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あんこデラックス  作者: キノぴょ
3章 〈海は、砂糖で出来ている〉
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25/84

第25話 暑い夏がやって来た

 ジャパン国。糖京都。

 都心には、甘味女王アンコリンがいる。

 あんこ色のふわふわ髪の女の娘。

 その婚約者は、愛犬のケモミミ男子スア丸。

 すあま色の無邪気な男の子。


 右大臣は、ウグイスまめ子。

 左大臣には、黄土きな子がいる。


 それに仕えるのは、甘味イケメン精霊たち。

 代表。氷菓の精霊バーニさま。

 バニラ色の短髪のイケメン。

 お目付け役。楓の精霊メイプルくん。

 メイプルシロップ色の髪の美少年。

 その他、多数。


 甘いものが大好きな都民の甘~い食卓を守っている。


 今、季節は、まさに夏。真夏。

 暑い季節だ。


 そんな中、新たな政策として、甘味女王アンコリンが打ち出したことがある。


 “魚介類の消費税減額”だ。


 魚類、甲殻類、イカ、タコとかが、安くなった。

 これは、お寿司や刺身を楽しむしかない。

 食中毒には、気をつけて。



 第25話 暑い夏がやって来た



 糖京都心。甘チョコ区。女王住居。

 新米甘味女王アンコリンが、シュガーリーに代わって受け継いだ住居。


 暑い。

 部屋の中には、冷房が効いているはずなのに、暑い。

 まるで、熱風が出てきているような感じ。

「暑いわ…」

 ドレスを脱ぐ。タンクトップと短パンに着替えた。

 それでも、暑い。

 もしかして、ジャパン国の夏は、暑すぎて、冷房も効果を無くしてしまったのだろうか。

 そんなの、嫌だ。

 暑いのに耐えられない。


「アンコリン…」

 同じくタンクトップに短パン姿のケモミミ男子が来た。

 ミミとシッポは、元気なくうなだれている。

 スア丸も、同じ屋根の下で暮らしている。

 婚約者だからだし、愛犬として、幼い頃からずっと一緒に暮らしている。



「大丈夫ですか?女王アンコリン!スア丸くん!」

 メイプルくんだ。

「空調が故障しています。温風が出ています!」

 手を引かれるアンコリンとスア丸。

 さらに暑い屋外を経由して、冷房がキンキンに効いた女王専用車に入る。

 すさまじく涼しい。すごすぎる涼しさ。

 ありがとう文明。


「す、ずし〜〜い」

「涼しいワン」

 アンコリンとスア丸、よみがえる。



 糖京都心。甘チョコ区。甘味宮殿。

「すごく暑いわね。夏…」

 アンコリンは、冷房の効いた甘味宮殿で、休む。

「もう、女王住居に戻りたく無いワン」

 スア丸も、休む。


「大変だったな。アンコリン。スア丸」

 氷菓の精霊バーニさまは、アロハシャツに短パンだ。

 気づくと、甘味イケメン精霊は、全員アロハシャツを着ている。クールビズなのだろうか。


 午後3時。女王食卓。

 女王とスア丸の食事を提供する、特別スペース。

「今日は、オイラが担当するぞ」

 かき氷の精霊ブリザードくんが、かき氷を持ってきた。シロップは、イチゴ味だ。

「かき氷!うれしい…!」

「やったワン。かき氷ワン!」

 アンコリンは、すぐさま、かき氷をひと口。

 スア丸は、溶かしてから食べる派だ。


「もう一杯、ちょうだい」

「良いぞ」

 ブリザードくん、かき氷を持ってこようとする。

 それを、アロハシャツのメイプルくんが止めた。

 女王アンコリンのおやつは、1日1個。

 糖ニョウ病予防のためだ。


「女王アンコリン。女王住居ですが、空調の修理に時間がかかります」

「えー!」

 また、あの暑さで過ごすのか。

「私、女王なのよ。何とかならないのー!」

「ヒドいワン!」

 アンコリンとスア丸は、暑い中で暖房をくらった。


「甘港区に、海の見える別荘があるので、そちらに移動してください」

 甘味女王には別荘があることを、メイプルくんは、教えてくれる。

「別荘ですって?」

「何で、早く言わないワン」

「アンコリン。落ち着け」

 アロハシャツのバーニさまが、観光ガイドブックを渡してきた。

「夏の休養も兼ねて、休んでいて良いと思うぞ」

 屋内プール。海上レストラン。海。海。海。

 涼むしか無い。

「オレも、一緒に休む」

 アンコリンが、休む時は、バーニさまも一緒に休む。

「ボクも、同行します」

 メイプルくんは、甘味を厳しく制限するらしい。


 三人と一匹で、別荘に行くことが決まった。

「知っていますか?甘港区の、“海は、砂糖で出来ている”ってウワサがあるんですよ」

 メイプルくんは、真剣な顔で言う。

「えええ。嘘よ。信じないわ」

「海は、塩で出来ているワン」

 そう。

 砂糖と塩。正反対である。

 このウワサが、本当か。嘘か。

 それは、やがて、わかることになる。

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