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誠と

前作のKitchenより愛を込めて〜ホストクラブ体験記〜

に比べて姫神楓がかなり優秀になってますが、まぁこの物語であのボンクラ具合では他のキャラクター達が動けなくなるのでこうなりました。

 CLUB EDENホストとして最初の営業時間が始まった。俺は若手ホスト達が集まっているカウンター席の友人でもあり頼れる先輩でもある【(まこと)】と言う苗字が無い源氏名を持つホストの隣の椅子に浅く腰掛け、何時でも立ち上がり来店して来た姫様達を迎えるように準備を整え心の中で「居酒屋と変わらない同じお酒を飲んで楽しく過ごす場所。変わらない、変わらない。」と何度も呟き緊張を少しでも解きほぐそうと躍起になっていた。


 その後もチラホラと来店してくる姫達に都度椅子から立ち軽く頭を下げては「いらっしゃいませ。」と歓迎の挨拶を送っていると。お店の自動ドアが開き、今度は姫だけでは無く1人の男性にエスコートされるような形で、綺麗な女性が入店してきた。誠から肘で腕を軽く突っつかれて。


 「おい。姫神さんが同伴で店に来たぞ。ちょっとだけ今までよりも大きな声で挨拶するようにな。」


 と誠が所属し、今着ているこのスーツのおかげで自動的に俺も所属する事が決まった、派閥の(おさ)の入店を教えてくれた。


 姫神さんは、あの日スーツを俺に買ってくれた時と違い、姫神さんの体にフィットするように仕立てられた、高級な生地を使い作られたであろう上品さと貴賓さを併せ持つ少し濃いネイビーのスーツに身を包んでいた。素人の俺から見ても1目でオーダーメイドのスーツだろう事は感じ取れた。


 姫神さんの連れていた同伴相手の姫は、先に内勤さんの小林さんが担当している受け付けで軽く挨拶だけを交わすと受け付けを終わらせた。俺は簡単な挨拶だけで受け付けをパス出来る程に、お店に通い慣れているんだろうと感じた。そして、姫神さんのエスコートでお店の中に入ろうとしている2人に向けて、若手のホスト全員が立ち上がり、挨拶をしていく。


 俺と誠はその中でも一際大きな声を出して。


 「姫神さん、おはようございます。いらっしゃいませ姫様。」


 そう挨拶をすると、姫神さんが俺と誠に気が付き近くに寄ってきた。そして、俺の前に立つと俺が買って貰ったスーツを着ている俺の姿を見ると。


 「おはよう。誠、聖。今日が聖は初日だね緊張してると思うけど無理しないで楽しんで働こうね。後、やっぱ俺の見立て通りに背の高い聖には、このブランドのこの色のスーツが良く似合うね。」


 と挨拶をわざわざ返してくれて、尚且つ俺の着ている少し濃いワインレッドの臙脂色したスーツ姿をホメてくれた。その後姫神さんと一緒にお店に入ってきた同伴相手の姫が先ず顔見知りでもあろう誠の前に立つと。


 「おはよう誠君。今日も元気だねよろしくね。」


 と誠に声を掛け誠も「リエさん。いらっしゃいませ。楽しんで行って下さいね。」と言葉を交わすと、リエと誠に呼ばれた姫が俺の方に向き直り。


 「新人くんなんだね。楓の所の子なのね名前教えてくれる?」


 そう言われたので俺はすかさず。


 「はい。今日から働く新人の東堂聖と言います。」


 答えると、リエと呼ばれている姫が。


 「聖君だねうん、これからよろしくね。」


 と優しい言葉を掛けてくれた。


 その後は姫神さんのエスコートで姫をお店の奥へと誘って(いざなって)行った。

俺はそれを目で追い姫神さんと姫の姿が視界から消えた途端に大きく息を吐き、隣に居る誠に。


 「あ〜めっちゃ緊張した……何あの姫神さんのオーラとてもこの前の人と同じに見えなかったよ。」


 と素直に感じた事を言うと誠から。「だろ?スイッチの入ってる姫神さんは凄いんだよ。なんせこの界隈でも割と高級ホストクラブと呼ばれているウチの不動のNo.1だからな。」とまるで自分の事のように誇らしげに話していた。


 その後も誠と隣同士のカウンターの椅子に腰を下ろし、時折入店してくる姫達を迎え入れて過ごしていると。突然、店内にマイクを通した内勤さんの誰かの声が響いた。


 「誠。東堂聖。リクエスト。ヘルプ指名VIP1番。」


 と。それを聞いた誠はある意味で今の状況を前もって知っていたかのように自然と落ち着き払っていた。そして突然、自分の名前を呼ばれて何がなにやら訳が分からずにオロオロとしている俺に向かい。


 「落ち着け聖。姫神さんの居るBOX席からのヘルプのご指名だ、これも姫神さんからの俺達への支援みたいなもんだ。さっき挨拶した姫様リエさんの席に俺と一緒に姫神さんのサポートで着く事になっただけだ。お前が初日で失敗しないように、自分の目の届く所。失敗してもフォローが効く優しい姫の所。そしてお前にヘルプの仕事を実際に俺の仕事を見て覚えさせて、全体的なフォローが出来る俺と一緒に。呼んでくれてるだけだから、お前もイキナリ知らない姫や新規や初回の姫の接客は出来ないだろ?」


 そう言って、これも姫神さんから俺への【優しさ】である事を教えてくれた。俺は席を立ち着ている姫神さんからプレゼントされたスーツの着崩れを正し、ネクタイの結び目を確認した後に、誠に背中を押されながら店内の中を歩き、普通のBOX席では無く全30席あるお店の中でも3席しか無い所謂VIP席へと向かった。


 そして、掃除後の内勤の小林さんから受けた研修の中で教えて貰ったボトルの種類の中で、確か……Hennessyのリシャールと言う名前のお酒のボトルと、ドルフィン・テディと小林さんが呼んでいた【飾りボトル】が並べられている席の前まで来ると誠が。

 

 「リエさん今日もヘルプ指名ありがとうござます。聖も一緒に呼んでくれて本当に感謝です。失礼します。」


 と言った後にBOXテーブルのクッションの良さそうなソファでは無くテーブルの高さに合わせた丸い形をしている椅子に座り。俺の方を見上げて「ほら!聖。挨拶して俺の横に座れ。」と言ってきたので慌てて俺も誠の言ったセリフを参考にして。


 「リエさん。ヘルプ指名ありがとうございます。今日が初日だから緊張してますがよろしくお願いします。失礼します。」


 そう言って誠の隣に丸椅子を少し移動させた後に座った。 

☆☆☆☆☆を★★★★★にしてブクマと感想とレビューをお忘れなき様(欲張り笑)


明日19時予約投稿済。楽しみにお待ちください。

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