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素人おっさん、第二の人生でサッカーライフを満喫する 作者:ハーーナ殿下@青森県弘前市
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第47話:更なる上を目指して

フランス4日目の朝。
“U-12ワールドカップ”の決勝トーナメントがスタートする。

今日は午前中に、8カ国による準々決勝。
休憩して正午から、勝ち残った4チームによる準決勝。
更に休憩して夕方から、勝ち残った2チームで決勝戦を行う日程だ。

「お前たち、昨夜はちゃんと寝られたか?」
「「「はい、コーチ!」」」

試合前、オレたち選手は元気よく返事をする。
昨日の夜は各自で風呂に入って、夕食を食べていた。

慣れないフランス式のホテルに最初は戸惑った。
でも同行していた、日本サッカー協会の人のお蔭で何とかなかった。

ベッドに入ったら、後は日本と同じである。試合に疲れたオレたちは全員爆睡していた。

そのお陰で今朝の、オレたち選手の表情はスッキリしている。

「そうか、それなら今日は全力を尽くすだけだ!」
「「「はい!」」」

コーチの声と共に、オレたちはテンションを上げる。
オレを含む先発8名は、天然芝のピッチに駆けていく。

恒例のキックオフ前、オレを中心にして、最後の作戦会議をする。

「ヒョウマ君、今日の調子はどう?」
「悪くはない。あと少しで、何かが掴めそうだ」

ヒョウマ君の調子は良さそうだった。
今までの自分の殻を破り、更なる上に到達しようとしていた。
決勝で待つセルビオ・ガルシアを倒すために、内なる闘志を燃やしている。

「そうか、それは良かった。それなら皆にお願いがあるんだ。今日はボクも攻撃に積極的に参加してみる。だからサポートをお願い!」

オレはチームメイトに細かい作戦の変更をお願いする。

具体的には

・これまで守備よりな中盤で、ゲームメイクをしていたオレが、ヒョウマ君と同じく攻撃に加わる。
あおいが代わりにゲームメイクをする。
・守備に関しては昨日と同じ。

こんな感じの変更だ。

「ああ、守備陣のオレたちは大丈夫ぞ、コータ」
「でも、コータ。それって、前に練習したフォーメーションか?」
「うん、そうだね。ちょっと試したいことがあるんだ」

チームメイトたちの指摘の通りである。
このポジションチェンジは前にも実戦で使ったことがあった。2年くらい前の県大会の時かな?

でも実戦で使うのは久しぶりなので、決勝戦まで復習しておきたかった。
自分の新しいプレイスタイルの挑戦に、どうしても欠かせないのだ。

「世界大会の準々決勝で試すとか……相変わらず、コータは大物だよな……」
「そうだな。昔と全然変わってないよな……」
「全く、付き合う方の身になって欲しいもんだぜ……」

オレの提案にチームメイトは、半分呆れかえっていた。
特に付き合いの長い、同級生の6年生は苦笑いしている。

「でも、コータの作戦が失敗した時は、一度もないからな」
「そうだな。ウチらのキャプテンのために、頑張るとするか!」
「失敗した時は、ジュース奢りだぞ、コータ!」

チームの皆は了承してくれた。
オレの作戦変更のわがままに付き合ってくれるのだ。

「よし、作戦は決まった。みんないこう!」
「「「リベリーロ、ファイオー!」」」

 最後にオレの声で、全員の気合いを最高潮にもっていく。
こうしてトーナメントがスタートする。

 オレも次なる段階に挑戦するのであった。



 準々決勝がスタートした。
 相手はヨーロッパの強豪国の代表チームである。

 ヤバイくらいに強い相手であった。
 さすがは4大リーグのあるサッカー大国。全てにおいて凄い選手が揃っていた。
 リベリーロ弘前ひろさきは一方的に攻められていく。

「ヒョウマ君、あおい。ピンチこそチャンス、逆に攻めるよ!」
「おい、コータ。このピンチにか⁉ ちっ、仕方がないな!」
「うん、お兄ちゃんを信じる!」

そんな中でもオレは攻めの作戦を変えなかった。
自らボールを運んで、ドンドン攻めていく。
昨日の予選リーグでの、守備重視とは正反対の戦術であった。

“3対2”

そのお陰もあり、何とか勝つことができた。
ヒョウマ君が2得点で、オレが1得点。
攻めの作戦が成功したのだ。

こうしてチームはトーナメント初戦を無事に突破した。



 その後、少し休憩して、正午から準決勝がスタートした。
 相手は南米の強豪国の代表チームである。

 さすがは盛んな大国。個人技の高い選手が揃っていた。
かなり危険な攻撃力で攻めてきた。

「守備陣の皆は、連携を強化して!」

「ちっ、コータ。気安くいってくれるぜ!」
「でも、コータと澤村と葵ちゃんの三人を敵にした、紅白戦に比べたら……」
「ああ、こんな攻撃は屁でもないぜ!」

今回もリベリーロ弘前ひろさきの守備陣が健闘してくれた。
南米のテクニシャンを相手にしても、一歩も引いていない。

リベリーロ弘前ひろさきのチーム内での紅白戦、“攻撃陣レギュラー組 VS 守備陣レギュラー組”の戦いを、彷彿とさせる奮闘をしていた。

彼ら守備陣の本気は、オレでも苦戦する。
その力を発揮して相手から果敢にボールを奪って、前線にパスしてくれる。

「ヒョウマ君、葵。個人技には個人技で対抗だよ!」
「言われるまでもない、コータ!」
「お兄ちゃん、任せて!」

一方的で攻撃陣も奮闘していた。
本場の南米のテクニシャンを相手に、テクニックで対抗していた。
オレが今まで教えていた未来のテクニックを使い、相手を翻ろうしていた。

“5対3”

そのお陰もあり、何とか勝つことができた。
今度はヒョウマ君が3得点で、オレが2得点。
攻撃力が更に爆発したのだ。

「いやー、ヒョウマ君に負けちゃった」
「オレ様が勝つのは当たり前。だが、コータ、お前は、何をやろうとしている?」

試合後にヒョウマ君が尋ねてきた。
準々決勝と準決勝の試合中に、オレは試行錯誤をしていた。
あと少しで新しい“何か”が掴めそうな感じだったのだ。

「ヒョウマ君もあと少しな感じだから……ボクも更に上を目指そうと思って」

準決勝の感じではヒョウマ君は、かなりの部分まで進化していた。
あとはもうひと押しであろう。

一方でオレも何かを掴みかけていた。
これが上手くいけば、セルビオ・ガルシアにも負けないような気がする。

「何だと? オレ様をサポートしつつ、自分も進化しようしていたのか? 相変わらず、化け物だな……」

ヒョウマ君は呆れた表情だった。
これも仕方がない。
みんなに内緒にしながら、オレは自分の新しいプレイスタイルに挑戦していたのだ。

「だが、悪くはないな。昔のコータを見ているようだったぞ。“危うさの先に、創造のビジョン”が見えていたぞ」
「えっ?」

ヒョウマ君は何やら抽象的なことを言ってきた。
“危うさの先に、創造のビジョン”……少しスピリチュアルな感じもする。
前にもこんなことがあったような気がする。

「まあ、いい。次は決勝戦だ」
「そうだね、ヒョウマ君! 頑張ろうね!」

ヒョウマ君は何かを言いかけていた。
彼にはオレの新しいプレイの先が、何かを見えていたのかもしれない。

でも、この後は夕方から決勝戦。二人で気持ち切り替えていく。

対戦相手はもちろんスペイン代表。
あのセルビオ・ガルシアとついに対決するのであった。
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