第83話 キミは、素敵
おねえさんが、キミを好きになったのは、一目惚れというのが、一番近い。
何故、キミに惹かれたのだろうな。
清掃仕事中に、ふと、考えてしまっているよ。
洗えるシートで、2階のテーブル清掃をしているのだが、夕食には、キミとタマゴデートできると思うと、ドキドキとワクワクで胸がいっぱいだ。
頭の中が、好きな人で、頭がいっぱいになるとは、このことなのだろう。
これが、恋か。
おねえさんも、未知なる領域だ。
何で、キミのことが、こんなに好きなのか。
おねえさんは、気になっているぞ。
願望ならば、キミと両想い。ずっと恋人同士。
いつでも、キス。
手を取り合う。見つめ合う。微笑み合う。
欲しいものだらけだ。
キミが、好きだ。
第83話 キミは、素敵
デート。
恋する人同士の、交流。共有時間。
糖京都心。甘チョコ区。女王住居。
女性着替え室。
「玉緒さんには、ピンク色が良いわ」
アンコリンは、ピンク色のドレスをすすめる。
「ちょっと、胸元がキツイな」
「え」
「チュンチュチュン」
訳・シュガーリーさまのドレスにしましょう。
メイドリーダーのちゅちゅんが、気を使う。
キラキラ〜。
ピンク色のドレスが似合う、玉緒さん。
「うむ。良い感じか」
1階廊下。
「頑張れよ。ボーイ」
服を選ぶのを手伝ったバーニさまが、背中を押す。
「た、玉緒おねえさん!」
キミトくんが、男性着替え室から、出てきた。
空色のタキシード。
なかなか、決まっている。
「良い感じじゃないか。男の子」
「は、はい!」
「キミは、素敵だぞ」
「ありがとうございます!」
玉緒さんは、左手を高く上げて、決めポーズ。
キミトくんは、神に祈るようなポーズで見つめている。
見つめ合っている二人。
失敗しちゃうこともあった。
好き同士の恋人同士。
「今回も、上手く行ったわよね」
「うらやましいワン」
スア丸は、アンコリンにすり寄る。
「僕らも、ぎゅってするワン」
「ちょ、ちょっと、恥ずかしいわよ〜」
照れてしまうアンコリン。スア丸は、首元に抱きつく。
「いやはや、うらやましい限りです」
住居内清掃を手伝っていた専属運転手のシボルさまは、シャワー上がりでラフなシャツ姿だ。
「シボルさんは、シュガーリー派でしたっけ?」
「一応、そうです。しかし、新しい相手が欲しいです」
そう言って、女王アンコリンを見つめる。
「あ。同じですか。さすが、イケメン精霊ですね」
「いや…、お恥ずかしい」
メイプルくんとシボルさまは、アンコリンのことが気になるらしい。
「言えないですよね」
「そうです」
アンコリンを見つめる。
スア丸と、仲良くじゃれ合っている。
この光景を楽しむ男が、二人。
女王の食卓。
その隣りの食卓。午後5時半。
今日は、目玉焼きハンバーグ。ライスもある。
なめこのみそ汁もついている。
「目玉焼き…気になります」
「黄身は、豪華だと思うんだよ。楽しもう」
キミトくんと玉緒さんは、天然水の入ったグラスで乾杯する。良い雰囲気だ。
「た、玉緒おねえさん。夕食の前に、聞いてください」
キミトくんは、かしこまって、背すじを伸ばした。
「何だい男の子」
「ぼくを好きになってくれて、ありがとうございます」
心からのお礼。
一目惚れした、おねえさんに告白してもらえた。
今でも、ドキドキが止まらない。
「そうか。キミも、一目惚れだったか」
一目惚れが叶うほど、素敵なことはない。
恋が、叶うことは、魔法だ。
全く同じ夢を見ている。
失敗したって、一緒にあやまってくれる。
同じ職場のベストパートナーでいたい。
家事手伝いのメイドのお仕事。
その中でも、糖京の食を守る、甘味女王の住居の専属メイドである二人。
「ミスを絶対にしない人間なんていないんだよ」
「はい」
ミスは、全員で何とかリカバリーできるからOKだ。
問題は、あきらめること。投げ出すことだ。
「わたしは、キミが好きだ」
「ぼくも、玉緒おねえさんが、好きです」
見つめ合う。微笑み合う。
良い度胸だ。
キミトくんとなら、玉緒さんの日々は、楽しくなる。




