表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/38

遭遇

 何か分からないが心がドキドキと高鳴っていたからか、昨晩は中々寝付けずに、朝も早くから目が覚めていた。今日はお昼頃に誠から連絡が入るはず。

そうして、誠の案内で仕事の時に着るスーツを買いに行く。


 誠が言うには何やら特別に専門店らしく、しかも値段が非常にリーズナブルだと聞いていたが、流石にスーツの上下だ。万単位のお金は必要になるだろうと思い、朝の9時30分には、家の近所の大型スーパーに置いてある、自分の口座がある銀行のATMに走り、お金を3万程引き出しに行ってきた。


 今は、実家の自分の部屋で、誠からの連絡を待っている。そうして、何か少し落ち着きの無いままに時間は過ぎて行き。午後1時に差し掛かった時に、誠からスマホの無料通話アプリから音声通話の着信音が鳴った。


 そして5分程、店の大体の場所等を誠と話しをした後に、お店のある最寄り駅の地下鉄駅の改札前で待ち合わせをした。


 家を出た俺はそのまま自分の家から歩いて5分程のいつも利用している地下鉄駅に行くと、ホームに入って来た電車に乗り込んだ。目的の駅には途中で1度乗り換える必要があった為に、ハブ駅で1度降り待ち合わせの駅を走る路線の電車に乗った。


 そして電車に揺られる事15分程で、目的の地下鉄駅に到着したので、電車を降り案内標識に従い改札を目指した。


 改札の向こう側に誠の姿を見つけて、電子決済で改札を通った後に。


 「誠。おはよう待たせたか?」


 と挨拶を投げ掛けると。誠は笑顔で。


 「いや、俺も2分〜3分前に着いたとこ。それじゃ行くか。」


 そう言って、2人でつるんで地下鉄の構内から階段を上がり地上に出てくると、誠の先導で街を歩く。


 そこは、今度働こうと思っているお店からは、少し遠いが、所謂、繁華街の外れに位置していた。誠は。「聖はこの辺詳しい?」と聞いてきたが俺は、まぁ同じ市内だし通った事は何度もあるが、この辺に来た事は初めてである事を告げると。


 「この辺はさ、俺達の仕事にも深く関連しているんだけど、この辺は所謂【風俗街】ってやつでさ、風俗嬢のお姉さま方が多く働いてるんだ。もちろん俺達の店にも遊びに来てる人も沢山居るぞ。」


 そう言って街の特色を話してくれた。

そのまま、特に何と言う話題も無く世間話なんかをしながら5分程歩くと、街の通りは商店街に近い雰囲気に変わっていった。


 キョロキョロと周りを見ながら歩く俺に気が付いた誠は。


 「この辺はあれだ……。えっと何だ?普通のお店じゃなく……。ほら!何て呼ぶんだっけお店を相手にしてるお店……。」


 そう言ってきたので、俺は誠に笑いながら。


 「誠、それ問屋とか卸のお店とか呼ぶお店の事だろ?」


 そう教えてやると。「そうそうそれそれ!」と誠も思い出したのか、笑いながら答えた。


 そこから2分程歩いた先に、お店の外。歩道にまでハミ出し侵食している大量の服が掛けられたハンガーラックが並ぶ1軒のお店が見えてきた。


 「あっ!ほらアソコだよ。割と駅からも近いだろ?」


 そう言った誠に付いて行き、お店に入ろうとした時に。誠がとある人から声を掛けられた。


 「おい!誠。何してんだお前こんなとこで服か?」


 そう言って誠に近付いて来た人は、俺も1ヶ月程前に、地元県民のソウルフードのラーメン屋で見掛け、名刺まで貰った。【姫神楓】と言う源氏名を持つ、誠から聞いている話では、今度働くお店の不動のNo.1人気のホストその人だった。


 「おはようございます。姫神さん。」


 と大きな声で挨拶をしている誠を見て、そう言えば明日から俺もこの人と一緒に働くんだ。と思い出して、仕事先の先輩でもあるしNo.1のホストでもあると言う事で、誠に続いて。


 「おはようございます。」


 そう言うと、姫神さんは俺の方に向き直りマジマジと見つめた後に、大きく口を開けて。


 「あー!あー!あー!あのラーメン屋の!久しぶりだね。え?どうして誠と一緒に居るの?」


 とまぁ至極当たり前の疑問を投げ掛けられた俺は。


 「はい。明日からお世話になります。誠の紹介で【CLUB EDEN】で働く事にしました東堂聖って言います。」


 と応えると。姫神さんは何度か頷いた後に。


 「へぇ〜そうなんだね。それじゃ明日から後輩君だ。名前それは源氏名?カッコいい名前じゃん。それで?働くのにスーツが無いから、この店に誠の案内で来た感じ?」


 と、正解をほぼ言われた。

 

 そして、姫神さんは誠と俺を自身の近くに呼ぶと。


 「それじゃ今日はEDENに新しいホストの子が誕生するおめでたい日だね。誠の友達と言う事もあるし、これから俺も君の力を借りる事も出てくると思う。どうかな?ここは1つ君のスーツ、俺が君に入店祝いで1着贈らせてくれないかな?」


 そう言われた俺は、そんな事までしてくれようとしているこの眼の前に立つNo.1の姫神楓さんの事が一瞬で大好きになり、誠からも。「やったな!おい!姫神さんにいきなり気に入られて可愛がってもらえて。」と自分の事の様に喜んでくれた。


 そして、俺と誠は揃いお店の中に入り、俺の体にフィットして、それなりに見栄えの良いスーツを見繕うとすると、姫神楓さんから声が掛かった。


 「違う違う。ここじゃなくてアッチのお店。」


 と誠と俺を、通りの脇に止まっていた1台の空車でお客さん待ちのタクシーへと誘導すると。


 3人でタクシーに乗り込む。俺と誠は2人で後部座席に、姫神さんは助手席に乗ると。


 「◯◯駅の◯◯前まで。」


 と、俺でも知っている新幹線も停車する巨大駅の上にそびえる巨大なビルの名前を告げた。


 

明日19時予約投稿済。ブクマしてね〜

作中で分からない業界用語が出てきた時は感想等を使い作者に聞いて下さい答えます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ