スライムとの戯れ
一話で終わらす予定だったんだけど、意外に長かったんで何話かに分けることにした。
案外、書こうとすれば書けるもんなんだね。
次の話は明日に出せるといいな。
このアルデン迷宮だが、全50階でできており、5階毎に魔物の出ない安全地帯とボス部屋があるらしい。そして、5階毎に魔物のレベルが10上がるようだ。ちなみに始めに出てくる魔物のレベルは5。誰でも勝てるレベルだそうだ。
1階。直感を頼りに最短ルートを歩いていると初めての魔物と出会う。最弱の代名詞、スライムである。ちなみに可愛い系である。プルプルしてて可愛い。とても可愛い。スクエニ産のやつ、あれとかよくね? スマホカバーがそれだったりする。
スライム レベル5
物理耐性 レベル10
水属性魔法 レベル1
そして、安定の強さだった。よくあるよね、物理耐性。てかレベル10って最強じゃん。魔法しか効かないとかやばくね? これで1階? マジ?
この世界には鑑定スキルがあり、それによって相手のステータスとかは見れるようになるようだが、入る前に全員に配られたアイテム[真実の虫眼鏡]で覗けば見れた。………なぜ虫眼鏡なんだ?
「………これは凄いな。結構複雑に出来てるぞ」
ユウは虫眼鏡に興味津々である。って今更!? それ、貰った時に言うセリフでしょ! てかそんな場合じゃなくて、スライム! 見てみろ。俺らが無視してるから、スライムがちょっと可哀想な顔をしてるぞ。……待ってろ、すぐに相手してやる!
「おい、そろそろ始めるぞ」
「ちょっと待って。もうちょいで解析が終わるから」
「…………ちなみに聞くがなんの?」
「虫眼鏡の」
「参加しろよ!」
スライムがしょげてる。ご、ごめんな。俺が相手するから。
俺は刀に手をかけた。スライムも臨戦態勢に入る。俺はスキル[挑発]を発動する。スライムが我慢するも衝動に駆られて俺に迫ってくる。俺は間合いに入ったところで一刀両断した。スライムは光の粒子となって消えてく。いや、ゲームかよ! ……まあ、いいや。
「おつかれー」
「おつかれさん。うまくいったか?」
「ああ、初めての抜刀での発動だったけどな」
「さすが、魔法剣だな」
「まあな。そっちのは?」
「ああ、できたぞ。あとは描きなおせば使える」
「おお!」
昨日のことを知ってるユウと当然のように話している。あと、俺が作るんだからはよ教えろよ。
さて、ここで魔法剣について説明しよう。武器にはSTR強化などの能力付きのものがあるのだが、簡単に言えば魔法剣はそれの凄い版である。
俺の魔法剣は単に風属性の魔法陣を描いただけだが、風属性魔法との適性がとてもよくなり、威力は上がるしレベルの低い魔法は無詠唱でもできるようになるのだ。ただ、この剣を媒介にしないといけないので、剣に纏わしたり剣から放ったりしかできないのが欠点なのだが、それでも十分に強い。
普通系統魔法の魔法陣を剣に描く場合、その系統のレベル1で覚えられる魔法の陣を描くらしい。レベル1が魔法の基本であり、それの応用で他の魔法はできているかららしい。俺は少し疑問に思ったのでレベル3まで(自分ができる最大の魔法が3)を見比べてみた。
すると、全ての魔法に規則性のある形があり、そこから付け加えると違う魔法に変えられることがわかった。レベル1の魔法もその基本に付け加えられてできていた。これを利用し、その基本の形を維持しながら自分の意思で加えられるように設計してみたのだ。これが強い強い。ただの剣が、風に愛されし暴風の剣になってしまった。マジパネェな。ちなみに風にした理由はルイスに言った通りの理由だ。見えないのは十分なアドバンテージでしょ。
俺は魔法陣を教えてもらい、事前に作っておいた片耳ヘッドフォンに描いた。右耳に付け、魔力を加えると右目の少し前に液晶みたいなのが出るのだ。まあ、所謂次世代型の眼鏡型端末だな。アニメであるよね。あとはその液晶(仮)に虫眼鏡と同じ性能を付けるだけ。意外と簡単だった。
「使った感じはどうだ?」
「………うん、正常に動いてる。ただ、少し魔力がとられ過ぎる。帰ったらもうちょい軽くなるようにしてくれ」
「了解」
こういったことをすぐに言ってくれると作る側は嬉しいよね。改良点がすぐにわかる。まあ、それくらいの問題なら自分でやれとも思うが。
1階で一応連携も確認してみたが、正直連携するまでもなく終わってしまう。5階までなら大丈夫そうだ。そして、2階になったので訊いてみた。
「なあ」
「なんだ?」
「幸運値、最低にしてみてもいいか?」
「……今、どれくらいなんだ?」
「最大の60」
「ちなみに一般の平均は?」
「今のレベルくらいだと、30くらいかな」
「………レベル、いくつ?」
「10になった」
「………………マジ? 俺、9」
まあ、入る前は俺がトップだったしね。
「まあそう落ち込むな、勇者メンバー最強(笑)」
「……嫌味を言うのは止めてくれ」
「それはそうとオッケーか?」
「………わかった。試してみよう」
たぶん、安全性を考えたんだろう。俺からすれば、ここで試さないといつ試すんだ、て感じだしね。
俺は幸運値を1に下げた。下げて直ぐは何もなかったのでとりあえず歩いて行った。するとすぐに――
「………これはやばくね?」
「幸運値は大切なんだな」
目の前にスライムが10体現れた。しかもキングサイズ。いや、あれって確かスライム3つ分だったっけ? てことは単純計算でスライム30体と戦わせるらしい。………パないね。
「俺一人で行ってくるわ。何か問題が出たら呼ぶ。外から援護してくれ」
「ほーい」
囲まれた中で魔法放って味方に当たるとかそういうのが起こったら逆に危なくなるしな。流石に今回は刀はまずそうなので、片手剣にした。俺は片手剣を構える。あ、ちなみに武器はマジックボックス(異次元格納庫)を全員に支給されてるのでそれに入れてます。
スライムは俺を取り囲んだ。…今更だけど地面に擬態できるんだね。俺は危険を感じスライムに鑑定してみた。
スライム レベル8
物理耐性 レベル10
擬態 レベル8
粘液 -----
水属性魔法 レベル5
うん、さっきより強いね。てか、粘液とかさっきの無かったよね? え、さっきの粘液なかったの? ただの丸っこい塊? それってスライムって言えるの(笑)
そんなことを考えていたら内の一体が襲い掛かってきた。俺はそれを斬った。二つに分かれる。
ベチャ
俺の顔にスライムが張り付いた。運悪く生きているらしい。最悪なことに鼻と口を押えている。
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!!」
この上なく危機的状況である。まず助けを呼べない。ふさがっているから。次にだんだんと口や鼻に入ってきている。正直キモイ。そして、他のスライムはこれ見よがしと次々に嬲ってくる。まるで触手姦である。………需要ねえ。
俺は焦って、だがミスらずに槍を取り出した。そして掲げた。
(――[ストリームハウル]!)
レベル3で使える風魔法だ。自分の周りを竜巻で覆い、ダメージを与える魔法だ。まあ竜巻と言っても、扇風機の強を扇風機にくっついた状態で受けるぐらいの力だが。
周りのスライムを吹き飛ばして、俺は顔面を全力で壁にぶつけた。くっついてたスライムはそこで霧散した。あたりを見渡すとスライムはいなかった。どうやらさっきの魔法で倒せていたらしい。俺はすぐに幸運値を最大の68に上げた。
「おつ、かれ…………ふふ」
「肩が笑ってるぞ。笑いたいなら素直に笑え」
「アハハハハ!」
「指をさすな!」
もう、こんなのはこりごりだ…。
少しネタ晴らしですが、ここでクラスメイトと別れたりなんかはしませんので。




