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未来で孤独死した俺、美少女になって高校時代の俺を幸せにする  作者: 水鳥 いつき


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3章 初デート

次の日、運命の昼休みが来た。 


俺は静奈ちゃんの気が変わらないように背中を押すことにした。


「絶対大丈夫だから映画誘いなよ!タカシくんガンダーム好きだし、なんか二人はお似合いだな~て思ってきちゃった。いいな~私もデートしたいな~」


「響ちゃんデートしたいの……?」


「い、いやそうでもないけど、静奈ちゃんとタカシくんのデートが素敵だな~って。とにかく絶対上手くいくから頑張ってね」


「う、うん……行ってくるね」


「遠くから見守ってるね~」


俺はタカシに見つからないように物陰から覗くことにした。タカシは俺のアドバイス通りクシで髪をとかしてきた。一九分けにする意味がわからないが、それでも前よりましだ。

静奈ちゃんは机でポツンと一人で月刊ラ・ムーを読んでいるタカシに声をかけた。タカシは顔を真っ赤にしている。遠くて二人の会話は聞こえないがタカシは静奈ちゃんと目を合わせることが出来ずうつむいていた。


(しっかりしろよ……そんな顔してるくせに頭の中では告白されて結婚式をあげてる絵を浮かべてるんだろな……気が早いんだよな……ただ映画に誘われただけだろ……)


やがて、静奈ちゃんが戻って来た。


「どうだった?」


「『考えておきます』だって、これってダメだったのかな……」


(だよね……俺なら……)


「ち、違うよ!たぶん予定を確認するって意味だと思うよ!」


「そうなのかな……」


「静奈ちゃん、緊張して食欲ないって言ってたよね、パンでも食べなよ。空腹は美容に良くないよ!食べてきなよ」


「うん、終わったらなんだかお腹がすいて来ちゃった」


静奈ちゃんは購買へ向かっていった。

俺は急いでタカシの元へ向かった。


俺はタカシと会うなり人影のない踊り場に連れていき、つい胸ぐらを掴んでしまった。タカシは焦った様子で俺に言った


「ぼ、僕デートとかしたことなくてどうしたらいいか……」


「本当は彼女欲しいだろ。静奈ちゃん別に嫌じゃないだろ!」


……タカシは黙っている。


「静奈ちゃんは黒い服が好きだから、全身黒で行って。土曜日にウニクロにでも行って買えば。映画が終わったらミスターミセスドーナッツで食事してその後、時間が余ったらスポーツヤルッチャに行けばいいよ」

「これでいいから、放課後に静奈ちゃんに予定が空いていたので行こうって言うんだよ」

「それから、ありがとうを忘れないように!」


「は、はい」



放課後、俺はタカシを静奈ちゃんのところへ連れて行き、静奈ちゃんに気づかれないように物陰に隠れ、タカシは俺に押されて静奈ちゃんの元へ向かった。


静奈ちゃんの顔に、パッと笑顔が咲くのが見えた。

良かった……上手くいった。偉いぞタカシ! お前はこれから幸せになるんだ!



日曜日が来た。 

俺は悩んだがタカシが家を出るのを確認することにした。ほとんどストーカーだがここまで来て逃げるのが俺なのだ。まったく信用できない。

デート30分前、タカシが家から出てきた。

タカシは全身黒づくめだった。


(全身黒にしたのは偉いけど、そのマントどこで買ったんだよ……俺が全身黒の服装といえば……そうか映画『ハレーポッター』だ……)


なぜマントまで着ているのか意味がわからない服装のタカシだがとりあえずいつもの私服よりはマシだ。タカシは待ち合わせの映画館に向かって行った。俺は見つからないようにコッソリ後をつけ静奈ちゃんと会うまで見張っていた。

静奈ちゃんも全身ピンクの地雷系ファッションでなかなか派手だが可愛かった。


(合ってるような、全然合ってないような……)


二人が映画館に入場するのを見届けると俺は安堵のため息をついて家に戻った。

頑張れよ! タカシ!



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