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TALK

 姉妹店での助っ人アルバイトも何時もの退勤時間を迎えた事で、姉妹店の店長に一言「自分の本来のアルバイトの時間の終わりの時間」が過ぎた事を伝えて、そのまま借りていた空いていたロッカーの中に入れておいた上着を羽織り、さっきまで腰に巻いていた前掛けを外すと、店の裏口を開けて。


 「では助っ人帰ります!お疲れでした〜」


 等と軽口を言って店を後にした。


 そして店の表側に細い通路を通り出てくると先程、偶然再会した若いホストの男の子が指差し教えてくれたお店のキラキラと光る看板を見つめていた。


 しばらくホストクラブの綺羅びやかなお店の入り口や看板等を見つめ続けていた俺はふと「まだタイムカードを退勤で切ってない勤務中」である事を思い出し。振り切るように何故だが目を引き、目を奪われるホストクラブの看板から目を離すと、元々アルバイトをしている姉妹店に向けて歩き始めた。


 そして姉妹店でタイムカードを退勤で切った後に俺は、家路に急いだ。姉妹店との往復に掛かった時間が余分だった事もあり、終電ギリギリの地下鉄に何とか乗り込み、ガラガラの車両のドア付近のシートに座ると、今日新しく貰った黒の名刺を取り出すと、前に貰っていた名刺とは違い黒地に白の文字で。


 【誠】とだけ書かれており、裏に同じように無料で使える通話や文字のやり取りが出来るアプリのIDが書かれていた。


 電車に揺られるだけで特にやる事も無かった俺は、何の気無しにその書かれていたIDを検索して出てきた。誠と言う名前の自分の顔画像か何かをアイコンにしている男の人に向けて。


 「スガタヤと今日お店の前で会った居酒屋のアルバイトだけど、仕事はもう終わった?お疲れ様。」


 とそれだけを送ると2分〜3分後に俺のスマホからピロリン♪と通知音が鳴った。


 「お疲れ様〜ちょうど今終礼のミーティングが終わったよ〜。」


 と返事が来た。その後は降りる駅までの間に会話のやり取りをして、最後に「最寄の駅に着くからまた連絡する。」と言う旨を伝えて。おやすみと可愛らしいキャラクターが手を振るスタンプを送り、会話を終わらせた。


 そしてそれをキッカケに誠と言う名の若いホストとの交流が始まった。お互いに仕事の愚痴を言ったり、たまたま同じ年だった事もあり、会話も何かと共通点も多く、色んな話しをしていく中で、俺も就活を失敗して、現在就職に向けて頑張っている話なんかもした。


 そうすると誠はこんな事を言い出してきた。


 「近藤さ、お前顔も良いし話もそれなりに面白いから、ホストやってみねぇ?最初はキツイけど売れちまったらあっという間に、大金も手に入るぜ。ほら、1番最初にスガタヤで会った人いたろ?」


 そう言われて物腰の静かな優しそうな顔をした人の事を頭に浮かべた。


 「あの人がウチの店で8割9割でNo.1を取ってる人なんだよ。あの人の先月の売り上げは、1千万円超えてて給料も800万超えてるんだぜ。しかもウチの店は給料は現金手渡しだ。」


 誠の口からでた余りにも桁違いな金額に一瞬思考が追い付かずにフリーズしてしまった。

あの人、でもどう見てもまだ20代だろ。それでイタリアの跳ね馬がポンと買えちゃう給料をほぼ毎月貰ってるだって?そしてその可能性が俺にもあると誠は言ったよな。


 そして誠との文字と通話を使ったやり取りがしばらく続いたとある日、俺はとうとうCLUB EDENの入り口の前に立つ事となった。横にはわざわざ仕事の終わりで眠たいであおうに誠が一緒に寄り添い付き合ってくれていた。


 「まぁ他の業種とも色々と勝手も違うと思うから気負わずに気楽にな。それと身分証はちゃんともってきたか?」


 そう聞かれた俺は誠に向けて頷くと。


 「マイナンバーカードで良かったよな?」


 と確認すると。


 「それで上等!それじゃ早速面接に行こうか、俺はずっと近藤の横に居るから安心しろよ。」


 

明日19時予約投稿済。ブクマしてね〜

作中で分からない業界用語が出た場合。感想を使い作者に聞いてくれたら答えます。

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