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にゃん鬼行  作者: てふ
青の玉
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志乃武家 6話  新緑

▶むらさき

しのの家に質として、嫁が入った。

先々代の頃、敵対した事もある家臣のむすめで、

表向き? 人質だ。


少し、早まったが、相手の方は不作が続いて、

口減らしの意もあるようだった。

花嫁は、何人かの侍女と共に村へ入ってきた。


私が篠を村へ留めておく策のひとつで、

ささ殿に相談して父が動いた。


父は、自分が現役の間に孫を欲しがっている。

・・・残念だか、

私の許嫁よめご三夜城家のゆき姫は、まだよわいやっつ?

だったか?

まだ、もらう訳にはいかない。


父は、

「篠は、おまえより先に嫁は

とらない。らしいが?どうするか見物だ。」

と、

笑っている。


ムラサキが、志乃武家別宅へ入った次の日に、

篠は、本家へ、

・・・父の所へ来た。

物凄い剣幕だ。


“ムラサキ殿を弟、おとの嫁として正式に迎える。”

と、進言した。

・・・・。

父は、笑って“そうしろ”と言い。


おまえも早く嫁をとれ。」と、言ったが


私の方をきっ。とにらみ、

りつより先に嫁をとるつもりはない。

きっぱりと言った。

父は、うむ。と納得した顔を作っていたが、

篠が部屋を出ると、

吹き出していた・・・。


策は失敗に終わった。

しかし、

篠の様子がおかしい。


毎夜、私の部屋の縁側で眠っている。

女を毛嫌いしているだけだと思ったが、

畑越しに居宅を眺めて呆けていたりする。


篠は、ムラサキを弟の嫁とするっと進言した事を迷っている?

・・・ように思う。


ムラサキは、しばらく篠の母ささ殿の部屋から出て来なかった。

ささ殿も、しばらく本家へ来ていない。

何かが変わりそうで、少し不安だ。


動じてはいけない。


篠は、相変わらず夜になると私の部屋の縁側に来ている。

「そろそろ慣れろ。

 私に嫁子が入ったら、私はおまえに刺されるのかもしれんな。」

冗談のつもりで言った。



篠は、呆けて聞いていない。

・・・。

“煩い(わずらい)”これが、恋煩いか。


少し気の毒な気がして、

「急いでおとへと、決めなくとも、共に暮らしていく中で、

 篠が、・・どちらが、娶ってもいいと思う。」

ムラサキ殿には、礼を欠くが・・・。


篠は、

下を向いて自分に言い聞かせるように

「いい。俺はまだだ。」とふてくされて眠ってしまった。



久しぶりに、篠の母が畑へ出ていた。

その隣に小さい娘が…手ぬぐいを頭に巻いて

楽しそうに草をひいている・・・のか?


畑仕事をささ殿に教わっている様だ。


縁側で、

朝飯に渡した、にぎり飯が転がった。

・・・。床の上で良かった。にぎり飯を拾って

振り向くと、


篠が固まっている。

“恋煩い。”だ。


煩っておる。

・・・笑いを堪えるのは、私だけでないようだ。

本家の広間から顔をのぞかせ、父が肩を揺らしている。

・・・・。

どうしたものか。

どおとなっても、娘がいる畑は、華やかでいい。

母も、出て来た。気持ちのいい天気だ。

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