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特技

作中に出てくる歌手名は作者の創作です。

作中に出てくる曲名は「この短い単語に著作権等は存在していません」の確認済です。

作中に出てくる歌詞は作者の創作です。


※追記

ep11にVIP席の利用料金を追記しておきました。ご確認下さい。

 誠と2人1組のセットとして、派閥の長である姫神さんの連れて来ている姫のヘルプに指名を受けて、ヘルプに付き誠に習いながらアレコレとヘルプのやるべき仕事を体で覚えながら、1時間程の時間が過ぎると俺の心の中にも少しだけ余裕が生まれ。目の前に座る姫様を相手に軽くではあるが、会話を交わせる程度にはなっていた。


 姫様は、今日がホスト初日である俺がホストになる前に何をしていたか。どうしてホストで働く事になったか。後、そのとても新人には見えない着ているスーツはどうしたのか?等と俺が話題に困らないように気を遣ってくれて、俺に沢山の質問を投げ掛けてきてくれた。


 俺は、その姫様からの質問に1つ1つ丁寧に理由や経緯等を答え、またやり取りをしながらも姫神さんに言われた【姫か居心地の良い空間】作りの為に気を張る事も忘れずにヘルプの仕事に精を出していた。


 そして、暫く経った後で内勤のTOPでもあるマネージャーの若林さんが、リエさんの座るBOX席に近付いて来ると、テーブルの前で自分の片方の膝を折り、折った膝の膝小僧を床に着け、片膝立ちになると若林さんは先ずお客さまであるリエさんに向け一礼した後に、リエさんの担当である、姫神さんに向け若林さんの特徴でもある渋い声で。


 「お時間でございますが、如何なされますか?」


 と問いかけて来た。俺は直ぐ真横に居る膝を床に着き自分の視線を下げ礼儀を尽くしているマネージャーの若林さんの事を、ついマジマジと見つめてしまうと、若林さんは俺の視線に気付いたのか声には出さずに「俺の事は気にするなちゃんと前を向き姫様の事に気を配っていろ。」と叱咤しているような眼差しで見つめ返され、少しビクリとしながら努めて冷静を装い、視線を元に戻した。


 そしてマネージャーの若林さんの言葉を受けたリエさんの担当ホストでもある姫神楓さんは、横を向き自分の体に体を預けるようにもたれ座るリエさんの顔を見つめて一言。


 「リエ大丈夫?」


 とだけ声を掛けると、姫様であるリエさんは、姫神さんの目を見つめ返し、ゆっくりと首を縦にコクリと1つ振る。その仕草を見て姫神さんはテーブルの向こうで片膝立ちで礼を尽くし待っているマネージャーの若林さんに向けて。


 「マネージャー。延長でお願いします。ヘルプ指名もこのままで、後カラオケ歌い放題を付けて下さい。後、誠に聖もうそれ入って無いだろ?いいよなリエ?ほろよいを2つお願いします。」


 とお店にまだ滞在する事を告げると。マネージャーの若林さんから。


 「ご延長ありがとうございます。ごゆっくりとお寛ぎ下さい。ほろよいとデンモクは直ぐにお持ち致します。」


 そう丁寧に言葉を返すと、慣れた所作で体幹を揺るがせもせずにスッと立ち上がると、踵を返しVIP席の1つであるこのBOX席から離れていく。そして、若林さんと入れ違いのほんの数秒も経たない内に、片手に銀のトレーを持ちその上にカラオケ用のデンモクと、ほろよいの缶を2つ乗せた内勤の【加藤公康(かとうきみやす)】さんがBOX席へと現れて、カラオケ用のリモコンのデンモクと、俺と誠に飲ませる為のほろよいの缶が2つテーブルに静かに置かれた。


 ほろよいはさっきとはまた違い今度は【白いサワー】と【カシスとオレンジ】味の2種類が届けられた。

この事から俺はこの【ほろよい】に関しては持ってきてくれる内勤さんが自己判断で味を決めて持ってくると言う事を理解した。そして俺は1番好きな味の【白いサワー】の缶があった事から、スッと自然に誠の方に【カシスとオレンジ】味の缶を差し出して自分の好きな味を確保した。それを見ていた姫のリエさんは、クスクスと笑い声を上げて。


 「聖君は白いサワー味が好きなんだね。次に頼む時は内勤さんに味の種類も言ったらその味の缶を持ってきてくれるよ。」


 と教えてくれた。俺はそれを聞き姫様に顔を向けて、照れ笑いを浮かべて「良い事を教えて貰いました。ありがとうございます。」と2人戯れ言を言い笑い合った。 


 その後もヘルプの仕事は仕事として、誠のフォローの元にこなし。姫や担当ホストの姫神さんや一緒にヘルプに付いている誠の4人で楽しく会話をしていた時に。姫神さんから声を掛けられた。


 「聖、お前歌はどうだ?自信あるか?それとも歌は下手か?」


 そう聞かれた俺は内心で「待ってました!」と思った。延長をすると姫神さんがマネージャーに伝えた時の「カラオケ歌い放題」と言う言葉を聞いた時既に、これは自分を売り込むチャンスが来た。必ず、リエさんか姫神さんから歌を歌うように言われる。と思ってその言葉を言われる時を待っていた。俺は友達である誠にすら言って無かったが、過去に本気で歌手になろうとボーカルオーディション等に参加をしていた時期がある。二次選考三次選考とか良い所までは行ったオーディションもあった為に歌にだけは自信があった。


 「はい。歌わせていただきます。リエさんは歌手の中ではどなたがお好きですか?男性の方でも女性の方でも構いません。お好きなアーティストの方を僕に教えて下さい。」


 と聞くと。姫様のリエさんは少しだけ考える素振りをすると。


 「女性でも大丈夫なの?それなら浜野あゆみが好きかなぁ。」


 と好きなアーティストを教えてくれた。

【浜野あゆみ】さん。勝ったな!と俺は思った彼女の少しハスキーな声と高音域でかすれる歌い方が俺も大好きで、カラオケでも何度も彼女の曲を歌い、彼女の曲でオーディションに参加した事もあった。

俺は、彼女の曲の中から歌えるレパートリーよりこう言う場所で1番似合いそうな【to be】と言う題名の曲を選び。リエさんに伝えた。


 「では、リエさん【to be】と言う曲はご存知ですか?」

 

 そう聞くとリエさんからは「大好きな曲の1つだよ。聖君歌えるの?歌えるなら聞きたい、聞きたい。」


 と強くリクエストを受け俺はテーブルに置かれているデンモクを手に取ると、曲名で検索をして番号を入力する時に、キーを2つだけ下げた状態で送信した。


 そして、デンモクから送られた情報をカラオケ本体が受信をした後に数秒経ってから店内のBGMが消え、カラオケのイントロが店内に響いた。


 静かに流れるバラードの曲に乗せVIP席に設置している3席あるどこのBOXからも良く見えるように入り口の上に掲げられた巨大モニターの方へ体を向け、マイクを握りモニターに現れては消えていく歌詞に沿って歌い上げていく。予め何度も歌った事のある曲である為に自分の声に合わせたキーにしていた事で、音を外す事も無く。静かに店内に俺の歌声を響かせた。


 「♪貴方が居たので〜何時の時も〜笑えているよ〜♪貴方が居たので〜何時の時も〜笑えているよ〜♪涙が出るよ〜♪生きてられるよ〜♪貴方が居なくては〜何に1つ無かった〜♪」


 この曲のサビを「アナタ(担当または姫)が居なくては自分には何も無い。アナタ(担当または姫)が居るから私には何でもある。」と言う想いを込めて抑揚を付けビブラートを駆使し、感情豊かに歌い上げた。


 そしてリクエストされた曲は終わりを迎え静かにアウトロ(後奏)が流れて曲が終わった。


 俺はモニターの方を向いていた体を向き直してテーブルの方を向くと、テーブルを挟みソファに座っている姫様に向けて座ったまま頭を下げて。


 「下手くそですが、一生懸命に歌わせて貰いました。歌を歌わせて貰えてありがとうございます。」


 とお礼を言った。その後俺がヘルプとして座るBOX席に座っている全ての人間。リエさんも、姫神さんも、誠も、皆が皆拍手を俺に贈り揃って。


 「めちゃくちゃ上手いじゃん。」とか「感動しちゃった。」等のお褒めの言葉を貰えた。そしてそれは、自分の着いているBOX席の中だけに留まらずに、隣のBOX席に座るNo.2の早乙女さんやヘルプに着いている工藤やその早乙女の担当の姫からも拍手を受け。店内からもまばらではあるが拍手をしている音が耳に届いた。


 

ポイントがぁ〜ポイントがぁ〜減っていくぅ〜と言う悪夢を昨日見てしまったので、2度と悪夢を見ないようによろしくお願いします。


明日19時予約投稿済。


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