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未来で孤独死した俺、美少女になって高校時代の俺を幸せにする  作者: 水鳥 いつき


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16章 エピローグ ~二人の恋は永遠に

花火が上がった。

俺たちはもうすぐ消える。

夜空を彩る光の光輪の下、俺はタカシの胸に飛び込み「好き」と伝える。最高の普通の恋愛のフィナーレだ。この瞬間のために用意して来たかいはあった。タカシは満足してくれるだろう。タカシは花火を眺めている、俺はタカシを見つめた。さぁクライマックスだ。


「響さん!」俺がタカシに飛び込もうとしたとき、タカシは遮るように俺の名前を呼んだ。


「もうすぐ、僕は消えるんですね……」


(えっ!?……)


「知ってたの……」


「夏休みが始まる前の日、天使が僕の前に現れて告げました。夏休みの最後の夜、僕はこの世からいなくなるって……」


俺は頭が真っ白になった。花火の美しい光と音が響いて俺たちを包む。


「普通は天使なんて信じられない、夢でも見たんだと思うはずです、でもすぐに信じました。なぜなら僕の前に奇跡が起きたから」


「奇跡って……」


「響さん、あなたが現れたことです。そして僕なんかのために一生懸命になってくれた。奇跡以外考えられない」


大きな花火が上がるたびに人々が歓声を上げた。


「響さんは僕を幸せにしようと静奈さんやナナミさんとつき合うように努力してくれた、僕もそれに応えようと頑張りました。でもダメだったんです、なぜなら響さん、あなたが好きだから」

「最初は響さんの願いどおり、僕が誰かとつき合うことで響さんが幸せになるならそれで良いと思っていました、でも僕には出来なかったんです。もう一度いいます」


「響さん、あなたが好きです。初めて会った時から!……ずっと」


タカシは真っ直ぐ俺の目を見て続けた。


「ナナミさんにも言われました。『響ちゃんが私とタカシくんがつき合うことを幸せだと思っているとしてもタカシくんの気持ちを伝えた方がいい』って」


ナナミちゃんは俺とタカシをデートさせるために嘘をついていたのだ。ナナミちゃんの優しさが俺を包む。


俺はタカシを幸せにするために、静奈ちゃんやナナミちゃんとつき合わせようと行動していた。タカシも自分の幸せのために努力しているんだと思っていたが、タカシは全て俺の幸せのために努力していたのだった。

変な洋服を着たり、したくもないデートをしたりカラオケに行ったり……全ては俺が喜ぶ顔を見たいがために一生懸命努力していた。


空が光輝く中、タカシの俺への想いを知り俺の眼には自然と涙が……俺はタカシの胸に飛び込みキスをした。


「ありがとう……大好き……心の底から……」


タカシの体がだんだん透けてきた。その時が来たのだ。


「タカシくん、実は私も消えるの……一緒に消えよう……」


「ええ、僕たちは永遠に一緒です……」


俺を抱きしめるタカシの体が消えそうになっている。

俺はタカシの胸で笑顔で呟く。


「タカシくん……私、いま最高に幸せだよ……」


「僕も最高に幸せです……響さん」


花火がフィナーレを迎え最後の灯火のように激しく光を放った。タカシは消え、残ったのは普通の一人の少女、響だった。


もし自分を見つめ直し、自分の過去、人生を愛することが出来たらそんな幸せなことはない。どんな生き方をしようが自分自身を愛することが出来た者は幸せ者に違いないのだ。



次の日、夏休みも終わり、学校初日のホームルームの後。響の前にナナミが座っている。


「まさか響ちゃん、夏休み最後に一人でネズミーランドに行くとかメンタル強すぎだよ!」

「楽しかった?」


「まぁ、楽しかったと言えば楽しかったかな……」

「最後の花火はちょっと寂しかった……」


響は苦笑いを浮かべた。ナナミちゃんが「それ見たことか」と言う顔をした。


「響ちゃん一人でネズミーランドに行っちゃうから、私も最終日は一人でカラオケに行ってたの。結局、夜遅くまで5時間はいたな〜。それで『小さな恋心の歌』を歌ってたらなんだか泣けて来ちゃった」


「しかし夏休みは響ちゃんと二人でよく遊んだね。カラオケ行ったり、プール行ったり、盆踊りに行ったね。なんか、私たち付き合ってるみたい」

「それでね、ヒトカラに行ってる時に誓ったんだ」


「何を?」


「絶対に彼氏作るって! 響ちゃんも作りなよ!」


「じゃーどっちが先に作るか競争だね。ナナミちゃん、気になる人はいるの?」


ナナミちゃんは顔を近づけるとヒソヒソ声で、


「隣のクラスに転入生が来たんだよ。見たんだけど結構可愛かった」


「へ〜、どんなかな?私も見てみたいな〜」


「名前はね、タカシくんって言うんだって」


未来で孤独死した俺、美少女になって高校時代の俺を幸せにする



恋愛ものにチャレンジしてみて、難しくもあったのですが、とても楽しく書けました。いつかまた違うお話を書いてみたいです。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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