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三夜城家 夢の終 19話
▶病。
妹、葉月が亡くなった。
二つになった葉月は、よちよち歩きのあかちゃんで、
かわいかった。
弔いの儀が終わり、母はしばらく伏せていた。
母は、わたしを、かわいがった。
母は、わたしの頭を撫でて、優しく笑って、
新しい着物を選んでくれて。
いつも、わたしを抱っこして、眠くなるまでうたを歌ってくれた。
葉月が産まれて、わたしの代わりに、
葉月をかわいがった。
わたしは、侍女といる事が多くなった。
母は、葉月の頭を撫でて、抱っこして、うたをうたって。
わたしの代わりに葉月を、かわいがった。
だけど、
妹は亡くなったのに、
わたしは、まえより、
侍女と居ることが多くなっていった。
私の代わりの妹は、もういないのに。
私が居ても、母は、笑わなくなった。
私に背を向け、
不思議そうな顔をして、庭を眺めている。
母はいつも、私を見てくれない。
妹は、かわいかった。




