初回の流れ(ホスト側)
「それじゃ次は東堂君達ホストの側から見た初回の動きや簡単な接客方法の【コツ】なんかも教えるね。先ず姫が席に着いてる状態からがスタートになるから、内勤のその日【付け回し】って言うんだけど、指名の入っていないホスト達を、何処のBOX席にどれだけ着けるか、次は何処に着けるか、誰と交代させるか、って言う1日の営業のホスト達の動きを決める【役割】の人、まぁ大体がマネージャーの若林さんか、小林さんがやるんだけど、その付け回しの言う通りに動いていたら大丈夫だから。」
と、その日の営業で1から10までの全てを【内勤さん】が全てのホスト達の動きを時間等を使い割り振っている事に素直に俺は「頭パニックにならないのか?」と驚いた。
「あぁ、それと付け回しに関してだけど、例外もあるからそれは【被り】って言うんだけど、担当の姫が同じ時間にお店に居る状態の時は、まぁ例えば2席だったとしたら、その2つの席に座ってる時間は担当のホストが自由に決められるから。」
「例えば【焦らし】で姫にお店にお金を落とさせる。例えば【対抗心】をわざと煽って、お店にお金を落とさせる。例えば【特別感】を感じさせて、お店にお金を落とさせる。等など挙げたらキリが無いぐらい色んな方法と目的と効果があるんだけど、まぁこの辺は担当が付き出したら姫神さんとか、実際に複数の担当を持ってる派閥の先輩達が教えてくれるから、今はあまり気にしなくていいよ。」
そう言って加藤さんはホストの接客テクニックのほんの触りと言っていたが、一部を俺に教えてくれた。まぁ加藤さんの言う通り、担当の姫が居ない状態のホストには無縁の話しになるだろう事も理解は出来た。
「それじゃ付け回しの内勤さんに連れられて、初回の姫様の席に座りました。先ずは当たり前だけど挨拶。【お隣失礼します】って言って、姫の隣に座ってね。これは昨日のヘルプと違って、ちゃんと姫の横に座るようにね。挨拶をしたら簡単な自己紹介。東堂君ならさっき渡した空名刺に名前とRAINのID書いた物を1枚渡しながら【東堂聖です。よろしくお願いしますね】みたいな感じで、まぁもっとフレンドリーな挨拶にしよう。とかそう言うのは、自分を売り込む本人任せだから、東堂君も早く【ホストの自分】を確立してね。」
「ホストとしての自分のキャラクターの確立か……。」
加藤さんに言われた事を口に出して何度か呟いて頭の中に言われた事を刻み付けた。
「はじめましての挨拶と自己紹介が済んだら後は、まぁ自由に会話しながら自分を売り込むのと同時に、ヘルプの時に学んだテーブルマナーを使って、姫様が快適に過ごせるようにも努めてね。個人的なアドバイスだけど、楽しい会話よりも姫が居心地良くした方が、好印象は持たれやすく【飲み直し】や【送り】の指名に繋がり易いと僕は思うよ。」
「それと、とっても大事な事なんだけど初回の姫の席はその時の盛り上がり具合や姫の表情や態度なんかを付け回しが見て、早くて5分。長くても10分から15分でその席から外れるように指示が出るから、自分を売り込むのはスピード勝負で。何十分とゆっくり落ち着いて。なんて事は絶対に無いから。」
とホストは何人もが次々に初回の姫様の席に着く為に1人のホストの時間は非常に短く、自分を売り込んで【指名】を確保する事は大変な事を教えてくれた。
そして、ちょっとしたアドバイスも同時にしてくれたので、せっかく貰ったアドバイスだと、今日の営業でもしも、初回の姫様の横に座る事があったら実践してみようと思った。
加藤さんが教えてくれた、初回のホストの流れや、本人は「ちょっと」と言っているが俺には、とても大事な事をアドバイスとして俺に伝えてくれている。そう感じると共に1つの疑問が頭に浮かぶ。その浮かんで気になる事を、素直に加藤さんに聞いてみた。
「加藤さん、加藤さん達内勤さんもホストの接客方法やテクニックに精通してるものなんですか?」
そう聴くと加藤さんは、苦笑いを浮かべながら。
「いや……そんな事は無いよ。内勤は内勤で覚える事も沢山あるから、ホストの側の事までは普通は知らないね。僕は去年までは【現役のホスト】で【このお店所属のプレイヤー】だったから。」
俺は驚いて加藤さんをマジマジと見つめながら、そう言えば加藤さんは顔立ちも立ち振る舞いも良く。裏方さんと言うよりは、表側に立っていてもおかしくない雰囲気を持つ人だとは思っていた。
「じゃ、東堂君に特別に僕が現役だった頃に気を付けていた初回の姫様相手の接客のコツを教えるよ。こんな事を教えるのは、東堂君が最初だけどね。何故か僕も姫神さんと同じように、君の事を高く買っているから。」
そう言って何故か理由は分からないが、姫神さんに続き【元プレイヤー】でもある内勤さんの加藤さんからも気に入られた俺は、普通の研修ではしない。と言った特別講習を受ける事になった。
明日19時予約投稿済。




