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あんこデラックス  作者: キノぴょ
6章 〈ミーハーナッツガール〉
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第66話 悪女マカデミン

 木の実区。ココナッツ占いの館。

 館内カフェ。

 10数名のココさま親衛隊の中から、目立ったオカッパのカツラとくもり眼鏡を取った女学生。

「この、ピーナめ。目障りなオンナだよ」

 女学生は、様子がおかしかった。

 驚くほど細く長い髪の持ち主だった。

 よく見ると、化粧で若く見せている美魔女だった。

 40代か。50代か。

 とにかく、木の実女子高校の女学生では無い。

「アタシは、悪女マカデミン。ココさまを愛する美魔女さ」

 自分で、悪女、美魔女を名乗る。


 悪女マカデミン。

 木の実区に隠れ住む。年齢不詳の美魔女。

 マカデミアナッツ色の細く長い髪。

 自分を若く見せることに全力を出している。

 テレビジョンで、占い師ココさまに惚れて、木の実女学生のふりをして親衛隊に入ったらしい。

 男に惚れたのは、一度や二度じゃない。

 全て、魔導書で手に入れようとしては、警察に止められてきた。常習犯。

 警察から指名手配中の逃亡犯。


「指名手配中の逃亡犯なわけか」

「警察に連絡しましょう」

 バーニさまは、油断なく身構える。

 メイプルくんは、スマートフォンで警察に連絡する。



 第66話 悪女マカデミン



「警察に捕まってたまるかい」

 マカデミンは、もう一冊の魔導書をカバンから取り出す。

「何だ」

「…予備さ。スマートフォンを取り上げろ」

 二冊目の宅配命令の魔導書を使って宅配業者を支配する。


「ぐ…ぐぐ…」

 宅配業者は、命令を受けて、メイプルくんのスマートフォンを奪い取ろうとする。

「宅配業者さんは、操られているんですか?」

 スマートフォンを守ったメイプルくんは、身構える。


「ぐぬぬ…」

 宅配業者は、その後、荷物を安全な場所に置く。

 荷物は、安全に、破損無く届ける。

 お客さまに迷惑がかからないようにする。

 メイプルくんのスマートフォンを狙うのをやめる。

 そして、全身全霊であらがう。


 見事な宅配スピリッツである。


「大丈夫か。宅配業者」

「待っていてください。宅配業者さん。二冊目の魔導書を何とかしますから」


「ま、待ってくれ。おれは、宅配業者だが、以前、悪女マカデミンに惚れられて、付き合っていたことがあるんだ」

 宅配業者。過去を語る。

 達夫。36歳。

 1年前、ネット通販を頼んだ悪女マカデミン。

 その配達を担当したことがあった。

 その際、フィーリングが合い、交際へ発展した。

 宅配業者とお客さま。

 二人は、結婚を誓い合うほどの仲となった。

 しかし、仕事がいそがしく、会う時間が少なくなり、自然と心が離れていった。

「ココさんの元に、落花生プレゼントを大量注文したのは、おれだ」

 マカデミンから、頼まれているような、自意識のような、不思議な感覚があったらしい。


 配達命令の魔導書だとは、思わなかった。

 落花生大量プレゼント事件に発展したと気づけなかった。

 悪女マカデミンを愛している。


「達夫さん…」

「マカデミン…」


 配達業者と、マカデミンは手を取り合った。

 マカデミンは、テレビジョンで見たココさまに浮気していた。親衛隊に入っていた。


「気にしないよ。一緒に警察に行こう」

「ああ。達夫さん」


 恋心は、悪女マカデミンの心を洗い流した。

 手をつないだ二人は、一緒にココさまに、皆んなに頭を下げて、謝罪した。

「配達業者の恋なのね」

「不思議な恋ワン」

「配達業者も、男だな」

「警察に行ってもらいましょう」

 アンコリンたちは、すれ違った恋人たちを見つめる。


「何だったんだ。ワタシは、若い女の娘が良いよ」

 ココさまは、我がままだ。

 悪女マカデミンは、全く興味を持てない女性だった。

 それは、人それぞれ違うのが当たり前だ。

 とにかく、危険人物だ。

 周りには、黒い人間ばかりが集まる。

 親衛隊が信用できない。

「落花生大量プレゼントは、ワタシへの嫌がらせだったんですね」

 ココさまの腕にしがみついたままのピーナ。


「…ココさま」

 クルミちゃんは、不安。

 ココさまに、しがみつく勇気がない。

「クルミちゃん…」

 これには、アンコリンも気がつく。

 この女の娘を助けなければいけない。


 その後、警察が来て、悪女マカデミンと、共謀したと進言する配達業者の達夫さんが逮捕された。


 落花生大量プレゼント事件は、悪女と配達業者という恋人同士の共犯ということになった。

 事件解決である。

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