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素人おっさん、第二の人生でサッカーライフを満喫する 作者:ハーーナ殿下@青森県弘前市
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第11話:小学生3年生になった

 オレは小学3年生になっていた。
 3年生になったからといって、特に変わったことはない。
 相変わらずサッカー漬けの毎日である。

「行ってきます!」
「お兄ちゃん、待ってよー。アオイも行く!」

 前と同じように妹のあおいと登校する。
 あおいは2年生になっていたが、なぜかオレと登校をしたがるのだ。

 もしかしたら妹もサッカーばかりしているから、学校に友達がいないのか? 
 兄として心配だ。

「アオイはお兄ちゃんのことが好きだから、一緒に登校したいの!」

 そうか、そういうことか。
 母親に後で聞いてみたら、妹はクラスでも人気者らしい。可愛い上に、スポーツ万能だから。
 兄として、少しほっとした。

 そういえばサッカーばかりしていて、友達がいないのはオレの方だった。失礼しました。



「ねえ、コータ君。放課後に公園で、皆でゲームして遊ぼうよ?」
「ごめん。これからサッカーの練習があるから。じゃあ、また明日ね!」

 放課後。
 オレは一人ぼっちぶりを発揮する。
 クラスメイトの遊びの誘いを全部断り、急いでサッカーの練習場に向かう。

 何しろクラスメイトが盛り上がっているゲーム。前世でオレは20数年前に、全てクリアしていた。
 今さらそんな子供だましのゲームに興味はない。

「あれ、そういえば……今世のオレは眼鏡をしていないな」

 帰宅途中に、ふと気が付く。
 前世のオレは、幼い頃からゲームっ子だった。父親がゲーム好きだった影響だ。
 その悪影響もあり、オレは小学2年生から眼鏡をかけていた。

 だが今世での視力検査は、両目とも2.0以上だった。

 もしかしたら、

・ゲームや子どもテレビを一切見ない。
・スポーツビジョンと判断力のトレーニングを、しているから。

 この二つの習慣が、視力の向上に繋がっていたのかもしれない。
 スポーツ選手として視力はかなり大事。
 前世よりも向上している自分の能力を、実感して感動する。

「それに身長も伸びたよな」

 前世では身長はクラスでも、前から5番目くらいが定位置であった。やや小さ目なポジションだった。

 だが今世ではクラスでは、後ろから3番目に大きい。

 こっちの方はおそらく

・毎日の睡眠を夜の9時間半。昼寝の30分。成長ホルモンを促している
・前世とは違い好き嫌いなく、バランスよくご飯を食べる
・毎日ストレッチと柔軟を丹念にする。
・勉強で座っている時と、歩く時はスポーツ理論に従って、姿勢よく常に意識する

 この4つの習慣が、好影響だったのかもしれない。

 前世では親に内緒で、夜遅くまでゲームをしていた。また食べ物の好き嫌いも、沢山していた。
 それを今世では改善している。

 やはり適切な睡眠と食事、運動は成長に関係あるのであろう。

「それに足も速くなっているし」

 三つ目の自分の変化。
 前世ではオレは走るのが、面倒くさい性分だった。運動は嫌いではないが、練習が嫌なタイプだった。

 だが今世ではサッカーを中心に、トレーニングを積んできた。そのお陰もあり、足もかなり速くなっている。
 具体的な例だと、小学校2年の運動会で、学年のリレーの選手にも選ばれていた。
 これも適切な睡眠と食事、運動のお蔭であろう。

 そう思うと、サッカー少年は万能なのかもしれない。

 あっ、少し訂正。
 学校のクラスで一人ぼっち以外は、万能である。

「よし、今日も頑張ってサッカーをしよう!」

 今のところ人生のやり直しては、順調いっている。
 でも油断は大敵。
 オレは気合いの声と共に、サッカー場に駆けていくのだ。



 放課後の4時頃から、5時まではサッカー場で一人自主練する。

「よし、練習を始めるぞ!」
「「「はい、よろしくお願いします!」」」

 夕方5時になる。
 コーチの掛け声と共に、練習がスタートする。
 選手コースの5、6年生が一斉に動き出す。

「野呂コータ、お前もガンガンいけ!」
「はい!」

 そういえば3年生になり、オレに環境の変化があった。5、6年の選手コースへの転属となったのだ。

 これにはかなり驚いた。
 何故なら5、6年の選手コースといえば、小学生のジュニアの最高年齢のチーム。つまり小学生年代のこのチームの代表なのだ。

「澤村ヒョウマ、お前もガンガンいけ!」
「はい、コーチ。オレ様の力を見せつけてやります」

 そう言えば同じく3年生で、昇格して仲間がいた。
 昨年の夏休み過ぎから、正式なチームメートになった澤村ヒョウマ君である。

 ヒョウマ君は家族の都合で、この街に引っ越してきたらしい。コーチの話では何年かは、この街に住んでいくらしい。

「野呂コータ、今日こそはお前に勝つからな!」
「ヒョウマ君、こちらこそお手柔らかに」

 何故か去年の夏休みの最初のミニゲーム。それ以来からヒョウマ君は、オレに絡んでくる。
 チーム内のミニゲームでは、必ず敵同士のチームを志願していた。

 またリフティングの回数対決。ドリブルのタイムアタックなど、どんなことでも勝負を挑戦してくるのだ。

「ちっ……このオレ様が同点か……」

 はっきり言ってヒョウマ君が、何故絡んでくるかオレには分からない。
 何故なら彼はこのチーム内でも、別格に才能がある。
 今こうして5、6年生と練習しているが、その中でも一番目に上手いであろう。

 体格差やスタミナで面は、たしかに5、6年生の方が現時点では上である。

 だが圧倒的なサッカーセンスと、卓越したドリブルを中心とした技。また得点感覚を有する澤村ヒョウマの前に、そんな差は無意味に近い。

 今もミニゲームで先輩たちを、ごぼう抜きにしている。
 凄い! 相変わらず、カッコイイ!

 オレは根っからのサッカー観戦オタクである。
 ヒョウマ君の南米仕込みドリブルに見とれてしまう。あれで小学生3年生なのだか、今後の成長が楽しみすぎる。

「コータ! お前、ちゃんとやれ!」

 おっといけない。コーチから激が飛んできた。
 オレも頑張らないと。

 今のところオレも何とか、ヒョウマ君に置いていかれないように努力していた。
 1対1の勝負の場面でも抜かれないように、気合で必死に食らいつていた。スポーツ視覚を常に前回状態である。

 また、オレが攻める時は少しだけズルを使う。
 普通のフェイントやドリブルでは、ヒョウマ君のあの反応速度を振りきれない。

 そこで彼の知らない技を使うのだ。
 これから先の20年の間で、世界のトッププレイヤーたちが開発していく、未来の技の数々。それをこっそりと使って対抗するのだ。

 何しろ未来のサッカーの技は、複雑なものが多い。これは初見では絶対に破ることは出来ないのだ。

 前世の映像の記憶があるオレは幼稚園の時から、ずっと練習してきた。
 身体も大きくなってきた最近になり、未来のその技の何個かを、ようやくマスターしたのだ。

 未だに会得できない技も沢山ある。
 でもコツコツと自主練していけば、いつかきっと使いこなせるであろう。
 これもオレだけ持っている、サッカー転生のアドバンテージである。

「くっ⁉ 野呂コータ、また、その奇妙な技か⁉ だが今のオレ様には通じないぞ!」

 なんとヒョウマ君は未来の技の一つを使って、オレに対抗してきた。

 ちょっと、待ってくれ。
 その技はオレが4ヶ月前に、抜くために何度か使っただけのフェイントだ。

 オレが数年かけてマスターした未来の技。君はそれをたったの4ヶ月で、マスターしたというのか?

 しかも誰からも教わることなく、何度か目にしただけで、自分のモノにしていたのだ。
 やはり澤村ヒョウマは凄い選手だ。

 よし、ボクも次なる技で、頑張らないといけない。

 ボクにはサッカーの才能がないかもしれない。
 だから20年後のサッカー記憶。あと諦めない精神力と、コツコツの努力だけが、アドバンテージなのだ。

「おい、待て、野呂コータ⁉ 何だ、今度の奇妙な技は⁉」
「内緒だよ、ヒョウマ君。さあ、いくよ!」



 こうして3年生になったオレの練習は、本当に充実した毎日を過ごしていた。

 ヒョウマ君との練習以外でも、5、6年生たちとの練習も本当に勉強になる。
 上級生はフォーメーションや連携や戦術を重視していた。

 そんな先輩たちの練習をしていると実感が出てくる。『本当にサッカーをしているんだ』という実感が。

 一人ぼっち自主練も好きだけと、やはりサッカーはチームで楽しむのが一番。
 サッカーオタクのオレは戦術や陣形にも、少しうるさい。練習試合で自軍の戦術が上手くいった時は、感動すら覚えていた。

 ああ、本当に楽しい日々だ。

 不幸な前世とは違い、本当に充実したサッカーライフである。
 よし、ボクも他の皆に負けないように、頑張らないと。



 こうして更に、あっとう間に月日は経っていく。

 毎日のように自主練とチームでの練習。
 週末は他チームとの練習試合や、小さな地方大会に参加。
 夏休みは合宿なんかもあって、楽しいサッカー漬けの毎日だった。

 3年生での季節は春が過ぎて、夏は一瞬で過ぎていく。

 そして季節は秋となる。
 秋に小学生サッカー業界で一大イベントが行われる時季。

 全国に数千チームある小学年代のサッカーチーム。
 その最恐を決める“全日本少年サッカー大会”の、地区予選がいよいよ始まるのだ。


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