第69話 ナッツをサンドイッチ
木の実区。木の実女子高校。
体育館。
内部では、10数人程の親衛隊が、金属バッドを持って立てこもっていた。
ガムテープで両手をグルグル巻きにされたココさまが、正座させられて、捕まっている。
「あんたら。近づいたら、ココさまを叩くわよ」
「金属バッドだから、痛いわよ」
「離れるのよ」
強気な、木の実女学生たちは、大声でわめいている。
止めなくてはいけない。
この世に、悪事を栄えさせてはいけない。
「止めますパン」
コッペパンの精霊コッペさまは、両手を広げたまま、意識を集中する。
「伯爵。サンドイッチ…!」
すさまじい衝撃が、体育館を包み込む。
コッペさまが広げた両手を合わせると、体育館の中の木の実女学生たちが、空気にはさまれて身動きが取れなくなる。
この瞬間を、警察は、見過ごさなかった。
次々と突入して、体育館の中の木の実女学生たちを、次々と制圧して行く。
無事に、ココさまを救助することが出来た。
誘拐事件の解決である。
第69話 ナッツをサンドイッチ
誘拐事件の首謀者は、ピーナだった。
ココさまと付き合いたいと言ったら、親衛隊の全員から、嫌がらせを受けた。
嫌がらせを止めて欲しいと言うと、ココさまを全員で分け合うように脅迫されてしまった。
親衛隊のリーダーだが、誰も従わない。
ピーナは、ココさまの誘拐を提案。
女子高校の体育館で、好きなだけ触れ合おうと決めた。
そして、立てこもりである。
クルミちゃん以外の全員の親衛隊とピーナが、警察に逮捕されることになった。
真っ黒すぎだ。
ココさまは、無事なのだろうか。
「うう…ううう…ココ…さま…」
クルミちゃんは、泣いていた。
こんな事件に大好きな人が巻き込まれるなんて、ショックなことに間違いはない。
「あらら、クルミちゃん。どうしたの」
ココさまだ。
両手にガムテープの跡がある。
「大丈夫だよ」
無事をアピールして、騒がしい親衛隊がいなくなったことを心から、安心したと言う。
良い娘が全然いないのもわかっていた。
警察にも、裏で相談していた。
その上での、迅速な対処なのだ。
「キミだけ良い娘だったね。クルミちゃん」
ココさまは、語りかけるが、クルミちゃんは、ずっと泣いている。
「ごめんね。心配かけて。女の娘運が悪くてさ」
ぎゅ。
後ろから、クルミちゃんを抱きしめるココさま。
「怖かったかな」
優しく頭をなでてくれる。
「ココ…さま…大丈…夫?」
泣きながら、聞く。
ココさまは、落ち着くように頭をなでる。
何もされなかったのだろうか。
暴行を受けていないのだろうか。
心配で、駄目だ。
涙が止まらない。
「泣かないで。大丈夫だよ」
大好きな人が、なぐさめてくれている。
反対に心配されている。
でも…。
後ろから抱きしめてもらっているのは、すごく落ち着く。
「クルミちゃんとココさま。大丈夫かしら」
「きっと、大丈夫ワン」
遠くから見守るアンコリンとスア丸。
ゆっくりした優柔不断なココさまが、クルミちゃんをなぐさめている。
ちょっと、意外。
「はじめから、親衛隊は、全員、黒かったからな」
「ココさん親衛隊の仲間と考えると、運勢が本当に悪かったのは、クルミちゃんの方ですよ」
「裏で守ってたわけだもんな」
「不器用ですよね」
バーニさまとメイプルくん、ココさまの男心を読み取る。
悪人だらけの親衛隊。その中にいた唯一の良い娘。
もう、答えは出ている。
警察の捜査のため、ココナッツ占いの館は、立ち入り禁止となった。
クルミちゃんも家宅捜索を受けることになったので、甘味宮殿の客室に出迎えることになった。
糖京都心。甘チョコ区。甘味宮殿。
女性客室。
簡単なベッドの寝室と、テレビの置かれた居間の二部屋の構成になっている。
今は、居間の方にいる。
「親衛隊もピーナも悪人だって、わかっていたのね」
「ホーホケキョ」
訳・災難だったね。
「クルミちゃん。ゆっくり休むだ」
アンコリンたち女の娘組は、クルミちゃんの身を案じる。
親衛隊には、クルミちゃん以外悪い娘しかいなかった。
バーニさまとメイプルくんが、「真っ黒だったから当然」と言っていた。
「親衛隊に運命の女の娘がいる占いは何だったんでしょう」
クルミちゃんは、疑問を持つ。




