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11.目覚め
「やっとだ」
若いだろう少女の声が響く。
薄暗く、かすかな魔法の明りが照らす部屋。
地下深くにその部屋はあり、その存在を知る者は少ない。
「ほお、久しぶりのお目覚めだね」
今度はしわがれた女性の声がする。
声の主はローブを被り背を丸めた人物で、
コツコツと最初の声の方へ歩いていく。
「同類が生まれたよ。
今は気配が消えたけどね」
「なんと。
じゃあ、消えた悪姫は生きてたのか。
反応はどこに出た?」
ローブの人物が興奮する。
「ほんとにあんたは知識にしか興味がないんだな。
東の方だから距離的には大断層のところかな。
多分少ししたら大断層を超えてるよ」
「うーむ、さすがにそこまでは行けんなあ・・・」
「行ってきてあげるよ。
ていうか、アタシは戦ってみたいし」
少女の声は嬉しそうに言う。
「待て、貴重なサンプルだぞ。
潰さず持ち帰って欲しいところだが」
「今の教団の力じゃ捕らえるなんて無理だと思うよ。
欲しいのは情報でしょ?
なるべく殺さないようにはするけど、
無理だったら戦闘情報だけで満足してね」
「そうじゃな。
お主は誰にも止められん。
わしらは情報が手に入ればそれでいい。
好きにするがいい」
ローブの人物は諦めたように言う。
「りょーかい。
ワクワクしちゃうな、アタシ」
そして部屋の隅から黒い巨体がゆらりと動き出したのだった。




