第22話 ジャガイモ食べよう会
糖京都心。私立お野菜学園。
厨房。
「あ、熱いわ…」
学生服姿のアンコリン。
熱々のジャガイモの皮をむいている。
手が、火傷しそうなほど、熱い。
「皮をむいたら、ここにある木の皿に入れてくれ」
料理長のお野菜精霊ジャガーさま。
「むいた皮は、どうするワン?」
「いちいち聞くな。皮が入ってる箱に入れれば良い」
ジャガーさまは、忙しそうに、ジャガイモをフライドポテトにしている。
調理係が少ないため、アンコリンたちは、ジャガイモの皮むきを手伝っていた。
現在。
全校生徒で、食堂の掃除。
校庭に、テーブルやイスの用意。
トラックで大量に届いた、ジャガイモの持ち運びなどを、役割分担して準備中。
“ジャガイモ食べよう会”の準備である。
アンコリンは、簡単そうだからと、ジャガイモの皮むきを担当に選んだことを後悔していた。
「ゴム手袋を使って良いんだぞ」
「え」
アンコリンは、バーニさまからゴム手袋をもらう。
バーニさまも学生服姿だ。
まめ子もきな子も、甘味イケメン精霊たちも学生服。
甘味女王アンコリンは、お野菜学園の生徒。
威張るつもりも無い。
皆んな、一緒にパーティーの準備だ。
第22話 ジャガイモ食べよう会
ジャガイモ。
皆んな大好きフライドポテトのお野菜。
熱々でそのまま食べても、甘くて美味しい。
食堂。
「熱かったのよ。そしたら、バーニさまにゴム手袋を渡されて、熱く無くなったのよ」
「アンコリンちゃん。大変だったね」
心配してくれる。
カブアンは、クリッツくんとジャガイモ運びをしていた。
大好きなクリッツくん。重い荷物は代わってくれて、軽い荷物運びにさせてくれたという。
うれしいカブアン。
「今、クリッツくんとカレーライスばかり食べてるんだよ」
食堂も、メニューが選べるようになり、カレーライスばかり食べているという。
「カブアン。カレーライスばかり食べてるの?」
アンコリンは、他の食べ物も食べれば良いと思う。
しかし、カブアンとクリッツくんは、カレーライスだけを選んでしまうらしい。
カレーライスは、とても美味しい。
徐々に、他のメニューにもしていくのだ。
このお野菜学園は、もう解放されたのだから。
「この度は、お野菜学園解放記念。ジャガイモ食べよう会に参加していただきありがとうございます」
学園長ハピーマンが、学園中に届くマイクを片手に壇上に立っている。
「全生徒には、残念な食事しか提供出来なかったことを謝りたいと思います」
深々と頭を下げる。
「それでは、ジャガイモ食べよう会スタートです」
乾杯の合図で、皆んな、ジャガイモにかぶりつく。
「フライドポテトだわ…」
感無量なアンコリン。
甘味と言ってもいい。美味しい一品。
パク。
「お、いし〜〜い」
「最高ワン」
甘いジャガイモのうま味。
まさしく、最高だ。
「食べすぎるなよ。アンコリン。よく味わって食べるんだ」
氷菓の精霊バーニさまが、ひじ打ちしてくる。
「うん。美味しいな」
「美味しいですね」
「ポテト好きでーす」
甘味精霊バーニさま、メイプルくん。
そして、今回のMVP、稲妻精霊エクレアさま。
フライドポテトは、皆んな大好きだ。
「…」
その中で、カブアンが少しずつ食べながら、うつむき加減で悩んでいる。
アンコリンが理由を聞くと、クリッツくんの姿が、近くにないのが気になると言う。
「嫌われることをしたかな…」
カブアンは、悩んだ。
重い荷物を運ばせたから怒っているのだろうか。
「クリッツくんなら、まだ、ジャガイモ運びを手伝ってましたよ」
フライドポテトをもぐもぐしながら、楓の精霊メイプルくんが教えてくれる。
「あ、そうなんだ。手伝いに行こうかな…」
しかし、うつむくカブアン。
「カブアン?」
「わたし…」
両手に力を込める。
「わたし…、告白したいの」
カブアンの決意ある眼差しに、アンコリンたちは驚いた。
そうなのか。応援しよう。うなづき合う。




