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あんこデラックス  作者: キノぴょ
2章 〈甘獄。お野菜学園〉
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第18話 校則違反

 10年前。

 私立お野菜学園は、ごく普通の学び舎だった。

 お野菜精霊が、必須資格“管理栄養士”を取るための開かれた学園。

「会長は、キミに譲ろう」

 前会長ゴッボさまから、レタさまに、お野菜学園会長の座が代わることになった。

 学園長は、ハピーマン・ウーマンに決まった。


「ハピーマン。キミは、どんな学園にしたい?」


「ワタクシは、甘いものが好きですから、生徒の食事を、全て甘いものに変えたいですかね」

「糖ニョウ病になってしまうぞ」

 レタさまが、心配する。

「この糖京で、甘いものを食べないなんて考えられません」

「ハピーマン。キミは、我がままだな」


 談笑する二人の責任者。

 ハピーマンとレタさまは、仲が良かった。

 どんなことでも、話し合い、相談できる仲だった。


「ワタシのレタス大農園の、レタスを、学園の生徒に食べてもらいたい」


 それを聞いた後から、レタさまは行方不明となった。

 大量のレタスだけが、大農園から、毎日送られてくるようになったという。



 第18話 校則違反



 レタス大農園。

 お野菜イケメン精霊レタさまが保有する一大農園。

 毎日、みずみずしいレタスが収穫される。

 10年前から、レタさまご本人は、行方不明となったが、農園経営は、継続している。


 糖京都心。私立お野菜学園。

「アンコリン。きっと、レタさまというお野菜精霊は、悪い人じゃ無いと思うワン」

「スア丸。そう思う?」

「そう思うワン。レタス自体は、新鮮で美味しかったワン。毎食提供なのが、問題なんだワン」

 確かに、レタスは、フレッシュな野菜。

「アンコリンが、甘党すぎるだけワン」

「あら。スア丸だって、甘党じゃないのよ」

「お互い様だったワン」

 見つめ合う。

 アンコリンとスア丸。心許せる二人。

「ん?何だ。あれは」

 氷菓の精霊バーニさまが何かに気づく。


 それは、突然の出来事だった。


「校則違反オーバー!校則違反オーバー!」


 カラクリお野菜ロボットが現われて、生徒たちを次々と連行していく。

 カブアンも手をつかまれる。

「きゃ」

「カブアン!」

 カブアンに代わってクリッツくんが、連行される。


「ワン!」

「…スア丸?」

 アンコリンは、スア丸が代わりに連行される。


「アンコリン!」

 バーニさまは、アンコリンのことは、守った。

「スア丸を助けてあげて」

「女王保護が、最優先です」

 メイプルくんが、手助けする。

「何よ。それ」

「カブアンは、無事だべさ」

「ホーホケキョ」

「クリッツくん…!」

 次々と増えていくお野菜ロボットの大群。

 甘味イケメン精霊たちは、アンコリン、カブアン、まめ子ときな子を連れて、お野菜学園の外へと脱出した。


 糖京都心。甘味宮殿。

「スア丸を、何で助けてあげなかったのよ」

 学生服姿のままのアンコリン。

「クリッツくん。大丈夫かな…」

 カブアンは、クリッツくんのことが、とても心配だ。

「校則違反とか言ってたな。何だ、あれは」

「お野菜学園では、校則違反をすると、地下の“監獄”に入れられるのだと聞いたことがあります」

 バーニさまの疑問に、メイプルくんが答える。


 お野菜学園地下の監獄。

 校則違反をした生徒たちを、強制連行して、閉じ込めてしまう牢屋のこと。

 美味しくなくなった野菜を食べさせられてしまうらしい。

 お腹の具合が、一番心配だ。


「美味しくない野菜…」

 早く、スア丸を助けてあげなくてはいけない。

「アンコリンちゃん。クリッツくんを助けに行かせてよ」

 カブアンの一番大事な幼なじみ。居ても立ってもいられない心境なのがわかる。

 アンコリンだって、スア丸が心配だ。

 一番大事なケモミミ男の子だから。


「私、行くわ。バーニさま」

「…ちょっと待て。アンコリン。相手がロボットなら、稲妻の精霊エクレアに手伝ってもらおう」

 甘味イケメン精霊エクレアさま。

 稲妻を操り、ロボットを強烈な電気ショックで一網打尽にするのだ。


「無双ね」

「無双だ」


 甘味女王の配下には、ちょっと行き過ぎた超能力者もいるらしい。

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