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にゃん鬼行  作者: てふ
三夜の夢
12/34

三夜城家 夢の余韻 11話

▶絹。

御簾から這い出た。

宮を離れたのは、はじめてだった。

庭の川沿いに歩き、

・・・?川ができている。

橋を渡る。

・・・?橋まで・・・できている。


足袋越しに、ひんやりと湿気った土が冷たい。

・・・。

履物がないのだ。

・・・仕方がない。

冷たい。でも・・・気持ちがいい。

薄い衣が地面を擦って、泥が着いて黒ずんでいる。

それでも、ひらひらと揺れる。

ひらひら。


”月は満ち、下弦の次の朝、

陽、天頂過ぎる頃、羽衣の元へ。

羽衣統べる者あり“

“水の中、羽衣の館へ、その娘はある”

”求める答えそこにあり“”


”月満ちて過ぎた下弦の次の日、陽、

天頂過ぎる頃、羽衣の元へ羽衣持つ者あり。”

・・・。

薄い衣の袖をぎゅっと握る。

握っていないと指が震える。

橋の上から東屋がよく見える。


東屋に娘がひとり こちらを見て座っている。


"水の中、羽衣の館へその娘ある。今求める答えそこにあり“

そこにいた。 泣きそうになった。 足がかってに走っていく。


”月満ちて・・・下弦のつぎ・・・羽衣持つ者あり。”

"水の中、羽衣の館へその娘ある。今求める答えそこにあり。"


何度も何度も繰り返した。

"・・・求める答えそこにあり”

求めるこたえ。


ずっと、ずっと。求めたこたえ。

はやく聞きたい。はやく知りたい。

ずっと、求めたこたえ。

待っていた。


驚く娘の横に座り、話し始めた。

・・・

喉の奥が熱い。熱い。

涙がこぼれる。

それでも、やっと。やっと・・・、

自分の言葉で。話始めた。

ようやく話はじめた。


娘は、”きぬ”と言う美しい名の人だ。

”きぬ”美しい人。”人”


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