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初日2

 掃除を終わらせた俺達若手ホストは次に皆がカウンター席の内側に立ったり、カウンター席の椅子に座ったりとして、次にやるべき必要な事を始めた。それは、カウンターの中にあるロッカールームや従業員用のトイレ等がある一画に詰まれた黄色のケースに入っている、ビニールの袋に入れられた【おしぼり】を用意すると、皆しておしぼりを手に取りビニール袋からおしぼりを取り出すと。1度広げた後に独特な畳み方をした後に手のひらでカウンターの上で、おしぼりをクルクルと転がし巻いていく。


 俺も誠に畳み方を教わりながら皆と同じように、おしぼりを畳むと誠が。


 「こんなもんだな。」 


 そう言って、袋から出して畳み直したおしぼりの。2/3程を、おしぼりを保湿保温しておく器具に綺麗に並べて重ねて一杯まで入れると。残りの1/3のおしぼりを、ソフトドリンク等が入っている冷蔵庫の中の隅っこに並べた。


 そして、全ての開店準備を終わらせた若手ホスト達は各々が冷蔵庫からだしたソフトドリンクやお茶で喉の渇きを潤していた。俺も何か飲もうかと思っていた矢先に、誠から。


 「聖。お前そろそろスーツに着替えて来いよ。準備も済んだ事だし。」


 そう言って俺をロッカールームに追いやる誠の顔には、これから他のみんながビックリするであろう事を予想している。楽しげな笑顔が浮かんでいた。


 俺はロッカールームに行き、先程誠からココを使えと言われたロッカーを開けると、中に掛けてあったスーツに着替えを始めた。先ず最初に自分が今着ている物をインナーの真っ白な今日の為に買っておいたTシャツと下着だけになると、薄いピンク色のワイシャツを取り出して、着ていく。襟元まで全てのボタンを閉めた後、少しだけ首元に指を入れ左右にワイシャツの首元を振って落ち着く場所を探した。


 そして次に家で先にベルトループにベルトを通しておいた臙脂色のパンツを手に取ると、右足から左足と順に片方ずつパンツに足を通した後、ウエストをボタンで閉め、ファスナーを上げた後に、ベルトでパンツが下がらない様にする。


 そして袋の中に入れていた箱を取り出すと、箱の中から真っ黒な靴を取り出し、履いてきていたスニーカーから履き替える。


 ワイシャツの襟からネクタイを通し、首の後ろを手で触りネクタイがハミ出ていないかを確認した後に、ネクタイを結び襟元まで締め上げた後に、ネクタイの結び目を少し手直しした。


 最後に、パンツと同じ臙脂色したジャケットを羽織ると。シングルスーツの3つ縦に並んだボタンの上から2つ目真ん中のボタンだけを留めて、着替えを終わらせた。


 ロッカールームを出てみんなが居る場所に戻った時に、真っ先に俺のスーツ姿を見た。確か……渋谷蓮と名乗っていたホストが目を見張りながら。


 「うわっ!東堂君何そのスーツ!めっちゃカッコいいじゃん!と言うかそれブランド物じゃない?後その着こなし!めっちゃお洒落じゃん。ネクタイが物凄く映えて見えるね。カッコいいよ。」


 と割とデカい声を出して驚いたせいで、近くに固まっていた若手のホスト1名を別にして全員から注目を集め、皆が皆、驚きの表情を浮かべていた。俺はそれを見て、自分がこんなにカッコいいしかも超高級で超有名なブランドのスーツを着ている事に少しだけ恥ずかしさを覚えた。


 そして驚いていない1人の若手ホスト。要はこのスーツを俺が着る事になった経緯を全て理解している、誠が声を張る。


 「すげ〜だろ?それジョルジーオアルマーヌのスーツなんだぜ。しかも、スーツだけじゃない、ワイシャツもネクタイも靴もベルトも、ぜ〜んぶ!ジョルジーオアルマーヌのやつなんだぜ。」


 そう言って俺が着ているスーツがどこのブランドの物なのかを皆に自分の事のように自慢げに教えた。


 誠の言葉を聞いた皆は一斉に「おぉ〜!」と感嘆の声を上げると、俺に。


 「そんな凄いスーツ持ってたんだね。」とか、「そんなスーツなら確かに掃除の時に着られないね。」とか、「東堂君、君何者?本当にこの業界初めてなの?」等、皆が思い思いの事を俺に聞いてきた。


 俺がどの質問から答えるか迷っていたら、俺の隣に誠が立ち。


 「これ、姫神さんから聖へのプレゼントなんだよ。昨日さコイツのスーツ買いに【服部屋】に一緒に行ったら店先で偶然、姫神さんに会ってさ聖のスーツを買いに来た事を話したらいきなり。」


 「それじゃスーツ買いに行こうか。俺が聖の入店祝いに1着スーツをプレゼントするから。」


 「って話しになってさ、当然【服部屋】で買ってくれると思うじゃん?店の真ん前に居たんだから、そうしたら姫神さんに連れられて、◯◯駅の駅ビルの百貨店に連れていかれて、この聖の着ているスーツ一式を買ってくれたんだよ。多分だけど総額50は超えてるぜ。」


 そう言う誠に顔を寄せて耳元で。


 「帰ってから調べたが多分75は超えてる……。」


 と訂正しておいた。


 その後、若手のホストだけでは無く、早めに店に入り自分達が行うエリアの掃除や開店の為の下準備等に来ていた経験のまだ浅い内勤さん2人にも。「すごいね〜。」とか「カッコいいね。一流のホストに見えるよ。」等とホメちぎられた。


 ひたすら照れていた俺に誠が近付き、俺の首元を凝視してきた。俺は何事?と思いつつ、誠の事を見つめ返すと、誠から。


 「聖。お前、ネクタイの結び方それじゃ駄目だ。カッコ悪い。いいか?ネクタイは【ウィンザーノット】って言う結び方をしろ。ちょっと待ってろ結び方教えるから。」


 と言って、自分が締めているネクタイを解き緩めると、俺の横に立ち。


 「ほら、俺のやるように真似して結んでみろ。」


 そう言って、ネクタイの結び方を1から教えてくれた。俺は誠の方を見ては真似してネクタイを結ぶと、誠が最後に俺のネクタイに触れ、結び目とネクタイを結んだ時に出来る首元のネクタイの窪みを少しだけ手直ししてくれた。


 「よし!完璧!」


 と誠が俺にそう言った。


 


 

 

明日19時予約投稿済。

☆☆☆☆☆を★★★★★にしてくれても良いんじゃよ?笑

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