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あんこデラックス  作者: キノぴょ
7章 〈メイドの黄味、黄味〉
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81/96

第81話 タマゴの注文

 糖京都心。甘チョコ区。女王住居。

 女王の食卓。午後3時。

「プリンだよ」

「プリンです」

 アンコリンの元に、玉緒さん。

 スア丸の元に、キミトくん。

 コンビニスイーツの、プリンを持ってきてくれた。

 二人は、見つめ合って微笑んでいる。

 仲が、深まったのだ。


「一つで、我慢するんですよ」

 メイプルくんが、念を押す。やっぱり、鬼だ。

「味わって食べるわよ。スア丸」

「もちろんワン。アンコリン」

 パク。


「あ、ま〜~い」

「甘〜いワン」

 最高のスイーツの一角、プリン。

 贅沢な甘味が、お口いっぱいに広がる。


「わたしたちは、天然水で休憩を取ろうか」

「はい。玉緒おねえさん」

 秘密のキスの後、自動販売機で、二人で買った天然水である。これを、飲んでひと休みだ。



 第81話 タマゴの注文



 女王の居間。

「入院している時、味覚障害だったの?」

 甘い午後のおやつを食べて、ソファでくつろぐアンコリンは、スア丸にひざ枕をしてあげている。

「そうそう。そうなんだよ」

 天然水を飲んでくつろぐ、玉緒さん。

 隣りに、キミトくんもいる。

「味覚が、遮断される感じかな」

「ヒヨコたちが可哀想でした」

「大丈夫ピヨピヨ」

「気にするなピーヨ」

 ヒヨコメイドたちは、もう気にしない。未来を見る。


 その日の夕食は、親子丼だった。

 現在、高騰しているタマゴのはずであるが、当分の間、タマゴメニューが続く予定だ。

 その理由は、専属メイドボーイのキミトくんが、タマゴの数を、発注ミスしてしまったからだ。

「糖京タマゴセンターに、ネットで注文したんですけど、数を多く注文してしまいました」

 落ち込む、キミトくん。


 糖京タマゴセンター。

 タマゴの流通、生産を総合的に管理している会社。


「当分の間、タマゴ料理です。多分」

「基本、間違えちゃ駄目だぞ。キミトくん」

「す、すみません」

「しょうがない男の子だ」


「女王アンコリン。タマゴの注文が多かったため、明日のメニューは、タマゴ三昧ですよ」

 メイプルくんは、アンコリンの食事スケジュール帳を書き直す。


 明日の女王住居のメニュー。

 朝食は、タマゴかけご飯。

 昼食は、オムライス。

 夕食は、目玉焼きハンバーグ。


「え」

「ワ、ワン」

 アンコリンの大好物だらけである。

「う、うれしいわ。メイプルくん。神なの?」

「ありがとうワン。メイプルくん」

 アンコリンとスア丸は、メイプルくんの手を取り、喜ぶ。

 調子に乗って、何でも食べれると思わないか。

 メイプルくんは、心配だ。


「明日は、タマゴパーティーなわけだ」

 キミトくんのミスの呼んだこと。玉緒さんも複雑だ。



 女王の寝室。

 夜。眠る前のひと時。

「夕食の親子丼は、美味しかったな」

「本当よね」

 仲良くなった玉緒さんと、雑談をしていた。

 アンコリンは、パジャマ姿。

 玉緒さんは、メイド服のままだ。


「明日は、タマゴパーティーよ」

「キミトくんの失敗なんだが」

「私は、鬼のメイプルくんに食事の管理を頼ってるから、気にしないわよ」

「メイプルくんは、鬼だったのか」


 クスクス笑い合う。

 アンコリンが、子供の頃に経験しなかった、仲良くなった女の娘との夜会話だ。

 恋の進展の話も聞いた。

 コンビニにプリンを買ってきた時に、初キスをしたこと。

 結構、大胆な話だ。

 基本は、恋の欲求が低い、玉緒さん。

 そばにいてくれるだけで、恋人同士で、気持ちを共有するだけで、満足できる。

 それは、アンコリンも同じで、今が幸せ。

 そばにいてくれるだけで、うれしくなってる。

 甘味女王として、いそがしくて、女の娘の恋の応援に専念してしまうアンコリン。

 でも、スア丸とは、仲良し。

 いつも、一緒にいる。


「今が、ずっと続いて、スア丸と仲良しでいたいわ」


 アンコリンの願い。

「良い関係なんだな」

 大きくうなづく玉緒さん。

 玉緒さんも、キミトくんと仲良しでいたい。

 明日は、タマゴパーティー。

 値段が高騰しているタマゴを、大事に食べよう。


「おやすみ。女王アンコリンちゃん」

「おやすみなさい」


 タマゴの良い夢が見られますように。

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