表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あんこデラックス  作者: キノぴょ
3章 〈海は、砂糖で出来ている〉
PR
34/84

第34話 納涼花火大会

 甘港区。海の見える公園広場。

「お祭りの太鼓の音がするわ。出店も出てるわ」

「ワクワクするワン」

 浴衣姿のアンコリンとスア丸は、目移りしてしまう。

「女王アンコリン。甘いものを食べてはいけませんよ」

 メイプルくんも浴衣姿。厳しいのも変わらない。

「えー」

「我慢するワン。健康のためワン」


「ホーホケキョ」

 訳・水風船すくい、やりましょう。

「好きな色、選ぶだよ。アンコリン」

「えー。楽しそうね。やるやる〜」

「僕も水風船、欲しいワン」

 ワイワイ。色鮮やかな、水風船に心ときめく。

 伝統和菓子あんこと同じ赤紫色と、ウグイスあんの緑色と、きな粉の黄土色。三色混ざった、水風船を見つけてすくいあげる。

 見事に、取れた。

 皆んなで、好きな色の水風船をすくっていく。

 全員、見せ合う。

 皆んな、すごく綺麗なものを選んだ。


「楽しそうです。アンコリンちゃんたち」

「そうだな」

 離れた竹椅子に、佐糖さんは、座っていた。

 隣りには、恋焦がれたサハギンさまがいてくれる。

 二人共に、浴衣姿だ。

 何て、幸せなことだろう。



 第34話 納涼花火大会



 納涼花火大会。

 暑い夏の中で開かれる、屋外イベント。

 出店や屋台が楽しめる。

 目玉は、もちろん夜空に打ち上げられる花火だ。


『打ち上げ花火は午後7時からはじまります』

 アナウンスが流れる。


 打ち上げ花火は、やるようだ。

「花火やるって、スア丸」

「花火楽しむワン。アンコリン」

「ホーホケキョ」

 訳・早く見たいな。

「待ちきれないべさ」

 アンコリンたちは、屋台で、たこ焼きと焼きそばを買うことにした。

 打ち上げ花火を見上げながら、食べるのだ。


「花火の見えやすい別荘のテラスに移動しよう」

 浴衣姿のバーニさまは、ひょっとこのお面をつけている。

「あー。お面良いわね」

「どこで買ったワン」

「ホーホケキョ」

「ずるいだべ」

 バーニさまに、詰め寄る女の娘たちとスア丸。

「夏の屋外で、元気だな」

「暑いけど、外が花火大会の醍醐味よ」

「お面買って、テラス行くワン」

 女王アンコリンたち。

 打ち上げ花火は、女王別荘のテラスからも見える。

 海の近くの公園広場で、お祭り気分を味わった後は、女王別荘に戻って、テラス席で夜空の花火を見上げるのだ。


「ペンペンペンペ〜ン」

「お祭りペン」

「どけペン。どけペン」

 海兵ペンギンたちが、現われた。

 人を蹴飛ばしたり、ゴミをそこら辺に捨てている。

 マナーの悪いペンギンたちだ。


「また会えたペン。運命ペン」

 問題児ペギが、佐糖さんの前に立ちふさがった。

「行儀良くしたらどうだ」

 佐糖さんをかばうサハギンさま。

「掃除する人間が、掃除すれば良いペン」

「お前は、海兵に志願しているのではないのか。海兵は、海も、陸地も守る守護者なのだろう」

「う…」

 どうやら、問題児ペギは、海だけ綺麗にすれば良いと思っている様子。

「海だけじゃなくて、陸も守るんだペン?」

「そうだ。教官に教わっていないのか」


「海兵ペンギン整列!」


 海兵ペンギン長官が、大きく声を張り上げた。

 ビシっ。

 直立不動になる海兵ペンギンたち。

「ゴミは、全部回収。人間に謝ること!」


 海兵ペンギンたちは、公園広場の人々に謝りながら、ゴミの回収をはじめた。

 元々、見世物にされてきたペンギン族。人間に、ドレイにされてきたと思っている。

 人間が、根本的に悪い人々だと思っている。

 その割には、人間に惚れっぽい。

 高圧的な態度も、訓練を続けて、緩和していくしかない。

「申し訳ないですペン」

 海兵ペンギン長官が、サハギンさまに頭を下げる。

「いいや。大丈夫だ。指導も大変な仕事だな」

「やりがいのある仕事ですペン」

 若いペンギンは、徐々に、人間を許せるようになっていくのだと言う。

 ペンギンたちにも、色々あると言うことだ。


「佐糖さん。女王別荘に戻って、打ち上げ花火を見ましょ」

「楽しむワン」

 アンコリンたちが、呼んでいる。

「行こうか。佐糖さん」

「はい。サハギンさま」

 二人は、手をつないで歩きはじめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ