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システム勉強

 スーツに着替えて、皆にちょっとしたお披露目も終わり、若手のホスト達と若手の内勤さんと一緒にカウンター席の椅子に腰を下ろし、開店の為の掃除や下準備を終え、各々が冷蔵庫から好みのソフトドリンクやお茶等をグラスに注ぎ乾いた喉を潤していた。


 俺もいくら飲んでも無料だと聞いていたので、せっかくだし1杯なにか貰おうとカウンターに通じる狭い通路を通り中に入りお茶を貰って飲んだ。


 そして、若手のホスト達は飲んでいたグラス類を自分達でカウンターの裏の製氷機の横にある小さなシンクで洗い物を済ませると。それぞれが何処かに出掛けるような準備をし始めた。その時に俺も「あっそう言えば面接の時に店長から、若手のホストは掃除の後に街に繰り出して、確か……外販と言う物に出掛けるんだ。」と思い出し、俺も飲んでいるグラスの中のお茶を一気に飲み干し洗い物を済ませた後に、みんなに習い外に出掛ける準備をしていると。


 若手内勤さんの内の1人、先程名前を教えて貰った。小林恭二(こばやしきょうじ)さんに声を掛けられた。


 「あ〜東堂君は暫くは外販は無しだから、先ずはみんなと違い【お勉強】を掃除後から開店の少し前までやるからね。因みに教師役は、僕ともう1人の内勤の加藤公康(かとうきみやす)君のどちらか。まぁ手の空いてる方だね。今日は僕が【せんせ】やるから。」


 と言って俺は外に営業活動に出掛けずに、店に残り色んな事を勉強と言う学ぶ事になっていたようだ。

 

 そしてそんな俺を見て、誠が。


 「それじゃ、聖。お勉強頑張れよ大事な仕事だからしっかりとメモ取って覚えろよ。」


 そうアドバイスを残して、他の若手ホスト達と一緒に店から出て外販へと出掛けた。


 小林さんから「座っててお尻の痛くならないBOX席に行こうか。何か飲み物を持って行っていいけど大丈夫かな?メモと書くものはある?」


 そう聞かれた俺は、メモと書く物を持っていない事を素直に言い、頭を下げて謝罪すると。小林さんは笑顔で。


 「大丈夫だよ。持って来いとも言われなかったんだろ?いつもの事だから。それじゃ、はい!コレ。」


 と店のロゴの入っている黒カバーのメモ帳とボールペンを差し出し、コレを使えと言ってくれた。


 その後、先にカウンターテーブルから1番近くのBOX席を指されその席で椅子に座り待っているように言われた。


 そして指定された席の椅子で待つことほんの2分〜3分で小林さんはBOX席へとやって来た。手には何やらクリアホルダーを2冊持ち、俺が座る椅子の向かい側の椅子に座った後に、持っていたクリアホルダーの内の1冊を俺に差し出し。


 「これは教科書ね。」


 そういって笑顔を向けてくれた。


 「それじゃ、お勉強を始めるねメモが必要だと思ったらさっき渡したメモ帳にメモを取ってね。東堂君がメモ書いてる間は、僕も説明を1時止めるからね。」


 そう言ってくれた。そして「最初のページを開いてみてね。」と言われた俺は、渡されたクリアホルダーの最初のページを開いた。そこには。


 【CLUB EDENシステム一覧表(研修資料)】


 そう書かれていた。そして、小林さんの指導の元、このお店の料金形態の説明と覚える為の勉強が始まった。


 【CLUB EDENシステム料金一覧】


※ご新規姫様料金 90分/¥2.000 飲み放題(鏡月 割り物 缶もの)


※ご新規姫様指名飲み直しコース

・CLUBプラン

60分延長 指名料込み ¥7.000 鏡月ハーフ1本 ヘルプ指名料別途¥3000

・EDENプラン

飲み直し/¥15.000 フリータイム 指名料込み ヘルプ指名料別途¥3000

(鏡月 ソフトドリンク 割り物 缶もの飲み放題 カラオケ歌い放題)


※各プランご新規料金と別料金


※完全ご新規の姫様は3回来店までご新規料金プラン可


※4回目以降のご来店はフリーの姫様として正規料金


※正規料金

・90分1セット(席料のみ 指名料は最初の1回のみ)

・席料/¥10.000

・指名料/¥5.000 幹部(内勤)¥10.000 ヘルプ指名¥3.000


※延長料金

・60分1セット(席料のみ 指名料無し)

・席料/¥7.000

・ヘルプ指名料¥3.000


※CLUB EDENタイム 21時までにご来店で 120分/¥8.000 指名料込み ヘルプ指名料別途¥3000 (鏡月飲み放題)


※ご新規様お連れ姫様料金

・ご新規姫様と一緒に来店された姫様(ご新規姫様共)

・フリータイム/¥15.000 指名料込み ヘルプ指名料別途¥3000 飲み放題(鏡月 割り物 ソフトドリンク 缶もの カラオケ歌い放題)


※VIP席利用料金 90分1セット¥20.000-

・延長 60分1セット¥15.000-


※サービス料(小計の20% 初回姫様除く)


※TAX(小計の10%+消費税10% 初回姫様除く)


※小計+サービス料小計の20%+TAX小計の10%+消費税小計の10%=総額(姫様お会計金額)


※ご新規姫様には入店時カウンター受け付けに顔写真付身分証の提示をお願いしております


※電子タバコのみ喫煙可(紙タバコは禁煙)


※定休日毎週日曜日(月2回棚卸し休み)


 と小林さんは、このお店の料金とシステムを教えてくれた。俺は、今貰ったメモ帳に教科書に書かれている内容を必死に書き留めている最中である。小林さんはそれを見て、微笑ましそうに俺の事を見つめ俺のメモを取る。と言う作業が終わるまで待っていてくれた。


 「それじゃ何か質問があるなら遠慮なく言ってね。分からない事を分からないままにしておくとお客さまに迷惑を掛ける事もあるからね。」

 

 「はい。それじゃ質問の答えをお願いします。先ず鏡月とかソフトドリンク飲み放題とかカラオケ歌い放題とかは意味が分かります。居酒屋にも鏡月はありましたし。【割り物】と【缶もの】とは何ですか?」


 「なるほど。東堂君は前は居酒屋で働いていたんだね。それじゃ聞けば直ぐに分かると思うよ。先ずは【割り物】とは、お酒を飲む時に割る飲みのもの事。ミネラルウォーターやウーロン茶、緑茶なんかがそうだね。後はちょっと変わった所だと牛乳とかね。次に【缶もの】だね。これは言葉の通り缶に入っている飲み物。そうだね、ウチのお店なら、ほろよいや缶ビールがそれに当たるね。どう聞いたら1発でしょ?居酒屋経験あるなら。」


 そう言われた俺は。なるほど!それらを割り物や缶ものと呼んでいるのだな。と直ぐに納得してみせた。


 「ご新規のお客さまの料金が異様に安い事にも何か理由があるのですか?」


 そう続けて質問をすると、小林さんから。


 「そうだね。その質問に答える前に。東堂君はホストとして働く訳だ。ならお客さまと言う呼び方を先ずは止めようか。お客さまじゃなく【姫様】ね。僕ら内勤はお客さまと呼ぶけどね。」


 そう言って俺にこの業界の用語を教えてくれて。


 「それじゃ、質問の答えだね。先ずホストクラブに足を運んでくれる方は非常に少ない。まぁこの後に勉強する事を知れば理由も分かるけどね。だから、少ないお客さまを1人でも多く、お店に遊びに来てもらう為に、初めてのお客さまには特別なサービスを、どこのホストクラブもしているんだ。そうして、そんなサービス例えばウチでは、そこに書いてある通りに3回の来店までお客さまは、初回のお客さまとして、初回サービスが受けられる。安いから遊びにも来てくれる。その間に君たちホストがお客さまを虜にして、その後も普通のお客さまとして、お店に通ってもらう。その為の入り口だから安くなっている。分かったかな?」


 「はい。分かりました。それじゃ僕たちは、初回特典のある姫様達を特典が無くなってもお店に来てもらうように頑張るんですね。」


 そう答えると、小林さんは。笑顔で「そうだね。頑張ってね。」と声を掛けてくれた後に。


 「それじゃ次のページを開こうか。」


 そう言った。どうやらまだまだ勉強会は終わらない様である。



明日19時予約投稿済。

次話投稿後10分後に参考画像を投稿します。そちらを参考に楽しんで下さい。

☆☆☆☆☆を★★★★★にすると作者のヤル気パワーがみなぎります。笑

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