第79話 プリンは、どうなんだい
先代シュガーリーの頃。
「甘いものを、食べ比べてください」
女王秘書トーフが、モノクルを光らせる。
「あ、ありがとう。トーフ」
甘味女王シュガーリーは、並べられた小豆とチョコの甘いものに驚く。
「今日の昼食は?」
「甘味女王なのですから、甘いものを食べてください」
「良いのでしょうか」
ためらう、シュガーリー。
「チュンチュチュン」
訳・女王。栄養のためにも、きちんとした食事を。
「心配だぞ。女王シュガーリーさま」
「糖ニョウ病になってしまいます」
玉緒さんとキミトくんが、不安になる。
「女王、大丈夫ピヨピヨ?」
「甘いものひかえるように、医師に言われていたピヨ」
ヒヨコメイドたちは、女王シュガーリーに駆け寄る。
「ヒヨコメイドたち。そうですよね。糖ニョウ病になってしまいますよね」
健康に良くないところもある。
甘味女王、しかも砂糖の精霊。それでも、糖ニョウ病は、警戒しなくてはいけない。。
「ワタクシ、食べるのをひかえます」
そう言ったが、シュガーリーは、糖ニョウ病に倒れた。
第79話 プリンは、どうなんだい
糖京都心。甘チョコ区。女王住居。
女王の居間。
メイプルくんの到着を待つ間。
台所作業を手伝ったキミトくんも一緒に、食後の休憩時間をとっていた。
「先代甘味女王シュガーリーさまは、昼食が甘いものだけの時もあったな」
「ぼくも、ずっと健康が心配でした」
「医師に止められていたピヨ」
玉緒さんとキミトくんに、ヒヨコメイドたち、全員が心配する中で、先代シュガーリーは倒れた。
「やっぱり、甘いものの食べ過ぎは良くないのね」
アンコリンは、自分のこともあるが、スア丸のことが心配になってきた。
「私の甘いもの好きに付き合わせてごめんね。スア丸」
「アンコリン…」
大きくケモミミとシッポを震わせるスア丸。
感動しているのだ。
「僕の心配してくれてありがとうワン」
ぎゅ。
アンコリンの首元に抱きつく。
そのまま、スリスリと甘えた仕草をみせる。
スア丸は、優しいアンコリンが、大好きなのだ。
「きゃ。ちょっと、スア丸」
「大好きワン」
玄関。
そんな中で、女王お目付け役メイプルくんの到着である。
書類をトランクケースに詰め込んで、三つ持ってきている。それを、シボルさまとキミトくんとメイプルくんで、一つずつ女王執務室に運んだ。
女王執務室。
「昼食時間までに終わらせてくださいね」
「無理よ〜」
「また、ハンコが押せるワン」
メイプルくんに、厳しく、レ点作業を見守られる。
アンコリンは、黙々と、レ点サインをする。
スア丸は、書類にハンコを押す。
「女王アンコリン。以前、太っていたんですね」
「え。ああ、そうなのよ」
メイプルくんは、書類を一つずつ目を通している。
アンコリンが太っていたことは、女王住居交代制医師の、ミルさまから、聞いたそうだ。
「それで、プリンが、食べたいそうですね」
「そ、そうなのよ。てへ。ごめんなさい」
お茶目なアンコリン。可愛くあやまる。
「良いですよ。プリンにしても」
「え」
「ワ、ワン?」
アンコリンとスア丸は、驚く。
鬼のはずのメイプルくんが、どうしたのか。
「プリンは、小さめで、1個ですよ」
「プリンなら、良いのよ〜」
「僕たちは、プリン食べたいんだワン〜」
泣く。アンコリンとスア丸。
メイプルくんは、コンビニのプリンだと言う。
専属メイドに買ってきてもらうつもりだ。
「プリン。どうなったんだい?」
飲み物のお茶を持って、玉緒さんが入ってきた。
メイプルくんは、糖質制限を頑張っている一人と一匹に、最近優しいのだ。
鬼かと思っていたら、神だったのだ。
「メイプルくん。鬼じゃないの。神なの〜」
「鬼じゃなくて、神だったワン〜」
「ですから。鬼とか、神とか。考えすぎですよ」
泣くアンコリンとスア丸に、困るメイプルくん。
「ああ、そうなのかい。良かった。良かった」
「ぼくたちが、買ってきますね」
プリンは、玉緒さんとキミトくんが買ってきてくれることになった。




