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未来で孤独死した俺、美少女になって高校時代の俺を幸せにする  作者: 水鳥 いつき


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13章 夏休みの思い出

夏休みに入って数日が過ぎた。

俺は手始めにタカシとナナミちゃんをカラオケに誘った。ナナミちゃんとタカシを二人きりにしたいのだが、いい方法が思いつかない。そこでまずは三人で遊びにいって二人の距離を縮める作戦だ。夏休みはまだ始まったばかり、時間は限られているが焦る必要はない。


俺たちはカラカラ館の前で待ち合わせをした。俺はなるべく普通のカッコにした。ナナミちゃんより目立っても意味がない。それでも、相変わらず通りすがりの人達が俺の可愛さにヒソヒソ声を上げていた。彼氏が俺を見つめてしまって彼女に怒られる原因を振りまいていた。

タカシがやって来た。髪型もセンター分けに変わり、服装も清潔感のあるカッコになっていた。よくやった! 上出来だぞ。服装だけで雰囲気もオタクを感じさせなくなっていた。

しばらくして、ナナミちゃんもやって来た。俺も可愛いが、ナナミちゃんも流石だ! 美少女二人に囲まれて幸せ者だなタカシよ! 俺達はカラカラ館に入った。


よく考えたら、俺もタカシもカラオケはまずいかも。俺たちはアニソンしか知らないからだ。ナナミちゃんが耐えられるだろうか? それでも、俺はまだ少女向けアニメソングを唄えばいいが、タカシはどうする?


ナナミちゃんは普通のポップソングをチョイスしていた。俺は『美少女戦士セーラー服ムーン』とか『アイドル活動!』など、少女向けアニメソングを入れた。俺とナナミちゃんが3曲ずつ歌い終わったが、タカシはまだ一曲も入れていない。タカシは困っているようで、なかなか曲をチョイスしない。ナナミちゃんが気にしだした時、まさかタカシは今流行りの青春ソング『小さな恋心の歌』を選択した。いつお前はこんな曲を覚えたんだ、偉いぞタカシ!

そしてタカシが歌いだす。


「そ~ら、あなたにとって大事な人ほどすぐそばにいるの!」

「た~だ、あなたにだけ、届いて欲しい響け恋心の歌!」


たいして上手くはないのだが、心のこもったタカシの歌にナナミちゃんが涙ぐんでしまった。


「私、この歌大好きなの、いい曲だよね」ナナミちゃんがつぶやく。いいぞタカシ!


俺はすかさず次の曲を入れ、ナナミちゃんにももう一曲歌わせて、最後にもう一度みんなで『小さな恋心の歌』を唄って終わりにした。タカシにレパートリーはもうないであろう。俺はこの歌はよくわからないのだが……。


カラオケの後は三人でご飯を食べて帰った。今日は上手くいった気がする、次の俺の企画は決まっている。夏と言えばプールだ。食事中、ナナミちゃんとタカシにプールに行こうと誘った。ナナミちゃんが意外にノリノリで助かった。タカシは恥ずかしそうにしていたが俺は強引に日にちを決めた。

その日の夜、家に帰るとリョウからメールが来ていた。



リョウのメールには俺に会って話したいことがあると書いてあったので、俺は家の近くの道端で待ち合わせをした。

そんなに遅い時間ではないが、周りには人はほとんど歩いていない。

話の結論を先に言うと、リョウは静奈ちゃんの猛アタックにあっけなく陥落した。恐るべし女の執念か魔力か……


「実は俺、静奈ちゃんとつき合うことになった」あまりにも早く静奈ちゃんに落とされたのでビックリしたが、ナナミちゃんとタカシをくっつけたい俺にとっては好都合だ。


「俺、響ちゃんのことまだ好きなんだけど、俺以上に俺を好きになってくれる人がいるんだ……だから」


「リョウくん、実は私って男の子とつき合いたいと思えないの。だから気にしなくてもいいんだよ。リョウくんの気持ちが本心だったのはわかってるから……」

「あなたの側にいて、あなたのことを思っていてくれる人がいるなら大事にしてね」


イケメンならではの葛藤があったのだろう、リョウは少し涙ぐんでしまったが俺は笑顔で「バイバイ」と言った。ついこの間まで、それぞれ別の相手とダブルデートをしていた二人が付き合うのは奇妙だった。俺はとても清々しい気持ちだった。そしてちょっぴりリョウの未来を心配しつつ二人の幸せを願った。



さらに10日程過ぎた。

今日はナナミちゃんとタカシとプールに行く日だ。

俺たちは駅で待ち合わせをして八王子にある夏夏ランドへ向かった。電車の中でナナミちゃんはリョウが静奈ちゃんとつき合った話をしてきた。どうやら、静奈ちゃんから聞いたそうだ、リョウの気持ちを揺るがす存在には早めに手を打つ、流石だ静奈ちゃん。ナナミちゃんはちょっぴり寂しそうな顔をしたが、特にリョウと何があったわけでもなく、ただ憧れ的な存在だったので落ち込んではいなかった。


夏夏ランドへ着いた。

水着は悩みに悩んだ。ナナミちゃんより目立ってはいけないと思ったが、俺も後1ヶ月で消え去るのだ、思い出にビキニを着てみたい。せっかく可愛く生まれ変わったんだし……

そして結局、ビキニを買ってしまった。着てみると体を覆う部分の少なさに「裸じゃん……」と呟いたが、鏡にうつった俺は最高だった。つい色々なポーズをしてしまった。


驚いたのはナナミちゃんもビキニだった。意外に大胆なのね。俺たち二人が並んで歩くと周りの男がチラ見どころか凝視してきた。オジサンたちのスケベな顔が滑稽だった。


タカシも若者らしい水着を着てきた。


(あれ、あんなに締まった体してたっけ……)


タカシの見た目もそんなに悪くなかった。ビキニ美女に挟まれて最初は恥ずかしそうにしていたが、泳いでいるうちに笑顔になっていった。


俺はタカシ相手に「ねぇ、背中にオイル塗って……」と言ってビキニの紐を外すのをやってみたい気持ちを抑えていたら、「響ちゃん、オイル塗って」とナナミちゃんに言われ震える手でブラ紐を解き背中に塗ってあげた。


夏休みなのでプールは混んでいた。俺はこの混雑を利用してタカシとナナミちゃんをしばらく二人きりさせる作戦に出た。「喉が乾いたから飲み物買ってくるね」と言ってしばらく行方不明になりどこかで時間を潰そう。本当に飲み物を買って二人と離れたところで俺は座った。


暇なので、小さな子供が遊んでいるのを遠目に眺めていたらアチコチから視線が集まるのを感じた。

見ると、オジサンたちがコッソリ俺をスマホで撮影している。俺はついセクシーポーズを取ってしまった。オジサンたちの俺の姿をカメラに収めたいと必死な形相を観ると俺のポーズはどんどん大胆になっていった、丁度いい暇つぶしだ。体育座りから始まり、あぐら、寝そべり、ブリッジなど思いつく限りの技を繰り出して行った。

気がつくと俺の周りに100人程のオジサンたちが輪を作り、隠そうとすることすらやめて近距離で撮影をしていた。

まるで撮影会だ。


あまりの人だかりに監視員の人がやって来るのを見つけて俺は取り囲む輪から脱出してタカシとナナミちゃんを探したが見つからない。本当に迷子になってしまった。

まぁそのうち見つかるだろうとゆっくり歩いて探した。探している途中にオジサンからカメラを向けられるとその度にセクシーポーズをとっていた。そんなことをしていて二人を見つけた頃には夕方になってしまった。


俺たち三人は夕食を食べて帰った。俺がいなかった間タカシはナナミちゃんと上手くやっただろうか?

俺は今日夏夏ランドに来ていたほとんどのオジサンたちを幸せに出来たが、タカシはナナミちゃんとの距離を縮めることが出来たのだろうか?タカシを幸せにする計画は続く。





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