魔法適性
やっぱり始めてすぐはやる気に満ち溢れているから早く作れるね。………どうせあと2、3話で終わるんだけどさ(笑)
午後になり、魔法の基礎を学ぶこととなった。魔法に関してはよくイメージが大事と聞くので、自信が出てきている。なにせ、中二の時にいろいろあったからな…。
みんなから少し好意と敵意の視線を感じる。「もしかして魔法も出来るのでは!?」という羨望と嫉妬であろう。フフフ……今回は出来るぜ!
「私はルイスだ。よろしく。………では、これから魔法とはどんなものかということから説明しよう」
みんな興味津々である。存在しないと思われていたものについてを学べるんだから当然だ。
「魔法は自然の力を利用して行使するものだ。大気にある魔素を手に圧縮して放つことで魔法は発動するのだ」
思ったよりもわかりやすい説明だったことに驚いた。だって、さっきはいきなり模擬戦だしそんなのばっかなのかと思っていたよ。
「自分のステータスに"MP"とあるだろう。これは魔法をどれだけ行使できるかを表している。魔法によって消費するMPも異なるため注意する必要がある」
要はゲームと同じである。さっきの魔素云々は何だったのだろうか?
「注意しないといけないのはMPが切れると魔法を行使できなくなると、大気中の魔素の割合によって消費するMPが変わることだ」
消費MPが、変わる? どういうことだ?
「まずMP切れだが、保有している以上のMPを消費することはできない。では、どうやって魔法を使えるようにするかだが、時間の経過とともにMPは回復していくから心配はない。これは大気中の魔素を体内に取り入れているからである」
よくあるやつですね、わかります。
「また、回復速度も人によって違う。これは、自分の魔力の質、通称魔質が様々であり、魔質が魔素に近いほど自分の魔力への変換効率が高くなるからとされている。まあ、これは先天性のものだから努力しても変わんないよ」
よくあるやつですね、わかります。(2度目)
「次に消費MPが変わることについてだが、魔法を行使する際、大気中の魔素を自分の魔力で集積し、圧縮し、変換するのだ。魔法の行使に慣れると一定の威力に収まるので、基本的にそれにかかる魔力は変化しない。魔法の威力は基本集積した魔素の量によって変化する」
「このことを元に魔素の薄い大気での場合を考えてみると、多量の空気を集める必要が出てくるのだ。魔素が薄い中、一定の魔素を集めようとするからね。そして、それを圧縮させるのに多くの魔力が必要となる。こういうことだ」
みんな、急に覚えることが増えてすこしわからなくなってきている。俺も少しゴチャゴチャしているが、なんとかわかった。
4人でやってた仕事で2人が休んでしまった場合、1人で2人分の仕事をこなす必要が出てくる、というわけだ。何も難しくない。………人数が魔素で仕事量が魔力ね。
でも、魔素の割合なんてどうやって測るんだ?
「魔素の割合は感覚でわかるようになる。始めは難しいだろうが頑張ってくれ。ちなみに此処は平均的なところなので変化がわかりやすいだろう」
まさかの体育会系のノリだった。説明でギューンとか言われているのと大差ない。………本当にできるんだろうか。少し不安になってきた。
「次に系統について説明する」
みんなから「まだかよ…」「ちゃっちゃとやろうぜ」と野次が飛んできている。やめたれよ。俺も思うけどさ、言うとさらに延びるんだよ…。みんなもそれに気づいたのか黙り始める。
「…………系統についてだが、魔法は全部で8種類ある。炎、水、風、雷、土、光、闇、精霊である。まず、初めの5つが属性魔法だ。誰もが覚えることのできる魔法だ。得意不得意があるから全部は難しいかもしれない」
てことは残り3つは属性ではないのか。
「残り3つは種族魔法といってもいい。光は人族、闇は魔族、精霊は獣族が覚えることのできる。種族の異なる魔法を覚えることのできるのはごく稀であり、先天性のものだ。今更覚えることはできない。だが、種族にあう種族魔法、例えば人族の光魔法とかは後天的にも覚えることが出来る」
なんか、先天性のもの多くないですか?
「ただ、人族は闇魔法、魔族は光魔法を習得できないことになってる。理由は不明だが、たぶん相性だろう。相反するものだからな」
相性、か。…………って、ん? 闇魔法は人間に習得不可能? マジ?
「要は得意不得意の問題だ。光魔法はだいたいの人族が覚えるができる。だから今無くても安心してくれ。精霊魔法を所得している者は喜べ!」
それにつられ何人かは喜んでいた。周りからは羨ましそうな視線が飛び交っている。俺はパニック中である。
(えっ………俺って人間じゃないの? 魔族なの? えっ、どゆこと?)
わからないのだから当たり前である。
「あの〜、もし人間に闇魔法を習得している人がいたらどうなるんですか? 異端者として処刑ですか?」
「どうだろう? 確かにその確率はもの凄く高いが、場合によっては師として招かれるかもしれない。まあ、ステータスは基本産まれた時に確認されるから、その時に捨てられたりして存在が露見していないのかもしれないから、もしかしたらとてもレアな確率で存在するのかもな」
………マジどうしよ。これ絶対ヤバいやつだ。バレたら即殺される。ああ言ってるけどほんとのところはわからない。 なんとしてもバレないようにしないと!
「では、魔法の詠唱方法を説明する」
みんなは「待ってたー!」「楽しみだぜ!」「愛してるー!」って聞こえてくる。………最後のはなんだったんだろう。俺はそれどころではないが。
「いや、まあ、正直説明するほどではないのだが……」
なんか、歯切れが悪い。どういうことだ?
「ステータスに魔法の詠唱や消費MPは書かれているんだよ。それを唱えたら終わりだ」
「………それだけ?」
「ああ」
「………………………マジ?」
「マジマジ」
わかるぞ、山田(隠れオタク。同属にはバレてるぞ)。よく言ってくれた。絶対みんなが思ったはずだ。てかわかってるなら最初に言ってくれよ。………いや、言ったらみんな、素直に話聞きそうにないな。
「では、まずは試しに魔法を詠唱してみてくれ」
お、いいの? やっちゃうよ?
「先生!」
「お、なんだ? アラムを倒した勇者さん?」
「………えっ、それって広まってるんですか?」
「ああ、だいぶ有名だぞ。あいつ、あれでも剣では負けなしだしな。まあ、ここでは上から7つ目だけど」
………どうしよ。尚更言い出しづらい。思ったよりも評価が高い。みんなの視線がさっきよりも強い。言いたくねー。
「…魔法を一つも所得してないのですが、どうすればいいのですか?」
場が急激に静まった。っていうか無音になった。あ、雀が鳴いた。
「………ん? 私の聞き間違いかな? すまないがもう一度言ってくれ」
こ、こいつ!
「魔法を一つも所得してません! 一体どうしたらいいですか!」
「お、おう。そうか…。」
場が騒がしくなる。可哀想な顔をするやつとざまあみろって顔をしているやつがいる。あー、だから言いたくなかった!
「いや、すまない。そんなの初めてだったもんでな。しかしどうしよ………てことは魔法適性が無いものと思うべきだし何からやらせるか………(ブツブツ)」
「あ、あの〜………」
ルイスさんは独り言を言っている。あの〜できれば場の空気を収めてくれないでしょうか?
「……………では、私が何か一つも教えてやろう。みんなは一度試しうちでもしてみてくれ。その後、武術の時と同じように分かれて教えてもらってくれ。私のは………ロロイヤ、頼めるか?」
「わ、わかりました!」
周り、主に師として集まった魔術師から驚きが出た。ルイスさんが教えるのってそんなに珍しいことなのか? やばい、余計に目立つよ…。
ロロイヤさんはだいぶ焦っている。その後、俺を凄い睨んできた。死んだ夫の仇! みたいな感じ。あ、もしかしてそっち系? 女の嫉妬は恐ろしいって聞くしもう嫌だ…。
ロロイヤさんのところに何人か集まる。その後何かをつぶやいて目を前にかざした。 って精霊魔法⁉︎ 激レア存在じゃん! すげー! ってことはルイスさんも精霊魔法を? ………ぱないな。
「では、私が何か一つ魔法を教えよう。何がいいかい?」
俺はルイスさんに連れられ別室にきている。なんでもここは魔道研究室らしい。魔術師のトップクラスの人しか使用できないところだとか。……俺、そんなところでやんの? なんか嫌だ! ………そこに偶然誰もいなかったのは不幸中の幸いか。
俺だけマンツーマンという奇妙な状況になってしまったが、とりあえず話を進めることにした。適応力高いのかな、俺? わかんないけど。
「風魔法を覚えてみたいです」
「風か…。確かに使い道は多いが、如何せん扱いづらいぞ。始めにするには適さないのだが…………まあいいか」
軽っ! 知らないんだからそう言ってくれたら諦めるのに! ルイスさんは生徒を尊重したいタイプか。
ちなみに俺が風魔法を覚えたい理由は視認しにくいからである。牽制にはもってこいだろう。また、剣に風を纏わせたり使い道も多そうっていうのもある。
「風魔法の初歩として[ウインド]がある。風を起こすだけの魔法で殺傷力は皆無だが、使い道はそれなりにある。物を持ち運んだりとかな」
重いものとかを運ぶ際には使えそうだな。いい魔法なのかもしれない。
「では見本を見せる。………風よ我に術を示せ[ウインド]!」
「おおー!」
風が吹く。思ったより強くはない。風を渦巻いて物を浮かせたりするようだ。これは便利そうだ。…………ナイス厨二!
「では、一度これをやってみよう。何も言わないからまずはやってみてくれ」
物は試し、か。………よし、やってやる!
「風よ我に術を示せ………[ウインド]!」
「…………ん? おお!」
微弱ながら確かに風が吹いた。………あれ? 魔法適性ゼロなのでは?
「魔法が発動した? どうして? もしかしたら魔法適性が高すぎるから逆に覚えてなかったとか?………(ブツブツ)」
ルイスさんは自分の常識を超えると独り言に走る形跡があるらしい。………後、支離滅裂じゃないか? 高すぎるなら全部覚えてるだろ。いやまあ、闇魔法を覚えているわけだしゼロってことはないだろうけどさ。
「じゃ、次は[フレイム]をしてみよう。やってみよう!」
ちょ、怖いよ! 急に大きな声を出さないで!
「[フレイム]の詠唱は、炎よ我に灯火を示せ、だ。さあ、やってみてくれ!」
「ちょ、落ち着いて! しますから落ち着いてください!」
とか言っている俺も落ち着いてないだろ、ってツッコむのが定番だがここに誰もいないため残念ながらそんなことはされない。
「では、いきますよ。………炎よ我に灯火を示せ、[フレイム]!」
「おお!」
人差し指からライターくらいの炎が現れた。ほ、ほんとにできてしまった…。
「きたー! 決まりだね! これは確実に天才になる! これは楽しみだわ!」
ルイスさんがキャッキャッしている。教える人にとって見込みがある人を教えるのは楽しいようだ。………俺って才能あったの? これっていいの? イケメンがやることじゃないの? 勇者ポジションじゃないの? ………そういや俺、勇者だったね。
「次は何を………もしかしたら精霊魔法も………いや、あれは先天的なものだし………でももしかしたらできちまうのでは?………(ブツブツ)」
また一人の世界に入っていった。っていうか精霊魔法を教えるつもり? 常識を壊すの? そういうのってこっちの考えることなんじゃ………。
研究者魂の激しいルイスさんに少し引いてしまうが、本当の顔を見ることができて少し嬉しいと思うアキだった。
始まってすぐは説明回が多くなるのは仕方ないよね? だってないと内容がわかんないもん。
キャラがちょくちょく出ているけど、だいたいは1話限定みたいな感じで出してます。説明のない人のだいたいはそうです。今日出た二人はどっかで出そうかと考えてるけど。




