王都ギルドの悲鳴、そして「いつもの」
「アラトさん! お帰りなさい!」
ギルドへ入るなり、受付のミーナが明るい声を上げた。俺は挨拶もそこそこに、大量の換金を依頼する。
「出張所でやらなかったんですか? あ、もしかして転送された手紙を読んで急いで……?」
「いや、手紙のことは知らないが、量が多すぎて向こうじゃ無理だと言われたんだ」
俺がテーブルに魔石を広げ始めると、ミーナの笑顔がみるみるうちに凍りついた。
「なんですかこれ……!? まだあるんですか?」
「ああ、素材はここでは出せない。溢れちゃうかもな」
「ここでは絶対出さないでください! 解体場の倉庫へ移動しましょう!」
移動した倉庫で、俺は『無限収納』の中身をすべて吐き出した。
「これは……30階層ボスの素材!? 鑑定結果が最高品質だ……」
解体職人たちが絶句する。中にはリナの『青炎球』で黒焦げになったものも混ざっていたが、それでも量は尋常ではない。
「……査定には時間がかかります。魔石分だけでも今日中に出しますので、改めていただけますか?」
ようやく解放された俺たちは、少し遅い昼食と宿を求めて馴染みの場所へ向かった。
「ナナ、ただいま!」
『白い燕亭』の扉を開けると、看板娘のナナがいつもの笑顔で迎えてくれた。
「アラトさん! おかえり!」
「まだお昼大丈夫か? あと部屋もお願いするよ」
「もちろん大丈夫だよ! 部屋は何部屋?」
「うーん……金に余裕もあるし、3部屋に……」
「1部屋で!」
リナが食い気味に割り込んできた。
「せめて男女で2部屋に……」
「1部屋で!」
「あはは~、リナさん強いね~……3人部屋用意するね」
ナナは若干引きながらも鍵を渡してくれた。俺はなかば諦めて鍵を受け取り、食堂の席に着く。
「それじゃ、いつもの3つ頼む」
「はいよ!」
ダンジョンの泥臭い空気から解放され、俺たちはようやく一息ついた。だが、あの時出張所に届いていた「騎士団の紋章」入りの手紙が、平穏な日常に波乱を呼ぶことを、この時の俺たちはまだ知らなかった。
パーティーステータス(王都帰還時)
【 アラト 】
レベル:15
種族:ハイヒューマン
職業:【無名の器】
基礎ステータス:ちから 92 / 耐久力 101 / 素早さ 97 / 知力 77
装備:【深淵の黒外套】、【死を退ける指輪】
解析状況:
勇者の加護(光属性防御):85%
腐食:40%
神聖魔法(基礎):5%
硬化、分身、毒牙:習得済み
【 リナ 】
レベル:14
種族:ハイヒューマン
職業:【不変の瞳(慈悲)】
基礎ステータス:ちから 55 / 耐久力 67 / 素早さ 88 / 知力 138
装備:【叡智の銀首飾り】
スキル:真理魔眼、静謐の聖域、不変の愛、【天恵の慈雨】
【 ウル 】
レベル:14
種族:霊獣種:銀狼族
職業:【静寂の盾(忍耐)】
基礎ステータス:ちから 72 / 耐久力 125 / 素早さ 85 / 知力 61
装備:【白銀の騎士盾】
スキル:天命の守護、金剛不壊、銀狼の祝福




