第48話 女王も召し上がりました
糖京都心。女王住居。
朝食を作ってくれるのは、メイプルくん。
新鮮レタスとトマトのサンドイッチだ。
「お野菜学園を思い出すわね」
「あの学園では、レタス2枚で、パンが無かったワン」
アンコリンとスア丸は、思い出す。
私立お野菜学園。
甘獄。と呼ばれた、お野菜しか食べてはいけない校則があった学園。
あそこでは、学生のカブアンと仲良くなった。
カブアンは、幼なじみのクリッツくんのことが大好きで、告白して、恋人同士になった。
「神さまと天使が恋人同士になりましたね」
朝食を作りに来てくれるメイプルくんは、一緒にサンドイッチを食べている。
「上手くいったのよ。ね。スア丸」
「僕たちをお手本にしてもらうワン」
朝食を終えて、アンコリンの背中から抱きつくスア丸。
そして、髪の毛にキスを連発する。
「きゃ。スア丸ったら、甘えすぎよ」
「甘〜いのが、大好きワン」
いちゃいちゃ。いちゃいちゃ。
「仲良いですね」
幸せそうに笑う女王アンコリンを見れる。
メイプルくんの朝の習慣である。
第48話 女王も召し上がりました
女王住居。
駐車場。
「100%オレンジジュースだけでも、飲みませんか」
女王専用車の運転手。果汁の精霊シボルさまが、アンコリンにオレンジジュースをすすめてきた。
クーラーボックスに100%オレンジジュースの小さめなペットボトルが入っている。
「え。ジュースを飲んでも良いの?」
「ジュース飲みたいワン」
瞳が輝く、アンコリンとスア丸。
「うーん。小さめなペットボトルくらいなら許しましょうか。糖質制限を頑張ってますしね」
「と、言うことで。どうぞ。女王アンコリン」
シボルさまは、メイプルくんの許可を取り、小さめなペットボトルの100%オレンジジュースを差し出す。
ごくごく。
「おい、し〜〜い」
「美味し〜いワン」
オレンジの恵みを楽しむ。
異常なまでのソーラーオレンジの大豊作にはじまった今回の件。美味しくてフレッシュなオレンジが楽しめたのは、とても良かった。
糖京都心。甘味宮殿。
玄関。
「俺は、帰ります。ユズエルさんと一緒に」
「ありがとう。アンコリンちゃん」
オレンジが大好きな太陽神。
それに一途な気持ちを持っていた天使ユズエル。
二人は、泣いてしまったけど。想いがつながった。
恋人同士になった。
神さまに恋心が目覚めたのは、ユズエルが泣いた時。
本当に、それは、はじまったばかりの感情。
神さまは、恋をこれからはじめる。
「大量のオレンジは、天界へも送ってください。俺、たくさん食べます」
異常なまでのオレンジ好きは、変わらないようだ。
女王アンコリンは、恋人同士になった神さまと天使を見送った。
スア丸。大臣二人。甘味イケメン精霊たち。
内心、神さまは、働きすぎだと思う。
「これから、いつでも変わっていけるのさ」
いつもの通り、バーニさまは前向きだ。
神さまは、きっと、これからは、大好きな女の娘ユズエルとの時間が欲しくて、仕事量を減らすことだろう。
「神さまも助けるなんて、さすがだな。アンコリン」
「では、今日の女王の仕事をしましょうか」
バーニさまとメイプルくん、笑顔だ。
女王執務室。
大量の書類にサイン。主に、レ点。
女王アンコリンのお仕事である。
「こ、この書類の量は、おかしいわ」
「ハンコのお仕事、大好きワン」
女王の婚約者スア丸は、書類にハンコを押すのがお仕事。
「なあ、アンコリン」
「な、何かしら。バーニさま」
アンコリンは、レ点作業をこなしている。
「温泉まんじゅうって、興味あるか」
「温泉まんじゅう…」
甘い。
丸くてたっぷり“あんこ”の一品。
超、大好きなやつだ。
「新作にオレンジまんじゅうを作って失敗した店がたくさんあるらしいですよね」
「そうなの?メイプルくん」
オレンジまんじゅうの売り上げが伸びず、赤字傾向にあるそうだ。
「オレンジまんじゅうを買い取って、天界の神さまに送りましょうか」
オレンジ好きのラー神さま。
オレンジまんじゅうは、食べてくれるだろうか。
「私は、普通の“あんこ”のまんじゅうが大好き」
「オレンジばかりで、飽きたワン。まんじゅうをたくさん食べたいワン」
糖ニョウ病予備軍で無ければ、今すぐにでも、まんじゅうをお腹いっぱい食べたいアンコリンとスア丸だった。
ジャパン国。糖京都。
キミは、太陽神と柑橘天使の恋を見守った。
オレンジは甘くて美味しかったね。
異常なまでのオレンジは全部美味しく召し上がりました。




