第14話 お野菜学園会議
糖京都心。緑黄色区。
私立お野菜学園。
古いレンガ作りの外壁に囲まれた、甘党都市の中の閉鎖的な学園。
お野菜精霊が、主に通う。
ウワサでは、野菜しか食べてはいけない。糖質制限に厳しい校則がある。
それは、もう、甘味ゼロの甘党危険地帯。
全生徒、全教師が、甘いものを我慢。
一度、入学したが最後、甘いものは食べられない。
甘味スイーツは見つかり次第、没収されてしまうという。
甘獄。
「ドレスじゃ動きづらいわ」
「大丈夫ワン?」
女王専用車から、アンコリンとスア丸が降りる。
「女王のお洋服も、考え直さないとな」
氷菓の精霊バーニさまも降りる。
重い鉄の校門が開いた。
「いらっしゃいませ。甘味女王さま」
お野菜学園代表の教師たちが出迎えた。
手土産を持っている。色とりどりのお野菜ジュースの詰め合わせだ。
「どうぞ」
教師たちは道案内をしてくれた。
第14話 お野菜学園会議
お野菜会議室。
お野菜学園の全てのことを議論する一室。
「学園長のハピーマン・ウーマンです」
ピーマン色の髪の、若い女性が挨拶する。
「新米甘味女王アンコリン・オールよ」
「婚約者のスア丸だワン」
「甘味精霊代表のバーニだ」
アンコリンたち三人は、ふかふかの座椅子が用意された。
お野菜学園の教師たちと学園長が会議をすると言う。
「この度は、“お野菜の消費税減額”を実現していただいたことに感謝いたします」
お野菜消費税減額は、アンコリンが考案したことだ。感謝されるなんて、正直にうれしい。
減額は、すでに実行され、お野菜を食べる機会が増えたという声が多いのだ。
アンコリン。なかなかやる娘だ。
一方、会議と言うくらいだから、長々と話し合いが繰り広げられるわけだが、新米女王アンコリン。ほとんど、話を聞いてなかった。
「アンコリン」
「えええ」
アンコリンは、半分寝ていた。
「終わったぞ」
「え、うん」
アンコリンたちは、甘味宮殿に帰った。
糖京都心。甘チョコ区。甘味宮殿。
女王の間。
食についての報告を女王が受ける場所。
玉座に、甘味女王アンコリンが座っている。
そのそばには、婚約者のスア丸がいる。
右に、右大臣まめ子。左に、左大臣きな子。
その他、甘味精霊たちを集めて、お野菜学園会議の話をバーニさまが説明した。
“お野菜学園リベレーション計画”。
大きな議題が、これである。
お野菜学園。
リベレーション=解放。
お野菜学園の悪いイメージを消して欲しいというのが、会議の中心だったのである。
甘獄。
その古い風習からの解放。改変。
それが、学園長の望みだった。
「これを受けて、寝ていた女王に代わり、オレは提案した」
氷菓の精霊バーニさまは、ニヤリと笑う。
“学生に変装して、解放に協力する”
アンコリンとスア丸。バーニさまたち甘味精霊が、お野菜学園の生徒になって転入するのだ。
そして、お野菜学園を改変する。
「ホーホケキョ」
訳・ウグイスまめ子も協力します。
「あだすも行くだ」
黄土きな子も協力したいと言う。
女王候補として友情を深めたまめ子、きな子、アンコリン。手を取り合い、友情を確かめる。
「ホーホケキョ」
訳・でも、甘味宮殿に残る者も必要。
「甘味イケメン精霊がたくさんいるから、大丈夫べさ」
きな子は、甘味精霊たちを信頼している。
アンコリンたち、元・女王候補は、全員16歳。
高校2年生。
別クラスに潜入することにする。
アンコリンとスア丸は、2年X組に転入することになる。
まめ子は、きな子は2年Y組。。
「学園内はどうなっているのでしょう?」
疑問視するメイプルくん。
「表向きは、普通と聞いたけどな」
バーニさまの聞いた情報だ。
「アンコリン。お野菜学園の生徒になっている間は、甘味が食べれなくなると思うが、良いよな」
「ちょ、ちょっと待って。バーニさま。私は、甘いもの大好き女の娘なのよ」
「我慢だ」
「いやよ〜。今度の3時のおやつは、“あんこ”にしてもらうって決めてたのに〜」
我慢だ。糖質制限がはじまるのである。




