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底辺職の下剋上 〜見捨てられた4人でパーティーを組んだら、理不尽な世界が崩壊し始めた〜  作者: yamayo8


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銀狼の故郷と、死の山脈の越え方

騎士団長レジナルドが嵐のように去った後、俺はガロンに向き直った。


「実際、Bランクに上がるにはどうすればいいんだ? 試験とか、それ相応の期間が必要なんだろ?」


ガロンは俺たちの顔を一人ずつ見定めてから、深い溜息をついた。


「……実を言えば、お前たちがダンジョンで見せた実績なら、Bランクに上げることは今すぐにでも可能だ。さっき俺があいつにごねたのは、お前たちの意思を確認する時間を稼ぐためだ。望まない指名依頼に、無理やりお前たちを巻き込みたくはなかったからな」


ギルマスの不器用な優しさに、俺は少しだけ口角を上げた。


「悪いな。だが、もし上げられるなら今すぐBランクにしてくれ。ヴィンスのことも気になるし、どのみち亜人の国々には一度行っておきたいと思ってたんだ」


俺がそう言うと、隣でウルの銀色の耳が期待に震えた。


「ウル、お前は獣人の国に家族はいるのか?」


俺の問いに、ウルは少し視線を落とした。


「……わかりません。私たち銀狼族は、狼人族の中でも特に珍しく、昔から美しい毛皮を目当てに狩りに来る人間が絶えませんでした。私が住んでいた村も、何者かに襲われて……。お父さんもお母さんも、まだ小さかった弟も、その時に離れ離れになってしまいました。それからは、一度も会えていません」


「銀狼族も獣人には変わりない。もし無事に逃げ切れていたら、獣人の国に身を寄せている可能性は高いんじゃないか?」


「あ……」


ウルの瞳に、希望の光が宿る。


「よし。じゃあヴィンスのついでに、ウルの家族も探しに行ってみるか」


「アラト様……! ありがとうございます!」


ウルが感激したように俺の手を握る。その横でリナも「いいわね、目的が増えるのは大歓迎よ」と楽しげに頷いた。


「ガロン。ドラグフ山脈をこっちから越えて、最初に着く国はどこだ?」


「……エルフの国『アルフェイム』だ」


ガロンの表情は依然として険しい。


「エルフは人間以上に差別意識が強いぞ。自分たち以外の種族は認めない、不遜な連中だ。連中は長寿だからな、人間など瞬きする間に死ぬ羽虫程度にしか思ってない」


「それは厄介そうだな。……で、ドラグフ山脈自体の危険度はどうだ?」


「死の山脈と呼ばれる所以は、ワイバーンだ。奴らは集団で襲ってくる」


「ワイバーンの強さは?」


俺の問いに、ガロンは腕を組んで考え込んだ。


「……そうだな。ダンジョン30階層のボスより少し弱いくらいの敵が、数十体まとめて襲ってくると思えばいい。一国の騎士団でも壊滅しかねない脅威だぞ」


俺とリナ、そしてウルは顔を見合わせた。


「30階層のボスより弱いのが集団か。……大丈夫そうだな」


「ええ、全く問題ないわね」


「はい、今の私たちなら大丈夫です」


あまりの即答に、ガロンの顔が引きつった。


「……お前ら、どんだけ感覚が狂ってやがる。あんなバケモノの群れを『大丈夫』だと?」


「まぁいい、わかった。そこまで言うなら、お前らのダンジョンでの実績を踏まえて、今日からBランク昇格とする。特例中の特例だ」


ガロンは悔しそうに笑いながら、俺たちのギルドカードを受け取った。


「さっそく準備を整えて出発する。……ダンジョン素材の換金分、多めに用意しておいてくれよ」


俺は新しいランクの刻印を待たず、必要な装備と食料のリストを脳内で展開し始めた。


パーティーステータス(Bランク昇格時点)


【 アラト 】


レベル:15 / 種族:ハイヒューマン


基礎ステータス:ちから 92 / 耐久力 101 / 素早さ 97 / 知力 77


状態:Bランク冒険者へ昇格。亜人の国を見据え、交渉と殲滅の準備を開始。


【 リナ 】


レベル:14 / 種族:ハイヒューマン


基礎ステータス:知力 138 / 素早さ 88


状態:『天恵の慈雨』により、対ワイバーン戦での広域防御・回復の要。


【 ウル 】


レベル:14 / 種族:霊獣種:銀狼族


基礎ステータス:耐久力 125 / 素早さ 85


状態:家族探しの希望を胸に、銀狼としての本能が昂ぶっている。

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