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未来で孤独死した俺、美少女になって高校時代の俺を幸せにする  作者: 水鳥 いつき


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2章 恋の始まり

高校生活も3ヶ月が経った。

今日もまた俺の所へモブキャラが告白をしてきた。男の俺が男とつき合うわけないのだが、俺の可愛さがまた罪を作ってしまうのだ。ただ、「いきなり好きです!」などと言ってくる俺になかった度胸をもつ奴には敬意を表さねばと思ってついサービスをしてしまう。


「ありがと……男の子にそんなこと言われたの初めて……」

「初めてがあなたで良かった……」


俺はそいつの手を自分の胸に持ってきて


「わかる……私のドキドキ……」

「でも、ダメなの……死んだお父さんに誓ったの。eスポーツで世界一になるまで恋愛はしないって。私の夢が叶うまでお願い、だから待って……その日まで。そして、この話は二人だけの内緒……世界一になったら一緒になろうね……」


こうしてまたモブを撃退するのだった。


さて、話は静奈ちゃんとの昼休みに戻ろう。

まさか、静奈ちゃんが俺の事を好きになってくれるなんて、このチャンスを逃してはいけない。何はともあれこの2人をデートさせなければならない……。


「静奈ちゃん、タカシくんデート誘っちゃいなよ!」


「いきなり、無理だよ〜、」


静奈ちゃんは顔を赤くしてしまった。


(たしか、今度やる映画『さらば宇宙戦士ガンダーム』を俺1人で観に行ったな……)


「タカシくん、『さらば宇宙戦士ガンダーム』観たいって言ってたよ。静奈ちゃんはこの映画は好き?」


「あんまり好みじゃないな、別に嫌いじゃないけど……」

「響ちゃん、なんでタカシくんがその映画観たいって知ってるの?」


「えっ、いや……たまたまガンダームの話になってね……」


「と、ところで静奈ちゃんはタカシくんにどんなカッコしてほしい、映画観た後は何食べたい? 他にどっか行きたいとこある?」


「私、全身黒で決めてるのとか好きだな~、食事行くならやっぱりミスターミセスドーナッツで食べたい。出来たらタカシくんとスポーツヤルッチャでスポーツやりたい……って響ちゃん、何でメモ取ってるの?」


「ギクッ!? い、いやなんとなくね……」


俺はメモをしまった。服装も行きたい所も前世の俺にはハードル高いとこだな……


「今度の日曜日はタカシくんは暇だから、い、いや暇そうだから明日の昼休みにでも誘ってみなよ」

「絶対大丈夫だから、タカシくん行くって言うよ!」


「う、うん……そうしようかな……今日の帰りにでも誘おうかな」


「あ、明日のほうがタカシくん都合がいいよ、なんか今日帰り急いでるみたいだよ!」


冷や汗をかきながら、俺は静奈ちゃんに明日タカシを映画に誘うように誘導した。今日中にタカシを説得しなければ……あいつ奥手だから……


放課後、俺は急いで学校を出て、タカシを待ち伏せした。



とある街角、前からタカシが歩いてくる。自分のときは気付かないが、外から自分を眺めるとタカシはさえない雰囲気ではあるが、見た目はそれほど悪くはなかった。ただ、身だしなみや髪型が絶望的にダメだ。自信のなさそうな歩き方はまさに非モテという感じだった。


「タカシくん!」


俺が声をかけるとタカシは驚いた顔で「響さん」とだけ小さく返事をし、下を向いてしまった。


「な、なんですか!?」


「ちょっと話があるんだけど付き合ってくれる?」


タカシは頭が真っ白になっているようだ、無理もない俺みたいな美少女に誘われるなんて思ってもみないことだろう。


「おごるから来てよ」と俺はタカシの腕をひいた。タカシは俺に引っ張られてついてきた。

タカシは黙ったまま俺に手を引かれて歩いている。


「勘違いしちゃダメよ、私がタカシくんに気があるわけじゃないの。気弱なくせにそういう妄想だけは得意なんだから」

タカシは俺に心の中を言い当てられて冷や汗をかいていた、わかってるぞ俺だもん、まぁワンチャンあるかもってのは男なら当然だからな。


俺はタカシをミスターミセスドーナツへ連れていった。前世では一度も入ったことのない女子のたまり場だが、女の子で生まれ変わった俺は両親に連れられて何度か行ったことがあった。


「……僕、こういうお店に来たことないんです」


「大丈夫、私の真似をして、このトレイとトングをもって……」


俺とタカシはドーナツと飲み物を注文して席に座った。

お店に入るなり店中の人たちの視線が俺に集まるのを感じる。可愛いとこんなに周りから見られるんだなと女になった俺は改めて感じた。特に高校生に成長した俺は可愛いだけじゃなく色気も出すようになっていた。つい男たちの反応が面白くなってしまってスカートをまくって太ももを露出したりしてしまう、すると必死に男たちは俺の太ももを見ようとしてくる、俺に気づかれないように。馬鹿だね(笑)


「タカシくん『ガンダーム』好きだよね、今度の日曜日から映画やるよね」


「は、はい大好きです。ファーストガンダームから観てます、特に『逆襲のジャア』が好きです」


「ジャア最高だよね~、ファーストのTV版と映画版で違うの知らないでしょう。映画版だとジャアが最後のとこで死んだと思わせるシーンでよく見ると爆風の中で拳を振り上げて生きてる描写が入ってるんだよね」


「えっ、そうなんですか! 響さん『ガンダーム』好きなんですね」


「そ、そうでもないけどね……とにかく映画観たいよね、今度の日曜日暇で観に行こうとしてるよね」


……………。


「私が誘ってるんじゃないの!観たいよね」


また心を読まれてタカシは焦った顔をしてから「観たいです」と言ったきりまた黙ってしまっている。


「女の子と一緒にお店に来たのを恥ずかしがってるんじゃないの!普通にしてなさい普通に」

「そんなに緊張しないの、早く帰りたいとか思わないの!」


俺に心を読まれてばかりでタカシは混乱していた。とにかく、タカシに彼女が欲しいと思わせなければ……


「タカシくん彼女欲しい?」


「え、いやっ別に……」


「本当は欲しいけどよくわからないから怖いとか、そんな度胸僕にはないよ~とか思ってるでしょう」


タカシはまた下を向いてしまった。


「そんなんじゃ、一生彼女出来ないよ。チャンスが来たら絶対逃がしちゃダメ!」

「とにかく、明日から髪をちゃんとクシでとかすこと、いいわね」


俺に謎の説教をくらったタカシは放心状態のまま帰っていった。

奴は混乱してるだろう、とりあえず布石は打った。静奈ちゃんの誘いを断ったりはしないだろう。

明日の放課後を思うと俺は期待と不安でいっぱいになる。静奈ちゃんの気が変わらないことを祈ろう。







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