第3話 アズさまルート
甘味女王シュガーリー。
砂糖色のホワイトヘアの美女。
毎日。甘いものを食べながら、体重を気にする女の娘たちの中で、体重の悩みを感じさせない女性。
「わたくしは、甘いものを食べ過ぎで糖ニョウ病になりました」
女王の告白。
女王は、糖ニョウ病となり、糖質制限をしていたのだ。
「何ということだ…」
「女王…」
多くの糖京都民が、悲しんだ。
正式発表は無いが、今回、女王が倒れたのも、糖ニョウ病の影響かもしれなかった。
女王の側には、いつも甘味の精霊たちがいる。
バニラ、カカオ、メイプル…たくさんの精霊たち。
小豆の精霊アズさまも、その一人。
甘味の生産と流通。需要と供給。
甘いものを欲する人々へ、幅広く、届ける基盤。
それを、望み、継続していく女王という存在。
「私が、その女王になってみせるわ」
アンコリンは、強気だ。
「強気なのだな。アンコリンよ。その気質、次期甘味女王候補に向いているのかもしれない」
第3話 アズさまルート
糖京都心。田園チーズ。小豆邸。
路地裏の住宅街に、ポツンとある豪邸。
小豆の精霊アズさまのお屋敷で小豆作りの工房がある。
「ここで、砂糖を小豆と調合する魔法をおぼえるのだ」
たくさんの小豆を指し示すアズさま。
アンコリンは、緊張しながらも、買ってきた砂糖をデスクの上に置く。
チラリと、アズさまをのぞき込む。
アズさま。年齢不詳。
白銀の長い髪の真面目な男の人。
カッコいいのだ。女の娘なら、誰でも意識してしまう。
自身は、今まで、モテなかったのだろうか。
そんなことないはず。
ウワサ通りなら、甘味女王シュガーリーに、片想いしているとか。いないとか。
「…立候補しちゃおうかしら」
次期女王を、甘いもの目当てで目指しているアンコリン。
しかし、女の娘。恋だって人生の目標にちゃんとある。
甘い考えとしては、次期女王になって、イケメン精霊たちを逆ハーレムなんて考えちゃう。
少女マンガは、よく読むけど。
ちょっと、やってみようかな。
「あ…」
わざと、アズさまの方に倒れかける。
「どうしたのだ。アンコリン」
「好き…お付き合いして…」
胸元にしがみつき、お願いする。
「ふざけるな」
突き飛ばされる。
「な、何よ。女の娘が、こんなことしてくれたら、喜ばないの?」
「ワタシは、女王一筋なのだ。すまんな」
小豆の精霊アズさまは、砂糖を使った試練をやめるという。
「えええ!次期女王の試練は?」
「他の精霊に代わってもらうことにする」
スマホで、連絡を取り始めるアズさま。
氷菓の精霊バーニさまに代わってもらうらしい。
アンコリンが、好きアプローチをしたからなのだろう。
「氷菓の精霊バーニだよ。アンコリンちゃん」
女性人気ナンバー1の呼び声高い、バーニさまだ。
手には、バラの花束を持っている。
「キミは、恋多き女の娘らしいね。よろしく」
何か、誤解を持たれたらしい。
恋より、甘いものの方が好きなアンコリンである。




