一人じゃ」


その言葉に室内の緊張感が一気に増す。


「安心せい、お主らに敵意は無いぞ。

訳あってアミア達と行動を共にする機会があり、

こうして今はこの城に居ついておる。

今回の戦い、わらわは巫女にこう命じた。

『巨神を動かす行いは誤りじゃ。

お主らで解決せい』

とな。

大巫女ナナよ。

顛末を報告せよ」


「はい。

我ら巫女は巨神討伐に際し、

多くの方と手を組み、それを成し遂げました。

その際、巨神の護衛の中に、

ミルミ様と同じく、

超越者の方がいらっしゃいました。

彼の者は巨神での襲撃を、

己の意思で『ゲーム』として楽しみ、

何者かによって提案されたとおっしゃられました。

また、巫女の内2名はミルミ様より先に、

その超越者と接触した故、

ミルミ様のご指示に背きました。

よって、2名は我らが責任もって始末致しました。

以上が、今回の対応の顛末でございます」


ナナは自分達の行いを、割り切って話す。

傍から見れば超越者達の駒として、

遊びに使われているとも取られるだろう。


「そうか、ご苦労だった。

これからも今回の騒動の原因を追うつもりか?」


「はい、そうしなくては死んだ者が報われず、

また、トワの国に真の平穏は訪れません」


「分かった。

わらわの名の元、元凶を排除せよ。

その者が超越者であろうと、手を抜く事は赦さぬ」


「ありがとうございます。

必ずや、その命に従いましょう」


これは儀式であり、

ミルミなりの優しさなのだろう。

巫女達はその枷を外す事は出来ない。


「ナナ様、私達もそのお手伝いをさせて下さい。

ただ、王国はそれとは別に、

これからの事を考えないといけません。

まずは西のアルデン聖教団と、

デュガール教団をそれぞれ助ける必要があります」


「はい、私は一刻も早く、

教団の元に帰りたいと考えております」


聖教団のキマキが焦りを露わにする。


「あたしもだ。

デュガール教団の方が状況がマズイ」


より絶望的な状況のサムサも声を上げる。


「そこで私に提案があります。

一旦西側の戦力を一つの町に集め、

最終的には、

東側の王都に移動して貰おうと考えております」


クルク王女の発言の内容は誰も聞いた事が無く、

驚きが広がった。


「さすがにそれは無理ではないでしょうか。

私やこちらに来た聖騎士に関しては、

デュガール教団に対する考えは少しずつ変わっています。

しかし、町の者が敵対した時間は長く、

同じ町に住む事は難しいかと」


「町に集まるのは可能かもしれませんが、

王都までの移動は難しいと思います。

うちも大断層を超えてきましたが、

一般人が被害を抑えて移動するのは無理かと。

それとも、ドドを馬車のように使うつもりですか?」


キマキに続き、テルテも無謀だと思い発言する。


「もちろん容易いものだとは考えておりません。

西の戦力を集める件については、

私自ら西側に赴き、

それぞれの代表と話し合うつもりです。

被害を考えればどちらの町も余裕は無いでしょう。

今手を取り合わなければ、西側は滅びるのみです」


クルクの言う事は確かにそうだと感じる。

しかし、クルクは西側の人々を見ていないから、

言える部分もある。

特に邪教団の町の人は、過ちを犯した人も多く、

聖教団の町の人と普通に接せるとは思えない。


「私もクルク王女の考えに賛成です。

私は最近、両方の町を見てきましたが、

どちらの町の人も必死に暮らしていました。

争っていた事実は有っても、

王女様の提案、という切っ掛けがあれば、

少しずつでも手を取り合えるんじゃないかと思います」


まさかここでリンリが、

賛成の意見を出すとは思ってなかった。

公平では無いにしろ、

両方の町を見てきたリンリの言葉は、

この場である程度の力を発揮する。


「リンリさん、ありがとうございます。

私も実際にどんな様子かは見ておりません。

だからこそ実際に行って、見てきたいのです。

あと、王都への移動については、

すぐにとは考えておりません。

まず、大断層に橋を架ける事が第一段階です。

テルテさんの言った通り、ドド様のお力を、

そういった形で使うつもりはございません。

橋は巫女の力を借り、

下層の封印を一直線に大断層上に行って、

橋の形を作ろうと考えております」


「それは可能なのか?」


「試した事はありません。

しかし、部分的に封印を行った事はあり、

その応用で出来る可能性が高いです」


ナナの言葉でクルクの案に現実味が出てくる。


「第二段階として、

東の国の機械武者をお借りし、

それを使って住民の移動を行います。

テルテさんの研究で、

大型妖魔から機械武者用のエネルギーが、

取れる事が分かりました。

それを交渉材料に、

機械武者の貸し出しをお願いしようかと。

もちろん、その為には、

トワの国を巫女の手で正常にしてもらう必要があります」


クルク王女は大分先の未来を見据えていて、

それでも西側を救おうと考えている事が分かった。


「クルク王女、あたし達魔術師は、

しばらくの間王国を助けるよう、

ドゼビムに言われている。

先程の案、我々の中で改善出来るかもしれない」


次に助け舟を出したのはラーラだった。

ドゼビムにどういう意図があるにせよ、

魔術師の知識と魔法は、

王国の復興に大いに役立つだろう。


「ありがとうございます。

長い話になり、すみません。

皆さんお疲れでしょうし、

今日の所はこれ位にしましょう。

今後もお互い協力し合い、

少しでも平和な世界に近付ければと思います」


クルク王女の言葉で解散となった。

それぞれ個人同士の話が始まり、

休みたい者は部屋を出ていく。

ミルミはエリエに引っ張られて部屋を出ていった。


「アミアちゃん、行こうか」


アミアが誘う前に、

リンリから声をかけられた。


「ああ」


もちろん出発前の返事が貰えるのだろう。

廊下を歩くアミアの心臓は早鐘を打つ。

こうして生き残れたのだ。

2人で必死に戦ったのだ。

心が離れているとは思えない。

だが、アミアの中は不安で一杯だった。


「入って」


リンリの部屋に入り、椅子に座らされる。

リンリは対面のベッドに座った。


「えっと、なんか緊張するね。

私、いい言葉も出てこないし、

伝わり辛いかもしれない。

とにかく、最後まで聞いてね」


そう言ってリンリは深呼吸する。


「分かった」


アミアは返事を待つ。


「私もアミアちゃんの事、好きだよ。

誰にも渡したくないし、

ずっと一緒にいたい。

その気持ちは同じだと思う」


そこで一旦リンリは区切る。

アミアは何も喋れない。


「でも、恋人にはなれない。

それは何か違う、って気がするんだ。

キスしたり、おっぱい揉んだり、

一緒に寝たり、お風呂入ったり、

アミアちゃんが望むなら、

エッチな事だってしてもいいって思ってる。

アミアちゃんの為なら何だってするよ。

でも、恋人だと違うの。

うまく言えないんだけど、

今まで通りの関係がいいと思うんだ」


アミアはリンリの言う事が分からない。

分からなくて、もどかしい。


「逃げようって言ったからなのか?」


「うーん。

それも少しはあるかもしれない。

でも、それより、

沢山の人が死んじゃったから、かな。

ユーカちゃんもムイルちゃんも死んじゃった。

私なんかよりずっと若くて、

しっかりしてたのに。

マリーンさんも死んじゃったし、

巫女や聖教団や邪教団の人も沢山・・・。

アミアちゃんも私も、

完璧じゃないけど、力がある。

私は救世主になれなくても、

アミアちゃんと二人でなら、なれる気がする。

だったら、二人で今まで通り、

みんなの力になれたら、いいかな、

なんて思ったんだ」


リンリの多くの人の死に対しての償い、

みたいな気持ちは理解出来た。

だからこそ、アミアは確認したかった。


「じゃあ、あたしやリンリが、

今後の戦いで死ぬ事が分かっていたとして、

それでもみんなの為に戦うのか?」


「ううん、それは嫌かな。

私は死にたくはないし、

アミアちゃんにも死んで欲しくない。

でも、今回だってうまく行ったし、

2人でなら何とかなるって思えたから」


その感覚はアミアも感じている。

2人なら大丈夫と。

本当にそうなのだろうか。

今回だって巫女の助けが無ければ、

リンリは死んでいた。

ドドの解放が遅ければ、

3人とも超越者にやられていた。

運も実力の内、とは言うが、

その運はどこまで保障されるんだ。

アミアは頭の中がぐちゃぐちゃになりそうだった。


「リンリの返事は分かった。

分かったけど、あたしには納得出来ない。

・・・。

ごめん、それはあたしの我儘だよな。

うん、今まで通りで行こう」


アミアはリンリの顔が見れなくなり、

扉の方を見て言い、部屋を出て行こうとする。


「アミアちゃん。

ごめんね・・・」


謝罪の意味を理解したくなくて、

アミアは急いで部屋を出ていった。

第5部はここまでになります。

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