再会
奇妙な出会いから1ヶ月程が経過していた。
あれから、特に彼等とまた出会うような事も無く俺は普通の日常を過ごしていた。昼間の内は就職活動に精を出し、また就職に有利になると思い。【MOS】や【VBAエキスパート】等の資格取得の為の通信講座で今までに少しずつ貯めておいた、居酒屋でのアルバイト代を使い教材等を購入して取り寄せ、その勉強も始めていた。
そして夕方から夜の日付けが変わる数時間前までを居酒屋であいも変わらず忙しくアルバイトをして過ごしていた。
そしてそんな普通の日常が繰り返されていた、ある日。少しだけ俺の運命を変える出来事に遭遇した。
その日もいつもと同じようにアルバイトに行ったのだが、店長から。
「近藤君、悪いけどさ今日はこの店と丁度真反対にある◯◯店の方に助っ人に行ってくれないかな?なんか◯◯店でアルバイトの子が2人同時に感染病になっちゃったらしくて人手が足りないらしいんだよ。」
そう言われた。◯◯店とは、同じ繁華街の中にある姉妹店である事から、常日頃からお酒が足りない、何が足りない等とあちらの店からこちらの店に、こちらの店からあちらの店にと、物等の貸し借りのやり取りがあった事から、当然俺も◯◯店には何度も足を運んだ事もあり、場所については何の問題も無かった。
「あっそうなんですね。それじゃ今日は◯◯店に助っ人に行ってきますね。」
そう言って、更衣室兼休憩室から裏口のドアを開けて外に出ようとすると、店長から。
「近藤君、ここで出勤のタイムカードを切って行って、そして向こうで仕事終わったら面倒だけどまたココに戻ってきてタイムカードを退勤で切ってくれないかな?そうしたら、ココから向こうのお店に行くまでに掛かる時間と帰ってくるまでの時間に時給を付けてあげられるから。」
そう店長は言ってくれた。これには非常に嬉しく思い店長にお礼を言うと、店長からは。
「こっちの勝手な都合でだからね。これぐらいはしなきゃね。」
と返ってきた。まぁ行くのにゆっくりと歩いても、15分もあれば着く距離だが往復で30分分の時給が貰える事に喜んで、タイムカードを出勤で切った後に。店のTシャツの上から上着を羽織り、手に丸めて畳んだ店の前掛けを持って、姉妹店に向かった。
そうしてまぁ急ぐ訳でも無く普通にテクテクと歩く速度で姉妹店の方に向かうと、店が視界に入ってきたぐらいの時に不意に声を掛けられた。
「あれ?あっそうだ。この前スガタヤで会った人だよね?」
そう言いながら俺の元に1人の男の人が近付いて来た。俺はその人の顔をマジマジと見つめ返してから、ようやく1ヶ月程前に地下鉄に続く地下街入り口横の県民ソウルフードのラーメン屋で会って、少しだけ会話を交わした4人組の中に居た1人である事を思い出した。
「あ〜あ〜はいはい。あの時の……。」
そう返した俺にその人は。
「ちょっとぶりだね。あれ?アルバイト先ってこの辺だったっけ?」
と聞いてきたので俺は普段は繁華街の真反対側のお店の所属で、今日はそこの姉妹店の助っ人に行く所だと、目の前にある姉妹店を指差しながら答えると。
「あっそうなんだね。」
そう言って、体を少し後ろ側に向けて3階建てのビルにしては大きな建物を指し示しその1階の壁に大きく掲げられた看板を指しながら。
「あれが僕らの働いてるお店だよ。」
そう言った先には大きな文字で目立つように。【CLUB EDEN】の文字が掛けられていた。
そして、俺は偶然の再会を喜びながらも、今が道を歩いているだけだがちゃんとしたアルバイト中である事、早く姉妹店に行かなくてはいけない事等を簡単に伝えると。相手の20代前半に見える男の人から。
「あっバイト中なのね。邪魔しちゃったね。」
と謝罪があり、金属の名刺ケースをスーツの内ポケットから取り出すと1ヶ月程前に貰った名刺と同じ黒地の名刺で白の文字が書かれた名刺を渡してきた。
俺はその名刺を受け取ると。
「裏にRAINのIDあるから検索してみてよ。友達登録するからさ。」
そう言ってきたので「必ず今日のアルバイト終わりにでも検索して友達申請しておく事」を約束して、別れ姉妹店の助っ人としてアルバイトに勤しんだ。
明日19時予約投稿済。ブクマしてね〜
作中で分からない業界用語が出た場合。感想を使い作者に聞いてくれたら答えます。




