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未来で孤独死した俺、美少女になって高校時代の俺を幸せにする  作者: 水鳥 いつき


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15章 最後の日

夏休み最終日、今日は俺達が消える日。

俺とタカシは駅で待ち合わせをした。俺たちは以前一緒にウニクロで買ったペアルックの服を着た。俺がタカシにリクエストをしたのだ。タカシはいつものように恥ずかしがることもなく着て来てくれた。


「おはよう!……実はネズミーランド初めてなんだ……」


「僕もです」


「今日は楽しみだね……」


ナナミちゃんを連れてこれなくてすまない……こうなったら最後は俺と楽しもう!



初めてのネズミーランドに着いた。 

ファンタジーあふれる陽キャな空気に圧倒されそうになるが、まず俺達はカチューシャを買うことにした。 

ネコの耳やネズミの耳、星型など色々なカチューシャが売っていたがタカシがネコの形を選んでくれたので俺はタカシにはネズミにしてみた。

最終日とは言えまだ夏休みのせいかネズミーランドは混んでいた。乗り物に乗るのもずいぶん待たなければならなかったが、並んでいる間俺たちはアニメやUFOの話で盛り上がるので並ぶのは苦ではなかった。


最高の普通のデートをしよう。

とりあえず俺はタカシの手をつなぐことにした。タカシはいつものように恥ずかしがると思ったがそのまま俺の手をしっかりと握って来た。そして珍しくタカシが「あれを乗りましょう」と『スターウォー』を指差し俺たちは乗った。俺は『スターウォー』は大好きな映画なので楽しみだった。思ったより激しい乗り物だったので二人とも具合が悪くなったが、タカシがアイスを買ってきてくれたのでなんとか収まった。


スプラッシュマウンテンボートも恐怖だった。高さ50mぐらいから水上を滑り落ちる乗り物だが俺は恐怖でタカシに抱きつきっぱなしだった。タカシも涙目になりながら俺の肩を抱いていた。

ボートから降りると頭がクラクラしたのでベンチに座りタカシの肩に頭を乗せしばらく休んだ。これはわざとではない。


お昼はハンバーガー屋に入った。ハンバーガーを食べながら俺たちは結局ゲームの話ばかりしていた。


食事が終わると俺たちはネズミーランドの地図を広げ、あまり激しくない乗り物をいくつかピックアップして計画を立てた。『ジャングル探索』や『西部劇鉄道の旅』は面白かった。さすがネズミーランド、俺たちみたいなひ弱な人間にも優しい乗り物を用意している。また、ランドの中はエリアごとにコンセプトが違うので歩いているだけでも楽しかった。


最高かはわからないが、少なくとも俺たちは普通のデートを楽しんでいた。タカシも俺も終始笑顔だった。日も暮れて夜になった。名物のキラキラエレクトリカルパレードが始まった。


壮大な美しい曲に合わせて光り輝く車や妖精などに扮したダンサーに可愛らしいキャラクターが幻想的な雰囲気を夜のランドに散りばめていく。初めて観る俺たちはその美しさに圧倒された。


「綺麗……」


手を繋いだまま立って観ていた俺が呟くと、タカシは握った手をギュッと強くした。

パレードも終わりそろそろ花火が打ち上げられる。俺たちが消える時間が迫っている。


「響さん、あっちへ移動しましょう」


お互いペアルックを着て、二人で選んだカチューシャをつけたままの俺たちはしらゆき城の前の広場に移動した。もうすぐ花火が上がる。その花火が終わる頃がその時間だ。


タカシは幸せになってくれただろうか、普通の恋愛を経験したと思ってくれれば良いのだが。

俺はやるだけのことはやった、非モテで寂しく暮らした70年を神様が修正してくれたのだ、悔いはない。

美少女も楽しかった。男なので女の子としての恋などは経験出来なかったが良い体験だった。

タカシも頑張ったな、高校に入って初めて会ったとき、自分を外から見たときに比べたらカッコよくなったぞ! ナナミちゃんとは上手くいかなかったけど良くやった。


ネズミーランドの照明が暗くなり、再び幻想的な音楽が鳴り響く。

さまざまな色のサーチライトが地上から伸び、お城が美しく輝く。その瞬間、花火が上がった。



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