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あんこデラックス  作者: キノぴょ
6章 〈ミーハーナッツガール〉
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第63話 ミーハーなクルミちゃん

 大森クルミ。16歳。

 真面目で、内気な女の娘。

 はじめて恋をしたのは、占い師さまだった。


 雑誌で取り上げられていた人。

 テレビジョンでも取り上げられた人。

 その人は、優しい瞳のゆったりさんだった。

 その人は、言った。


「自分の親衛隊の中に未来の恋人がいる」


 よく当たる占い師が、自分のことを占った。

 クルミちゃんも、親衛隊に入ってた。

 “可能性”が、あった。

 うれしかった。

 もちろん、自信は、あまり無い。

 親衛隊は気性が荒い女の娘が多くて、嫌だった。


 でも、ゆったりさんの憧れの男の人は、その中から、一番を探している途中。


 わたしを選んで…。



 第63話 ミーハーなクルミちゃん



 木の実区。ココナッツ占いの館。

 駐車場。

「わたし、ココさま以外の男の人なんて考えられません」

 クルミちゃんは、恋する女の娘だ。

「私は、あなたのこと可能性あるって思う」

「え」

「私、あなたのこと、良い娘だと思うわ」

「ほ、本当ですか?」

「本当よ。しゃべり方も可愛いし、良い感じよ」

「ココさまとお付き合い出来ますか?」

「出来るわよ。私が、頼んであげる」

 アンコリンは、根拠も無く約束するが、自分の占いで、親衛隊の中に未来の恋人を探しているのならば、可能性はあると思う。

「恋の応援なら、アンコリンがいつも頑張ってるワン」

 スア丸は、アンコリンの頭をなでてあげる。

 アンコリンは、ニコニコ喜ぶ。

 いつも、知り合った女の娘の恋を気にするアンコリン。

 いつも、上手く行って欲しいと願っている。

 スア丸は、頑張るアンコリンが大好きだ。

 でも、危険なら、やめて欲しい。


 しばらくすると、メイプルくんが戻って来た。

「話を聞きに来てください」

 アンコリンとスア丸は、メイプルくんに館内カフェに案内される。クルミちゃんも一緒だ。

「お気をつけて」

 シボルさまが、専用車から見送る。


 館内カフェ。

 親衛隊の木の実女学生たちが、見つめる中、アンコリンとスア丸はバーニさまの座る席まで移動した。

「甘味女王アンコリンだ。それで、あんたは、どう言い訳をするんだっけ?」

 バーニさまは、イラ立ちを抑えた声で言った。

「ワタシは、自分のこともわかる占い師だ。落花生プレゼント事件を解決しないで欲しいな」

 ヤシの精霊ココさま。

 ヤシ色の長い髪の男の人。

 落ち着いた感じで、ゆったりしている。

「ワタシは、自分の愛すべき女の娘を、現在探している途中なんだよ」

 ゆっくりとしゃべる。

 落花生プレゼントの女の娘も、運命の相手かもしれない。

 周りのココさま親衛隊の女の娘たちも、はしゃいでいる。

 自分のことを選んでくれると期待しているのだ。


 女の娘の期待に満ちた視線。

 はしゃぐ声。

 誰しも、自分が選ばれると期待を持っている。

 この雰囲気。

 これを作り出した男。

 モテる。


 このモテる男の人は、親衛隊の継続を望んでいる。

 自分の納得する女の娘を見つけるまで。

 しかし、親衛隊は、良い娘たちと思えない。


「この親衛隊とやらから、選ぶのか」

「守りたいんだよ」

「守りたい?」

 ココさまは、恋愛をはじめた。

 経験の無い“恋愛”。

 それを、“守りたい”。

「この女の娘たちの中にいるんだよ」

「そうか。守りたいのか。オレは、敗残した経験しかないから導けないな。しかし甘味女王アンコリンなら、何とか出来るかもしれない」

 バーニさまは両手を上げる。

 恋愛の相手を守ることは、お手上げということ。

 何故なら、シュガーリーを守れなかった過去がある。

 幼なじみソルトを想っていたシュガーリー。

 その砂糖精霊の女の人を、裏で泣かせ続けていた。

 幼なじみソルトと、別れたと思っていた。

 塩精霊ソルトを信じていなかった。言い訳だ。

 恋では、アンコリンの方が、格上。

 元・愛犬のスア丸と両想い。

 出番ということである。


「あなたが、ココさまね」

 アンコリンは、両手を腰に当てる。

 髪の長い、ゆっくり系な、男の人。

 クルミちゃんの憧れの男の人なわけだ。

 恋愛相手を探している。

 なら、答えは、決まっている。


「ココさまは、クルミちゃんとお付き合いすれば良いわ」

「そうだワン」

 スア丸も一緒にうなづき合う。


「ああ、クルミちゃんがいいのか」

 納得するココさまは、クルミちゃんとお付き合いすることに決める。

「わ、わたし…」

 感動に満ちあふれるクルミちゃん。


「ちょ、ちょっと!親衛隊リーダーは、ワタシです」

 すでに、成人しているピーナがわって入る。

「ああ、そうだったね」

 ココさまは、親衛隊の手前、一人に決められないと言う。


「クルミちゃんとお付き合いしようと思うけど…」

 ココさまは、親衛隊の様子をうかがう。

「決めなさいよ!」

 ハッキリしないココさまに、アンコリンは、イラ立った。

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