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あんこデラックス  作者: キノぴょ
2章 〈甘獄。お野菜学園〉
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第15話 転入生アンコリン

 糖京都心。私立お野菜学園。

 2年X組。

「転入生のアンコリン・オールよ」

 学生服のアンコリン。とっても、キュートだ。

 一応、小豆町の高校生徒。しかし、女王公務のため、休学中だった。本当に転校生だ。

「愛犬のスア丸だワン。犬ワン。よろしくワン」

 ケモミミ男子スア丸。学生服を着て自己紹介をする。

 発案者のバーニさまは、学年が上。

 まめ子、きな子たちも、転入している。

 お野菜学園では、顔を知られていないのか。甘味女王だとバレることも無かった。


「よろしくお願いするわ」

「よろしくワン」

「よろしく」

 アンコリンのお隣りの席の生徒は、落ち着いた感じの女の娘だった。

 白居しろいカブアン。16歳。

 真っ白いカブ色のシャギーヘア。

 うつむいて、アンコリンと視線を合わせないようにする。

 シャイな女の娘のようだった。


 授業は、ごく普通。

 しかし、昼食の時間から、甘獄かんごくがはじまる。



 第15話 転入生アンコリン



 私立お野菜学園。

 主に、お野菜精霊が、教師、生徒として通う学園。

 学園長は、ハピーマン・ウーマン。

 都民の栄養を助けるべく、お勉強をする。

 甘いものが大好きな人々の集まる糖京都心で、甘味スイーツを一切食べられない。

 通称・甘獄かんごく

 お野菜だけを食べることを、校則としていて、甘いものを食べてはいけない。


 甘いもの大好きなアンコリンとスア丸は、ここで、学生として、過ごす。

 学園内の、古い風習を改変するのだ。



 昼食の時間。お野菜食堂。

「サンドイッチ…」

 アンコリンは、我が目を疑った。


 サンドイッチと書かれたもの。

 レタス2枚の間に、トマトとキュウリがはさまっているのである。

 パンは、どうしたのだろう。


「転入生か。この学園の昼食は、これだけだぜ」

 お野菜精霊の男子生徒。

「美味しいぜ」

 文句を言わずに、レタス2枚を美味しそうに食べている。

 他の生徒も、黙々とレタス2枚を食べるだけ。


 パンが無いなんて、考えて無かった。

 しかも、食堂には、サンドイッチという名のレタス2枚しか無いのだ。

 一品勝負の専門店の勢いである。


「甘いものを我慢するだけだと思ってたわ」

「しょうがないワン」

 アンコリンの大誤算である。

 スア丸は、気にしていない。

 お野菜しか食べない。お野菜のみという方に考えを向けるべきであった。

 嫌いなわけでは無い。

 ただ、お野菜オンリーは、抵抗がある。


 シャリっ。

 覚悟を決めて、かぶりつく。

 レタスだ。あと、トマトとキュウリ。

 サラダだろう。

 サラダではないのか。

 サンドイッチと書いていなければ、納得できる。


「…転入生のアンコリンちゃんは、他の食べ物をおぼえてるんだね」

 カブアンが、うつむいて言った。

 昨日は、21アイスクリームを食べたアンコリン。

「わたし、もう甘味とか、よくおぼえてないんだ」

 うつむくカブアン。

 甘味スイーツどころでは無く。

 ごく普通の食事すら無い。


「大丈夫か。アンコリン」

 学生服姿の氷菓の精霊バーニさまだ。

 レタス2枚のたくさん入った木の皿を持って、もぐもぐ食べている。

「バーニさま。ここは、お野菜地獄だわ」

「お野菜だらけワン」

 スア丸もレタス2枚だらけを食べている。

「いいや。アンコリン。お野菜は、身体に良いんだ。その食事自体は悪くない」

 バーニさまは、レタスをたくさん食べる。

「合間に、1日1個とか、甘味を食べたりする心のゆとりが重要だ」

 だから、このお野菜学園は、甘獄かんごくだと言う。

 いきなり変えることはできなくても、甘いものを少しでも食べることができるようになれば良い。


「これは、早速、古い風習のはじまりだな」

「そうよね」

「何とかするワン」


「子供の頃は、甘いものも食べてたよ」

「私は、言いづらいけど。3時のおやつで、甘いものを食べてるわ」

「そうなんだ。うらやましいな」

 カブアンは、ため息をつく。

「お野菜精霊は、都民の栄養を守るんだ」

 管理栄養士になる未来が、決まっていると言う。

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