第23話 カブアンの告白
ずっと、好きだった男の子。
大好きな男の子。
思いって伝わるのかな。
考える。
もしも、嫌いと言われたらどうしよう。
いやいや、そんなこと考えたら、何もはじまらない。
どうしよう。大好き。
他の女の娘を選ばないでいて。
自分を選んで欲しい。
糖京都心。私立お野菜学園。
食堂。
「わたし…、言いたいの」
カブアンは、悩んでいる。
幼なじみクリッツくん。
果物精霊の男の子。管理栄養士を一緒に勉強してくれている男の子。
お野菜学園には、色々あった。
その間、ずっと言いたかったことがある。
卒業してからにしようと思ってた。
でも、言いたくて仕方なくなったんだ。
お野菜学園が解放されたなら。
自分の気持ちも解放したい。
「告白したいの…」
女の娘は、覚悟を決めていた。
第23話 カブアンの告白
告白。
女の娘の一大イベント。ド根性。
「あの、アンコリンちゃんは、どうやってスア丸くんに告白したの?」
「いつの間にかよ。私とスア丸は、ずっと幼い頃から一緒だから。絶対、離れたくないって気持ちだったわ」
アンコリンにとって、スア丸は、愛犬。親友。婚約者。
少女マンガに影響受けて、ふざけてたら、スア丸が泣いちゃったことがあった。
その時、スア丸が大事に思えた。
この気持ちが、“恋”とか、“愛”なのかな。
すごく、今、スア丸のこと考えると、元気出る。
今回も、これからも、この元気で突き進む。
アンコリンの原動力。
スア丸と甘いもの。
一緒にいると元気をくれる存在。スア丸。
食べると、幸せになる。甘いもの。
どちらも大事。
それが、アンコリン。
「わたし、クリッツくんのこと考えると頑張れる」
カブアンの原動力。
クリッツくんとお野菜。
幼なじみで、元気をくれる。クリッツくん。
レタス2枚で、1年以上。お野菜。
お野菜は、他のものも食べたい。
クリッツくんは、他の人になんて変えられない。
「頑張れよ。カブアン」
「頑張ってくださいね」
バーニさま、メイプルくん、甘味イケメン精霊たちが応援する。
「ホーホケキョ」
訳・女の娘の実力を見せる時。
「頑張るだべ」
まめ子ときな子が、応援する。
「気合よ。カブアン」
「頑張るワン」
アンコリンとスア丸が、応援する。
「う、うん。行ってくる」
カブアンは、勇気ある第一歩を踏み出した。
厨房。
「ジャガーさま。この箱は、どうしますか」
「ああ、もう良い。ジャガイモ食べよう会に行ってこいよ」
ジャガーさまに、厨房を追い出されるクリッツくん。
「…」
その様子を見ていたカブアンは、駆け寄った。
「クリッツくん。わたし、言いたいこ…と…」
やっぱり、勇気を出し切れない。
声が震える。
「カブアン…」
クリッツくんは、真面目な顔で、直立不動になる。
まず、愚痴をこぼす。
今日のジャガイモ食べよう会の準備は忙しかった。
急に決まったイベントだから、下準備がろくに出来ていなかった。
女の娘のカブアンに、重たい荷物持ちをさせたのは、ミスだった。別の班にまわすべきだった。
「…と。カブアンは、文句を言いに来たんですよね」
違う。
違うよ。クリッツくん。
文句なんて、一つも無い。一緒にいられた。
それが、楽しかった。
今日、言えそうなの。待ってて。勇気を出すから。
「わたし…、クリッツくんのこと」
言える。
「クリッツくんのこと、好きなんだ」
言えた。
「え」
クリッツくんは、驚いた顔の後。うずくまってしまった。
「勇気あるんですね。カブアン」
「クリッツくんのこと、好き」
「はい」
笑顔のクリッツくん。
「ぼくも、もちろん好きですよ」
「クリッツくん…」
「ぼくは、告白する勇気も無い男ですけど」
だきっ。
「抱きしめる欲求はあります」
大きく手を広げて、カブアンのことを、抱きしめる。
「こんな男で、いいですか?」
「大好き…」
カブアンは、目を閉じる。心が安らぐ。
「キ、キスは無理ですよ…」
勘違いしたクリッツくんは、あわてる。
遠くで見ていたアンコリンたちは、上手くいったことに安心して、食堂に戻った。




