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あんこデラックス  作者: キノぴょ
4章 〈異常なまでのオレンジ〉
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第41話 100%オレンジジュース

 思い出すのは、後ろ姿。

 いつも、後ろ姿。

 どうして、こっちに振り向いてくれないのだろう。

 神さまなのに、わたしの気持ちに気づかない。


「オレンジは、とても美味しいです。皮も美味しいんです。ソーラーオレンジは特に絶品ですよ」

 神さまは、天使全員の名前と顔をおぼえている。

 毎日、顔を見ると、挨拶してくれる。


「ユズエルさん。おはようございます」

「お、おはよう…」

「ヒュウガナツさん。おはようございます」


 通りすぎていく。

 何で、もっと、立ち止まってくれないの。

 意識してくれないの。

 わたしのことだけ、考えて欲しい。

 神さまに、恋するからいけないのかな。


 他の存在になんて、恋しない。

 神さまが好き。

 礼儀正しい神さま。カッコいい方なの。

 わたしの一番、好きな方。



 第41話 100%オレンジジュース



 ソーラーオレンジ。

 ポカポカ太陽で、たくさん実るオレンジの品種。

 太陽ラー神さまの大好物である。


 甘チョコ区。最大図書館。

 駐車場。

 柑橘天使デコポルが近くにいる。

 それを探したが、姿を見つけることは出来なかった。


 アンコリンたちは、気づかない。

 遥か上空で、天使が一人、見下ろしていた。

「クククッ」

 高笑いをしている。


「誰だ!柑橘天使か」

 オレンジ色のジャケットのバーニさまが、大空に浮かぶ翼を持つ者を見つける。

「デコポル…」

 天使ユズエルは、つぶやく。

「デコポル?」

「あれが、柑橘天使デコポルなのかワン?」

 オレンジドレスのアンコリンとオレンジスーツのスア丸は、戸惑う。


「クククッ。オレンジを無駄にしてやるポン」

 天使の正体は、柑橘天使デコポルで、大きく手をあげてから、降り下ろす。


 ドドドッ。


 たくさんのソーラーオレンジが、降ってきた。

 空中に異次元ホールが浮かび上がり、そこから、たくさんのソーラーオレンジが落ちてくる。


「きゃあ」

「アンコリン!守るワン!」

 アンコリンに、スア丸が覆いかぶさって守る。

 オレンジが当たると痛い。

 オレンジが、地面のアスファルトに当たるとつぶれる。

 何か、もう、最悪だ。

「食品を無駄にしないでください!」

 オレンジシャツのメイプルくんは、頭をかばいながら、抗議する。


「クククッ。人間バーカ。精霊バーカ」

 デコポルは、高笑いをやめない。



「大丈夫ですか。女王」

 女王専用車の運転手をしている甘味イケメン精霊が、車から出てきた。

 果汁の精霊シボルさまだ。

「良いところで当番だった、シボル。頼む」

「はい」

 果汁の精霊シボルさまは、両手を構えて気合を集中する。


「果汁。フレッシュジューサー…!」


 解き放たれたフレッシュなパワーが、降り注がれるソーラーオレンジをしぼりつくしていく。

 100%オレンジジュースとなるのだ。


「氷撃。フリーザー…!」


 バーニさまが、すかさず100%オレンジジュースを氷撃魔法で凍結させていく。


「木箱。ウッドボックス召喚…!」


 メイプルくんが、アイテム召喚魔法で、木箱を召喚して、凍結された100%オレンジジュースを収納させた。


 見事な、甘味イケメン精霊三人の連携技。

 極力、オレンジを無駄にしないようにした。

「もしもし…」

 スマートフォンを手にした果汁の精霊シボルさまは、甘味宮殿へと、救援を要請する。

 抜け目はない。


「食べ物を無駄にしようとするなんて、最低よ」

 アンコリンは、両手を腰に当てる。

 オレンジは、農家の人が一生懸命作っているものだ。

 それを、無造作にばらまくなんて、悪いことだ。


「クククッ。神さまが食べる分のものなんて、あっても無くても変わらないポン。ゴミだポン」

 太陽のラー神さまは、オレンジばかり食べる。

 その食べるものは、ゴミと同じだと言う。

「神さまは、礼儀正しくて、ウザいポン」

 ラー神さまは、顔と名前をおぼえてきて気持ち悪い。

 ウザい。


「ウザいって、何?神さまの悪口を言わないで」

 天使ユズエルは、顔面蒼白になる。

 柑橘天使の仲間が、人間みたいな愚かなことを言ったりするわけがない。

 天使は、人間や精霊より、優れている種族である。

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