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初回の流れ(姫側)

 2日目の研修時間。最初に働く上で最も大事な給料形態に付いて学んだ俺は、次に本日の先生役をしてくれている内勤の加藤公康さんから。


 「それじゃ、まぁお客さまの座るBOX席でのテーブルマナーやお酒の作り方なんかは、誠君が事細かに教えてくれてるだろうから、ここの部分に関しては、彼任せにしてっと……。あぁ!そうそう!髪の毛のセットが毎日大変だったら、1度誠君と一緒にウチが提携している美容院に行ってセットしてもらって顔繋いでおいでよ。1回¥2.000-でプロが注文通りにセットしてくれるから、割と若手の子達も頼んでるみたいだしね。」


 と言われた。まぁ幸いな事に俺の髪の毛はサラサラのクセ1つ無いストレートヘアなので、自分の部屋でワックス等を塗り、少し整えるだけでそれなりの見た目になるから必要は無いかな?とは思ったが、この先もホストを続けるなら、髪の毛に色を入れたりとそう言う事も必要になるかも?と思い1度、誠に頼んで顔繋ぎついでに行ってみようかと思った。


 「ちょっと休憩でもしようか。次に教える事は割と早く終わると思うし。東堂君も何か飲み物でも飲んだら?」


 加藤さんは研修に使っている1番のBOX席から立ち上がりカウンターに向け歩いて行った。それを見た俺も少し喉が渇いたと、すでに空になっているグラスを手に冷蔵庫に向かった。その後それぞれに好きな飲み物を片手に元の席に戻り、研修を再開させた。


 「実は今日からは、東堂君も昨日の様にカウンターでずっと待機をしてヘルプに呼ばれるのを待つ。じゃなく、他のホスト達と同じように新規のお客さまや初回のお客さまのテーブルにも付いて接客をしてもらうからね。これは前もってウチは2日目から、実践スタートと決まってるから。」


 と、突然告げられ心の中で「姫神さんの派閥だから昨日と同じようにヘルプ指名が入るから同じ事をしていたらいいや。」と思っていた俺の出鼻を挫くには、十分過ぎる言葉だった。


 「それじゃはいコレ。」


 と加藤さんがテーブルの上を滑らせてある物を俺に渡してきた。俺はそれを受け取りケースのフタを開けると中には。


 「名刺?ですか?」


 真っ白な紙の右下隅に【CLUB EDEN】の文字とお店の番号が書かれた物が入っていた。


 「そうこれは【空名刺(からめいし)】って言って、まだ自分の名刺が出来上がってない子が使う、自分で名前を書いて使う名刺。何も書いてないから【空名刺】東堂君の名刺は今から頼んで作って貰うから、どんなデザインが良いか。何を名刺に印刷して貰うかを考えて、今日の閉店後に僕に教えてね。」


 と言って、俺の独自の名刺を印刷して発注するからデザインと印刷内容を今日までに決めておけ。と言われた。俺はこれも後で誠に相談する必要があるな。と思った。


 「今日から普通にお客さまの席に付けるから、それに自分で名前書いて、お客さまに渡してね。後はそうだね……RAINのIDは書いておいた方がいいよ。」


 と少しだけ空名刺に書く内容もアドバイスを貰った。


 「それじゃ、この後は軽くだけど、ホストの仕事の流れ。お客さまの来店してからの流れってヤツを実際にシミュレーションしながら、東堂君に教えるからよく覚えて、早速今日から実践してみてね。」


 そう言って先ずは姫様が最初にお店に来たらどう行った流れで楽しむのか。を教えて貰えるようだ。


 「それじゃお客さま……いや東堂君が間違えるとイケないからコッチが変えるね。新規または初回サービスの回数の残る姫がお店に来ると最初に、カウンターの受付で【顔写真入りの身分証】を提示して貰うの。これはまぁ当たり前だけど未成年や18歳でも高校生とかお店に入れちゃダメな人、お酒を提供しちゃダメな人の判断をする為。」


 姫とわざわざ呼び方を変えて分かりやすく教えてくれる。俺はメモを取りつつ聞き逃しをしないように、しっかりと耳を傾けた。


 「身分証でお店で遊べる姫だと分かったら次に【男本】ほら、初日に僕が写真撮らせてって言ったでしょ?あれ誠君から何か聞いてる?聞いた?そう、なら男本の説明は大丈夫だね。その男本を見てまぁ3人〜4人ぐらい、自分のタイプのホスト、話をしてみたいと思ったホストを選ぶの。そして最後に自分が今日は何を何で割って飲むかを決めて貰い、ここまでやって受付が完了。」


 加藤さんは俺がメモを取っているのを確認すると、メモを書き終わるのを待っていてくれて、次の説明に入ってくれた。


 「受付が終わると姫は内勤の僕らの案内で、BOX席に着くの、まぁ余談なんだけどこの時に通常料金で遊びに来る姫だと担当が同じ姫を近くの席に案内しない。とかあるけどこれは内勤が知ってたらいいだけだしね。」


 と内勤さん独自のマニュアルの片鱗を教えてくれた。


 「で、受付の時点で何を何で割って飲むとかそう言う事は決めていて、それはインカムを使い全ての内勤が共有するの、だから姫が席に着くのと同時ぐらいに飲み物のセットやおしぼりなんかが姫の元に運ばれその状態で東堂君達ホストは席に着く訳。」


 「メモは大丈夫かな?」と加藤さんは俺の事を気遣ってくれながら説明を続けてくれる。


 「そしたらまぁ、受付で男本を見て選んだホストがもちろん優先的に席に着くんだけど、例えば担当の姫がお店に来ている。とかだと、必ず選んだホストが来てくれるとは限らず違うホストが席に着く事もあるの。だから東堂君も選ばれてないから着く事は無い。は無いと思っておいてね。まぁ後は席に着いたら姫を楽しませてあげてね、交代のタイミングは僕らがちゃんと教えるから。その辺の簡単なコツとかも後で少し教えるね。」


 メモは大丈夫かな?と気遣って貰いながらも説明は続く。


 「そしたら初回サービスで頼んでる姫は90分が経過すると僕ら内勤が席にやって来て、飲み直しをするか帰るかを聞くから、飲み直しを選んだ姫はこの時点までに席に着いたホストの中から、気に入ったホストを指名するの、そうするとこの姫の【担当】が決まるって訳。後はお店の決めた2つの飲み直しプランの好きな方を選び指名したホストが横に座り、引き続き楽しむ事になるの。そして大事な事だけど、この飲み直しは指名されて担当になったホストの売り上げに加算されるからね。」


 「そして、もしも帰る。って姫が言った時は僕ら内勤が姫に【送り】は誰を指名しますか?って聞くから、姫は飲み直しの時と同じように、気に入ったホストを【送り指名】して指名したホストに見送られて帰る訳。もちろん気に入ったホストが居ない時は送り指名は無い。って言われて姫は1人で帰り次回に期待する訳。分かったかな?大丈夫?」


 俺は加藤さんの説明を頭の中で思い浮かべて、姫様達がどう行った経路で何をどう聞かれてお店で最初に遊ぶのかを理解していく。

明日19時予約投稿済。

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