第78話 アンコリンの黒歴史
糖京都心。甘チョコ区。女王住居。
女王保健室。
「確か、小学生の頃、太ってたのよね〜」
交代制医師の甘味精霊ミルさまが、聞いてきた。
女王アンコリンの朝のメディカルチェックだ。
小学生の頃。
アンコリンは、中太り、小太り。太っていた。
そのことでイジメられていた。
しかし、気の強いアンコリンは、反対にイジメっ子をビシバシと張り倒していた。
友達なんて、一人もいなかった。
いたのは、愛犬スア丸だけ。
甘いものは、大好きで、たくさん食べていた。
しかし、スア丸は、痩せていた。
いつも駆けまわってたから。
健康的になろうとして、スア丸と一緒に、身体を動かしていたら、いつの間にか痩せていた。
可愛い女の娘になった。
「今まで通り、午後3時のおやつ1個にして、ヘルシー食を心がければ、大丈夫よ〜」
「わかったわ」
「いつも、同じこと言われるワン」
アンコリンとスア丸は、食べたいものがあった。
プリンが食べたい。
第78話 アンコリンの黒歴史
プリン。
最高の食の一つ。
女王の食卓。朝食時間。
「レタスのコッペパンですパン」
最近の朝食担当のコッペさまが、木の皿を持ってくる。
専属メイドのちゅちゅんと玉緒さんも運んでくる。
女王の食卓のテーブルには、アンコリンとスア丸、ちゅちゅんと玉緒さん、シボルさまが座る。
隣りのテーブルに、ヒヨコメイドたちがいる。
メイドたちとも、食卓を共にするのだ。
「女王アンコリンちゃんは、小学生の頃に太っていたの?」
「そうなのよ。玉緒さん」
アンコリンは、あまり、過去を思い出したくは無い。
嫌なことばかりだった。
今は、優しい人たちにかこまれている。
小学生の頃は、スア丸しか友達がいなかった。
カオスだった。
我ながら、運が悪かったと思う。
「チュンチュチュン」
訳・それで、糖ニョウ病予備軍なんですね
スズメちゅちゅん、ハッキリと言う。
「う」
「ワン」
糖ニョウ病って、何であるのだろう
「いただきます」
専属運転手シボルさまが、レタスコッペパンを楽しむ。
「玉緒さん。レタス嫌いのキミトくんは、どうしたの?」
「無理やり食べて、台所の後片付けのお手伝い中だよ」
完食させたことを、自慢する玉緒さん。
レタスは、苦いが、美味しい野菜だ。
アンコリンは、玉緒さんが、おねえさんとして年下の男の子の好き嫌いを克服させてあげたいことを理解する。
「でも、新鮮な野菜がたくさんだね」
玉緒さんが経験していた先代シュガーリー時代の女王住居では、食卓は、甘いものだらけ。
毎食、甘いものだった。
「そ、そうなの?」
「うらやましいけど、糖ニョウ病はどうしたワン?」
驚くアンコリンとスア丸。
先代シュガーリーは、糖ニョウ病である。
昔は、糖京都に甘いものを広めること。
糖京都で、甘いものを全部食べることなどをしていた。
女性秘書トーフが、管理していた。
現在は、食を守ること。
女王アンコリンが、女の娘の恋を応援すること。
二つのイメージが強い。
アンコリンは、甘味女王となり、女王候補以前のことを、ど忘れしているところもある。
甘味女王は、甘いものの流通を主に手助けしていた。
甘いものを食べることを広めていた。
自身が、糖ニョウ病となり、倒れてしまった先代女王シュガーリー。甘いものをたくさん食べて、甘味イケメン精霊にかこまれた“逆ハーレム”を持っていたのである。
甘味女王=イケメン精霊に愛される。
みたいなイメージが、あったのだった。
そして、甘いものをたくさん食べれるイメージ。
「そうだったかしら…」
アンコリン、おぼえていない。
食後。
女王の居間。
シボルさまが、スケジュール帳を確認する。
女王宮殿での執務室でのお仕事がある。
「執務室って、レ点作業よね。この住居でやるわ」
「そうですか」
執務室のレ点作業以外にお仕事の予定は無い。
作業は、女王住居の執務室で出来る。
アンコリンは、玉緒さんたちと、もっと仲良くしたい。
「では、お目付け役のメイプルくんを呼びます」
「メ、メイプルくんを呼ぶの?」
アンコリン、プリンのことをあきらめる。
メイプルくんは、絶対許してくれない男の子である。




