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あんこデラックス  作者: キノぴょ
7章 〈メイドの黄味、黄味〉
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82/96

第82話 タマゴ三昧

 糖京都心。甘チョコ区。女王住居。

 玄関。まだ、薄暗い早朝。

 糖京タマゴセンターのトラックが止まる。

 大量のタマゴが、降ろされる。

 落としたら、割れてしまう食品だ。

 荷下ろしも慎重になる。

 多く注文しすぎたキミトくんと、女王専用車の運転手シボルさまと、業者が、台所へ運ぶ。

 台所では、家政婦業の女性が、タマゴの状態をチェック。


「ちゅちゅん。おはよう」

 甘味精霊ワゴンに乗って、精霊代表のバーニさまが、降りてきた。

 出迎えは、三名。

「チュンチュチュン」

 訳・おはようございます。バーニさん。

「おはよう。バーニさん」

「何だ。玉緒さんも一緒か」

 バーニさまは、タマゴパーティーの人数合わせで呼ばれていた。

「メイプルくんは、泊まったのかな?」

「そうですよ」

 メイプルくんは、昨日、客室に泊まっていた。

「タマゴパーティーなんて、リッチだな」

 タマゴは、高騰している。

 バーニさまは、仕事がいそがしく、休息を取りに来たというのが、本音だ。



 第82話 タマゴ三昧



 女王の食卓では、朝食に、タマゴかけご飯だった。

 アンコリンとスア丸は、泣けるほど喜んだ。

 一人にタマゴを、2、3個使っていた。

 この女王住居には、アンコリンたちと、専属メイド、業者の人たちがいる。

 総勢50名を超える。

 全員分のタマゴと考えると、すでに、100個超えてる気がする。

 キミトくんは、どれほど、個数を発注ミスしたのか。


「500個です。すみませーん」


 キミトくんは、土下座した。

「キミトくん。わたしもあやまる」

 玉緒さんも、土下座した。

 弁償金を支払うと、何度も頭を下げる。


「え、えーと」

 アンコリンは、わからないが、玉緒さんたちを助けたい。

「私もあやまるから、タマゴパーティーとか浮かれちゃってるし。玉緒さんたちを許してあげて」


「許すことは、簡単ですパン。タマゴに集中せず、バランスを良くする配慮が必要でしたパン」

 朝食担当のコッペパンの精霊コッペさまは、言う。

 どちらにせよ、食品を消費させることが大事。

 問題は、タマゴ業者だけでなく、他の食品業者の分も消費させて、全体のバランスを良くすることなのだ。

「どういうこと?」

「ワン?」

 わからない、アンコリンとスア丸。

「色んな食べ物を食べようということさ」

「食品の種類は、多いですからね」

 ソファで休むバーニさまとメイプルくん。

 売りたい業者たちと買いたい客たちが、必要とする同数のものを売り買いすれば、無駄は無くせる。


「本当に、すみませんでした。玉緒おねえさん。ぼくが一人で全部支払いますから」

「キミトくん…」

「本当に、すみません」

 キミトくんは、土下座した顔を上げない。


 何故、強がるんだい。

 男の子。

 頼りになるおねえさんが、隣りにいるぞ。

 強がるな。男の子。

 失敗なんて誰にでもある。

 ここは、ブラック企業じゃない。

 ホワイトだ。

 今、「許しますから、頭を上げて良いですよ」という声が聞こえないのか。鬼のメイプルくんだぞ。

 どうして。そんなに真面目なんだ。


「許してもらえるのでしょうか」

 頭を上げたキミトくんに、玉緒さんは抱きついた。

 ぎゅ。

「キミは、大丈夫だ。わたしが許す」

 玉緒さんは、微笑んで、キミトくんの背中をさすってあげる。


「なんて、繊細なんだ。キミは」


 玉緒さんは、キミトくんの真っ直ぐさに、心うたれた。

「言い過ぎましたパン」

「どちらにせよ。消費は、消費ですよ。こちら、人数合わせができるので、お気になさらず」

「人数合わせが、オレと業者だ」

 甘味精霊たちが何とか考えてくれる。

 失敗を、埋め合わせるのも、協力関係あってこそ。

 反対に、土下座させるほど追い詰めたことで、玉緒さんにあやまるコッペさま。


「では、キミトくんとタマゴデートをさせろ」

 ビシッと、言い放つ玉緒さん。


「OKですパン」

 コッペさまの許可取りができた。

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