表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/38

教えて誠君

 俺は現在、今日の研修と物凄く貴重な特別講習を終わらせてカウンター席に座り、カウンターの上に置いた先程渡された空名刺に、自分の持ってきたボールペンを使い、加藤さんに教えられた通りに自分の源氏名。RAINのID。講習が終わって直ぐに新しく作ったSNSチックタックのアカウント名を書いている。


 「くそ〜こんな事ならボールペン習字も通信講座で習っとけば良かった……。」


 と自分のクセが強い丸文字を見てボヤきながら名刺の作成をしている。今やっている作業の前に、内勤さんとしてやるべき事をしている加藤さんと小林さんが並んで立つ受け付けに行き、加藤さんに自分の名刺には。源氏名。RAINのID。SNSのアカウント名。そしてスマホの番号の代わりに男本の顔写真を載せて名刺をお願いします。と名刺作成を頼んでおいた。写真付きは¥5.000-増額だった。


 空名刺に源氏名等を書き込んでいるとお店の自動ドアが開き、外販に行っていた若手の掃除組のホスト達が帰ってきた。俺は彼らに向けて。「お疲れ様〜。」と声を掛けていく。そして、友人でもある誠の姿を見つけると、先程の研修で疑問に思い、後から誠に聞いてみようと思っていた事を聞く為に、誠を呼んで隣の椅子に座らせた。


 「おっ?空名刺に名前書いてるのか。ちゃんとRAINとSNSのアカウントも書いてて偉いな。加藤さんから教えて貰ったか?」


 と誠が俺のやっている事を見て、そう言ってきたので誠は加藤さんが元ホストのプレイヤーだった事をきっと知っていて俺に加藤さんから聞いたのか?と聞いてきたんだと思った。そして俺は頭の中に有る疑問に思った事を誠に聞いてみた。


 「誠、教えて欲しいんだけど【売掛け】ってどう言う意味?加藤さんからは【ツケ】としか聞いてないんだけど東堂君にはもう関係無いからって、ちょっと意味深な事言われて気になって。」


 そう誠に素直に感じた事をそのまま伝えると。


 「あ〜なるほどね、確かに聖にはもう関係無いわ。うん、売掛けな詳しく教えるよ。本来の売掛けの意味は確かにツケなんだけど、これは正確には【担当ホストにも支払い義務のあるツケ】って意味で例えば売掛けをして飲んだ姫がお店に売掛けを払いに来なかったり、担当との連絡をブロックしたりして逃げちゃったりした時に、姫に代わって担当のホストが支払う事になるんだよ。」


 と売掛けの本当の意味を教えてくれた後に。


 「高額な売掛けを巡るトラブルでホストとお店側で色々と問題になる事も増えてホストもお店を辞めちゃったり色々と起きてた時に、ウチのお店を経営している本社のなんか新しく就任した偉い人が、売掛けをホストに払わせるのは逆にお店の売り上げが落ちる。ちゃんと売掛けを借金として、売掛けをした姫に月々でもいいから払って貰い、払ってくれてる間もお店に遊びに来てもいい。追加の売掛けは払い終わるまで無しだが現金やカードで払える範囲でなら楽しめるようにする。そして回収は本社で責任持って弁護士と相談しながら回収する。って決めたのよ。で、実際にやってみたら本当にお店の売り上げも上がり、売掛けの回収率も上がったって訳。でウチがその偉いひとの指示で売り上げ伸ばしたのを知ってこのエリア全体でも【売掛け禁止】の空気が流れているって感じ。」


 と俺にはもう関係は無いと加藤さんが言った意味も合わせて教えてくれた。


 「なるほど〜俺にはもう関係無い。の意味も理解出来たよありがとう。」


 そして次に誠に加藤さんから誠を通じて顔を繋いでおくように。と言われた事について話を切り出した。


 「あっ!それともう1つ質問じゃないんだけど、ヘアセットをしてくれる美容院に1回連れてってくれよ。CLUB EDENの新人ですよ〜って美容院のスタッフと顔繋ぎしとけって言われたから。」


 「あ〜OKそれじゃ明日にでも待ち合わせでもして1度セットして貰いに行こうか。後はセットだけじゃ無くカットやカラーリングも割引してくれるから。」


 「カラーリングも割引してくれるんだ〜俺、ちょっと髪の毛の色を変えてみようかな?アッシュグレイとかに。」


 「おっ!いいんじゃね?聖は背が高いから似合うと思うぜ。」


 等と初日と変わらず2人で雑談をしながら続々とお店の中に集まる、中堅のホスト達、同伴の予定の無いNo.‘s達。そして決まって揃って出勤してきている店長とマネージャーの若林さん。皆に誠と2人で若手の俺たちの方から声をだして挨拶をしていった。


 その中で俺よりも少し背の高いおよそ190cmぐらいはありそうで、ガタイも良い顔の彫りが深い、少し日本人離れした顔立ちの【特濃ソース顔】のイケメンが誠に近付き。


 「誠〜胃薬持ってね?忘れてきたんだよ〜。」


 と身長と体つきと顔のイケメン度からは、想像も付かないほど、悲しげな声で誠に胃薬無いか?と聞いていた。俺はその会話の内容を聞いていて【ホストクラブだからひょっとして吐くまで飲まされたりするのかも?】と初日に勘違いして、財布の中薬局で買う事の出来る胃薬の中でも割と強力な胃薬を入れていた事から、財布から胃薬を取り出すと。


 「あっ!これで良かったら使って下さい。」


 そう言って誠と話している、俺がまだ話した事の無い先輩ホストに薬を渡すと、その先輩は俺の方を見て、真っ白な歯を見せて、大きな声で。


「おーー!昨日の歌がめっちゃ上手かった……えっと東堂だっけ?ありがとう!いただくよ。あっ俺は【桐生大吾(きりゅうだいご)】一応はNo.3だから俺の席にヘルプ着いたらよろしくな。」


 そして、薬を飲もうと冷蔵庫からグラスにお茶を入れていた桐生大吾さんに向け、誠がNo.3の人だと言うのに割と遠慮の欠片も無く。


 「桐生さ〜ん。それ飲まなきゃイケないって事は来るんすか?今日。」


 何か物凄く嫌な顔をして聞いていた。


 「い……いや……今日じゃなく明日なさっき明日来るってRAIN入ってそれ読んだら胃が急に痛くなって…誠も東堂も明日ヘルプに着いたらよろしく頼むな。」


 「いや……掃除組の俺がNo.3の大先輩に言うのもアレなんですけど。アレの相手はしたくないですし、姫神さんのお気に入りの聖にも相手はさせたくないんですけど?今から来ないように言ってもらえません?」


 「まぁまぁ……そう言わずに、大人しくしてるって言ってたから。大丈夫、大丈夫。」


 そう言って何故か逃げるようにその場から立ち去って行った。そして、その後ろ姿を見て誠は一言。


 「【色恋】営業もいいが【本カノ】営業に【卓チュー】や【枕】もしてるだろ絶対。まぁおかげで確かに最初は桐生さんの【エース】まで育ってたけど今は……そこまで売り上げが欲しかったんかねぇ……桐生さん。」


 と割と辛辣だと何を言ってるのか半分以上も分からなかった俺でもそう感じる言い方をしていた。そしてまた、今質問に答えて貰ったのに、新しい疑問が生まれた。誠に営業時間も迫っている事から、ざっとでいいから今のセリフの中の業界用語の説明を聞いた。


 【色恋】とは姫相手に恋愛感情があると誤解させる営業方法。割と効果的らしいがトラブルも多いらしい。【本カノ】営業とは本当の彼女にするように色恋を発展させた営業方法らしい、姫に「◯◯(担当)はわたしの彼氏」と思わせるらしい(実際は思わせるだけだが)【卓チュー】これは読んで字のごとし卓(BOX席)でコッソリチューする事らしい。姫は私は特別!と言う感情が芽生えるらしい。【枕】これは聞かなくても俺も何かのドラマやマンガか忘れたが聞いた事があり知っていた。要は、姫様と肉体関係になる事だ。そしてこの【枕】まぉ敬遠はされているがホスト業界ではそこまでタブーとはされていない事に驚いた。【エース】とは姫様が担当ホストの売り上げに貢献する順位と言う事らしい。それぞれの担当でその額はまちまちだそうだ。


 その後、朝礼の時間を迎えた。今日もまた我らが派閥の長であるNo.1の姫神楓さんは朝礼に参加はしておらず、本日も同伴出勤をするようである。


 朝礼が終わりそれぞれがそれぞれの場所へと散っていく俺は何時ものカウンター席に座り姫の来店を待っていると横で自分のスマホを触り連絡先を知っている姫達に向けRAINで営業をしていた誠から。


 「聖。RAINのユーザー名を【聖】とかに変えとけよ。お前本名のままになってるぞ。」


 と笑いながら教えてくれた。

ポイント&ブクマと簡単な感想なんかもお待ちしてまーす

【エレちゅー】と言う言葉もあります。こちらはエレベーターでちゅーの略で本文で【エレちゅー】と書いて「あっここビルの1階だったわ」と消しました。エレベーターを使ってお店に入店するお店は帰りに担当か送り指名したホストが一緒にエレベーターに乗り外まで見送ってくれます。


明日19時予約投稿済。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ