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あんこデラックス  作者: キノぴょ
4章 〈異常なまでのオレンジ〉
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第46話 オレンジ禁止令

 糖京都心。甘味宮殿。

 食卓。

 オレンジ禁止令、発動。

「聞きなさい。ラー神さま。あなたには、オレンジ禁止令を受けてもらうわ」

 悪い女王さまみたいになっちゃったアンコリン。

 女の娘の純真を考えないような神さまは、悪い子だ。

 それ相応の罰を平等に与えるのだ。

「ホーホケキョ」

 訳・オレンジあげないよ。

「反省するだぞ」

 まめ子ときな子も、意地悪になる。

 太陽のラー神さまの、今日の晩ごはん。

 ケチャップたっぷりのオムライス。

 料理ができるメイプルくんが、冷蔵庫にある食材で簡単に調理したものだ。そもそも、ソーラーオレンジを食べていただく予定だったので、急ごしらえで作った。


「…」

 ラー神さまは、黒い長い髪をかき分けて、無言でオムライスを食べきった。オレンジの話はしなかった。



 第46話 オレンジ禁止令



 天使。

 天界に住む住人。

 翼を出し入れ出来る。空を飛べる人間。


 翌日。早朝。

 天使と名乗る集団が、ラー神さまを迎えに来た。

「ラー神さまに、働いてもらわないと困るのですじゃ」

 大天使ヒュウガナツが、深々と頭を下げた。

「帰ってくれ」

 バーニさまは、言った。

 今、ラー神さまは、疲労のために完全に熟睡している。

 疲れ切っているのだ。

 神さまは、働きすぎだ。


 天界では、金銭は存在しない。

 神さまは、完全に慈善活動をしていて、お礼を言われるためだけに働いている。


 “ありがとう”のひと言をもらうためにだ。


「ありがとうは、お金の代わりか」

 安すぎる給料だ。

 労働に見合うどころの話では、無い。

「ありがとうの言葉だけで、神さまは、働いてくださりますのですじゃ」

 天使は、ありがとうは、神さまの一番喜ぶ言葉だと言う。


 “ありがとう”のひと言。


 そんなもののために、頑張れるものか。

 こんな老婆天使を迎えにこさせて、ふざけているのか。

 男は、可愛い女の娘に飢えてるんだよ。

 仲良くしてみたいんだよ。

 カッコよく生まれたなら、可愛い女の娘と手を取り合いたい。見つめ合いたい。

 そういうものなんだ。


 神さまは、不幸だったな。

 しかし、女の娘。天使ユズエルを幸せにする。


「甘味精霊。集結してください」

 メイプルくんの号令で、甘味イケメン精霊たちが、大天使ヒュウガナツたちを甘味宮殿の外へと追い出した。

 入り口の門を閉める。



 朝の食卓。

 甘味イケメン精霊たちは、大豊作だったソーラーオレンジを主食に食べている。ジャムにしたり、100%オレンジジュースにして飲んだりしている。


「うふふ。糖ニョウ病予備軍の私たちには、朝食にオレンジを食べれないのよね…」

「悲しいワン…」

 女王とその婚約者のケモミミ男の子は、たそがれている。

 朝食は、たまごコッペパンだった。

 完全に食べてはいけないわけでは、無い。

 糖質制限が必要なのだ。

 甘いものは、午後3時のおやつだけ。

 1日1個である。


 一方。

 ラー神さまの朝食。オレンジ以外の在庫が無いので、オレンジ禁止令を取り消す。


「…」

 太陽のラー神さまは、呆然とソーラーオレンジを見つめている。

 その姿は、イケメンである。


「…カッコよすぎる」

 天使ユズエルは、遠くで見ている。

 後ろ姿だ。

 泣いちゃったこと、謝罪しようかな。

 お仕事いそがしいのが、神さまなんだ。


「オレンジ禁止令は解くけど、反省するのよ」

「本当に、申し訳ありませんでした」

 腕を組むアンコリンに、頭を下げるラー神さま。

 どっちが、神かもわからない。


「オレンジ…」

 その後、ラー神さまは、黙々とオレンジを食べつくした。



 広間。

「わたし。告白しようと…思う」

 天使ユズエルが、再び、決心をした。

 気持ちを伝えて無かった。

 怒られたと思って、泣いてしまった。

 今度こそ、言いたい。


「ユズエル。偉いわ。頑張って」

「ホーホケキョ」

 訳・頑張れ。女の娘。

「神さまに想いを伝えるだべ」

 女王アンコリンと大臣たちは、ユズエルの勇気に感動している。あきらめないのだ。

 神さまを本当に、好きなのだ。

 この娘の気持ちが、ちゃんと届いて欲しいと思う。

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