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底辺職の下剋上 〜見捨てられた4人でパーティーを組んだら、理不尽な世界が崩壊し始めた〜  作者: yamayo8


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深淵への招待と、銀狼の覚醒

1. パーティー結成と、深淵のダンジョン



宿の部屋で、俺はウルに向けてパーティー申請を送った。


ガルの網膜に半透明の画面が浮かび上がったようで、彼女は目を丸くして宙を触ろうとしている。


「あ、アラト様……空中に光る文字が……」


「俺たちのステータスを共有するためのものだ。……様は付けなくていい。アラトでいい」




身支度を終えた俺たちは、冒険者ギルドへ向かい、受付のミーナに「ダンジョンへ向かう」と告げた。


王国が管理する『始まりの深淵』。王都から徒歩で1日の距離にあるそのダンジョンは、国を挙げての重要な資源供給源となっている。




「現在、到達最深部は59階層です。60階層のボスは未だ誰も攻略できていません。無理はなさらないでくださいね」


ミーナから渡された情報を眺めながら、俺は内心で確信していた。




(……未攻略、ね)


前世の知識を持つ俺にとって、ここは完全に攻略済みの庭のようなものだ。かつて単独で踏破した経験もある。レベルを上げながら進めば、間違いなく60階層のボスも攻略できるはずだ。


「とりあえず、効率がいい35階層を目指すぞ」






2. ダンジョン街の夜と、拒絶される聖女




王都からダンジョンまでの道は、石畳で綺麗に整備されていた。


半日ほど歩くと、巨大な洞窟の入り口を取り囲むように形成された「ダンジョン街」が見えてきた。




俺たちは清潔な宿屋のツインルームを確保し、明日に備えることにした。


夜。俺は二人に、レベルアップに伴う「肉体改変」について説明した。


「レベルが上がると、身体がその次元に追いつこうとして骨や筋肉が組み替わる激しい痛みを伴う。覚悟しておけよ。俺とリナは一度経験しているから、次はそこまで大きな変化はないはずだが」




「……はい。痛いのは、慣れていますから」


ウルが小さく頷き、俺たちは眠りについた。




深夜。ガサリと俺の毛布がめくられ、いい匂いのする柔らかい何かが潜り込んできた。


「……リナ。何してる」


「えへへ……アラト、ちょっと寒くて……」


「今日はベッドが2つあるだろ。申し訳ないが、ウルと二人で寝てくれ」


「ぶー。アラトの分からず屋……」


頬を膨らませたリナを隣のベッドへ追い返し、俺は目を閉じた。






3. 蹂躙の階層攻略




翌朝。俺たちは深淵へと足を踏み入れた。


「ウル、安全になるまで俺の後ろに隠れていろ」


「……はいっ」




1階層から9階層の雑魚は、リナの『水圧刃』と俺の『不浄の短剣』の前では単なる経験値でしかなかった。




10階層。ボスは巨大な【重装甲のロックゴーレム】だ。


「リナ、関節を狙え。俺がトドメを刺す」


「了解。無駄な装甲ごと溶かすわ……『青炎球』」




極小の青い炎がゴーレムの膝をドロドロに溶かし、体勢を崩した巨体の頭部へ、俺が不浄の短剣を突き立てる。


断末魔の代わりに石の軋む音が響く中、俺は短剣を通じてゴーレムの核から力を引き抜いた。


【スキル:硬化 を『無名の器』へ吸収。解析を開始します】




そのまま20階層へ到達。


ここのボスは、無数の分身を作る【幻影の毒蛇ミラージュ・スネーク】だ。


「アラト、右から3番目の少し奥。本体はそこよ」




リナの『魔力視』の前に幻影など無意味だ。俺は本物の脳天を一撃で貫き、その力を貪欲に飲み込んだ。


【スキル:分身、毒牙 を『無名の器』へ吸収。解析を開始します】




4. 肉体改変と、銀狼の目覚め


その瞬間、俺とウルの身体が同時に熱を持った。


【アラト:レベル3へ上昇】


【ウル:レベル2へ上昇】




俺の身体も熱く軋んだが、『無名の器』が苦痛を遮断し、特に問題なくやり過ごせた。だが、ウルは違った。


「あ、ぁぁぁあっ……! 身体が……熱い……っ!」


床に倒れ込み、激しい肉体改変の痛みに絶叫を上げる。


「耐えろウル! これを越えれば、お前は生まれ変わる!」




やがて痛みが過ぎると、ウルは気を失った。俺たちは安全地帯へ移動し、休息を取ることにした。


数時間後、ウルが目を覚ました。俺は思わず息を呑んだ。




ガリガリで傷だらけだった彼女の毛並みは、月明かりを反射する滑らかな銀色へと変貌していた。小柄ながらも女性らしい柔らかな曲線、そして凛とした可愛らしさを備えた「銀狼の獣人」。


それが、レベルアップによって引き出された彼女の真の姿だった。




「……」


あまりの変貌ぶりに少し見惚れていると、隣でリナが声を上げた。


「あ、アラト? なに見惚れてるの!?」




「……私、身体が、軽いです。それに、傷も全部……」


「体のサイズはあまり変わってないから、装備もそのまま使えそうだな」


「あ、あの……アラト。胸のあたりが、少しきついです……」


見れば、急激な発育によって胸当てがパンパンに張っていた。


「……少しベルトを緩めて調整してやる。じっとしてろ」


「あぅ……はい」


「ちょっとアラト!? 私がやるわよ!」




騒がしいリナをなだめつつ、俺はウルのステータス画面を開いた。


「よし、これなら戦える。みんなレベル5まで上げて60階層を突破するぞ!」




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パーティーステータス報告




【 アラト 】


・レベル:3


・職業:【ドブさらい】


・特殊:【無名の器】、【不浄なる循環】




▼ 基礎ステータス


・HP:120 / MP:40


・ちから:45 / 耐久力:62


・素早さ:48 / 知力:30




▼ 解析度(スキル同化)


・勇者の加護(光属性防御):28%


・硬化:5%


・分身:2% / 毒牙:2%




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【 リナ 】


・レベル:2


・職業:【聖女(不遇)】


・知力:95 / 素早さ:42


・スキル:魔力視、速読、言語理解(中級)、魔法最適化




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【 ウル 】


・レベル:2


・種族:獣人(銀狼族)


・職業:【デコイ】職業習得度 60%




▼ 基礎ステータス


・HP:150 / MP:15


・ちから:30 / 耐久力:80


・素早さ:40 / 知力:25




▼ スキル


・通常スキル:挑発、物理耐性(微)、痛覚鈍化




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