第20話 眠るレタさま
糖京都心。私立お野菜学園。
地下の監獄。
まめ子ときな子の見つけた冷凍装置は、男の人一人を、静かに眠らせていた。
「レタが見つかったか…」
「ヤバいわよ。アレン…」
アレンとホウレンは、あわてている。
「どういうことか、教えてくれなーい?」
エクレアさま。雷撃でおどす。
「ひ、ひい…」
アレン・コン。ホウレン・コン。
生活苦で、レタさまから借金をしていた。
それで、贅沢な暮らしをうらやんだ二人はレタさまから、お金のみならず全ての財産を奪う計画を立てた。
“レタさま。野菜室冷凍保管計画”である。
古い監獄の上に建てた、このお野菜学園。
その地下の監獄に、野菜室を隠して、レタさまを急速冷凍したのだ。
そして、眠らせている間に、レタス大農園の権利。お野菜ロボットの操作。お野菜学園会長としての地位。その全てを奪った。
「な、何てことをするのですか。レタが野菜室で眠らされているのですか…!」
学園長ハピーマン・ウーマンは、牢屋の中で叫んだ。
第20話 眠るレタさま
野菜室。冷凍装置。
お野菜精霊を、強制的に休ませる睡眠装置。
鮮度を保つため、急速冷凍させる。
主に、罪人に処置させる、処刑手段。
身体には、危険は無い。
看守を気取っていたアレンとホウレン夫婦は、元々は、レタさまのレタス大農園の農夫で仕事をもらっていたらしい。
その二人が、お金欲しさに、暴挙を起こした。
アレンは、観念して、監獄のマスターキーを渡した。
地下監獄は、お野菜ロボットをレタさまが動かしたことになっていて、その隙間に看守夫婦が隠れ住んでいたらしい。
お野菜ロボットを操り、レタス大農園を経営し、お野菜学園の食堂を、レタス三昧にした。
偽造魔導書も用意した。
レタさまの責任だと思わせた。
全て、アレン夫婦が、仕組んでいた。
黒幕ってやつだ。
マスターキーで、皆んなを牢屋から出してあげた。
「スア丸!」
「アンコリン!」
ぎゅ。
抱きしめ合う。仲良しの元愛犬とご主人様。
今は、甘味女王とその婚約者。
やっぱり、一緒が、一番良いのだ。
「クリッツくん」
「カブアン」
見つめ合う。幼なじみの二人。
この二人は、まだまだ、友達関係。
でも、見つめ合うだけで、十分、心が安らぐ。
「レタ…」
学園長ハピーマンは、冷たい野菜室の冷凍装置を見つめて、力を無くしていた。
親友レタ。10年間も、こんな近くで眠らされていた。
無事なのか。会話がしたい。
あの頃のように、雑談でいいから。
「この冷凍装置。切りますね」
器用な楓の精霊メイプルくん。設備を見て、解凍させる。
ゴウ…っ…ン。
冷凍装置が切れて、急速解凍がはじまる。
レタさまは、無事だろうか。
皆んな、見守っている。
数分後。
「…ここは、何処だ」
レタさまである。無事に目覚めた。
「レタ…」
学園長ハピーマンが、泣いている。
「ハピーマン。どうした。ワタシは…確か、アレンとホウレンにお金を貸して…」
話があると、地下牢獄で話をして、野菜室冷凍装置の中に閉じ込められた。
「ワタシは、閉じ込められたのだ」
頭をかかえるレタさま。
その後、長い時間があったような気がする。
一瞬の時しか、無かったような気がする。
「話をしましょう。レタ」
精一杯に、学園長ハピーマンは微笑んだ。
「あなたと語り合いたかったことが、10年分あります」
「ハピーマン…」
学園長ハピーマンと会長レタさまは、見つめ合う。
ひとまず、レタさまを安全のために、お野菜病院に運ぶことにする。
お野菜救急車が、ついた。
ハピーマンが、同行して退席する。
お野菜警察も、駆けつけた。
アレン・コンとホウレン・コンの夫婦が、逮捕される。
あっという間に、色んなことが起こった。
「レタさまは、やっぱり悪い人じゃなかったのね」
「そうみたいだワン」
「お野菜学園は、これから、どうなるのかしら」
「わからないワン」
アンコリンとスア丸。見つめ合う。
「これからは、何もかもが上手くいく未来しかないさ」
氷菓の精霊バーニさまは、当たり前のように言った。




