第6話 メイプルくんルート
糖京都心。楓邸。
ピンポーン。
「はーい」
「オレだよ。氷菓の精霊バーニだ」
「バーニさん。何でしょうか」
「ドレ…じゃなくて。用事があるから、屋敷に入れてくれ」
「はい。わかりました」
楓邸の前には、バーニさま。
アンコリンとスア丸は、ジッと身を隠している。
「バーニさん。ご用事は何ですか?」
「入るぞ!」
「行くわよ!スア丸」
「行くワン!」
バーニさま、アンコリン、スア丸が屋敷に上がり込む。
「?」
楓の精霊メイプルくん。
赤毛のあどけない少年。何も知らない無垢な男の子。
優秀な若者で、世間知らず。
これから、何が起こるか想像もできないピュアボーイ。
第6話 メイプルくんルート
甘味の精霊。
主に、植物系を由来とする甘味原料の化身。
原材料の作物の豊作をもたらす。
最上級甘味精霊。砂糖の精霊シュガーリーは、唯一の甘味女性精霊にして、甘味女王となった。
「あなたは、私に絶対服従するのよ」
「絶対服従だワン」
「ほら、万年筆だ。誓約書を書け」
「え、え?何ですか?」
万年筆を持たされた楓の精霊メイプルくん。戸惑う。
目の前には、魔導書が開かれて、置いてある。
絶対服従の魔導書だ。
サインしたが、最後。どんなことがあっても、魔導書の内容に従わなくてはいけない。
「あの…。内容を確認していいですか?」
「ち。それには、頭がまわるか」
バーニさまは、メイプルくんの両肩をつかみ、真っ直ぐ見つめる。
「人助け。犬のスア丸くんを助けるためなんだ。黙って、書くんだ」
「これは、法律違反にはなりませんか?」
「ならない。オレを信用しろ」
「…わかりました。人助け。犬助けになるんですね。書きましょう」
[絶対服従者名・メイプル]
メイプルくんは、自分の名前を書いた。
バーニさまは、信頼されている。
「良し。後は、ご主人様の名前を書くだけだ」
「私は、スア丸のご主人様よ」
「そうだワン」
アンコリンとスア丸は、手をつなぐ。
「そうだな…。じゃあ、犬以下のドレイにするわけだから、スア丸くんをご主人様にしよう」
バーニさまのアイデアで、スア丸が書く。
[絶対ご主人様名・スア丸]
スア丸が、書き終えた瞬間。魔導書が光り輝いた。
絶対服従の誓約書が完成したのだ。
「この魔導書は、スア丸くん。キミのものだ」
「いただくワン」
スア丸は、魔導書を抱きしめる。
どんな効果があるか、試すことにする。
「メイプルくん。この魔導書を入れて持ち歩くポーチをくれワン」
「…イエス。了解しました」
メイプルくんは、右手の甲に魔法陣が浮かび上がり、クローゼットからポーチを持ってきた。
ぶら下げヒモも付いてて、スア丸がそれを肩からかける。
「なかなか良い感じワン」
「似合ってるわよ。スア丸」
「アンコリン。ありがとうワン」
「甘味精霊を従えたことで、次の試練に進もう」
バーニさまによると、カカオの精霊チョトさまに、砂糖で作った甘いものを食べてもらうらしい。




