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無事転生したけど、ちょっと違う

「俺と結婚してくれ」

「だめよ、あなたエルフじゃない」


そう、俺は無事にエルフに転生した。

継承のおかげで記憶がちゃんと継承されている。よかった。

ステータスはこうだ。

名前:ソラ

種族:エルフ

年齢:10歳

HP:50

MP:100


攻撃力:50

防御力:30

魔法力:80

素早さ:40

スキル:聴力強化、方向感覚強化、魔力操作、魔力視

ギフト:ステータス、継承、転生


まだ子供だ。

数字のキリが良くて、なんか適当感があるがそれはまあいい。

それよりも大きな計算外が一つある。

それはエルフが差別の対象であることだ。

「あんたみたいな目の色のただのエルフが私たちハイエルフと結婚しようなんて一生無理よ。」

このユイと同じくらいかわいいが性格の悪い発言の女がヒルダ。

「毎度毎度気軽にユイにプロポーズするんじゃない、赤目。」

偉そうに話すこいつはアレン。

先ほどプロポーズしたエルフの女の子はユイという。みんな幼馴染だが、厳密にはエルフではない。ハイエルフだそうだ。ハイエルフは目が青色か緑色で、俺は赤い。そして俺はロリコンではない。年齢相応のはずだ。見た目は。


ここはハイエルフの集落だ。

名前は知らない。みんな集落と呼んでいる。

みんなが俺をあからさまに避けたり、意地悪してくるなか、普通に接してくれる良い子だ。

もちろんかわいい。将来はエルフを超えるエルフになるだろう。ハイエルフだし。


しかしこまった。

おれは確かにエルフに転生したいといった。しかしハイエルフの集落に生まれるとは想定外だ。

なんせエルフはハイエルフの劣化コピーのようで、すべてにおいてハイエルフに劣っている。

まず魔法がしょぼい。ハイエルフは風や水を操るのが得意だが、俺は大きく劣る。身体能力こそアレンと同じくらいはあるが、それは訓練のたまものだ。

この世界は安全ではなく、モンスターも多い。深い森の中にあるこの集落では強さは大事だ。

おれは赤目のエルフで弱い。せっかく周りにエルフ(正確にはハイエルフだが)がいるのに、このままではエルフの嫁さんをもらうことはできないだろう

「なに突然黄昏てんのよ!キモイわね!」

そう、おれはキモイ。赤目のエルフで弱いからだ。そしてヒルダは嫌な女だ。

「わかってる。おれは赤目のエルフで弱いからキモイ。でもユイが好きなんだ。だからもう行く。」

「何がだからなのよ!?意味わかんないし。そんなんだからみんなにいじめられるんでしょ!」

「どこに行く。村長のところに行かないのか?」

「アレン、お前に言う必要はないだろう?」

「これから村長のところで一緒に勉強しないの?」

「ああ、やはりユイは優しいな。こんな俺でも誘ってくれるなんて。でも大丈夫だ。俺が行ってもみんなの勉強の邪魔になるだけだしな。もうあそこにはいくつもりはないよ。」

「そんな、邪魔だなんて。」

「ユイ、中途半端な優しさや気遣いはかえって本人のためにはならない。」

「そうよ、アレンの言う通り、行っても邪魔だから来なくていいよ。でもソラどこに行くのよ?」

「だから言っているだろう、言う必要はない。俺は俺のやらなきゃいけないことをするんだ。じゃあな。」

まあ、これ以上こいつらと話していても仕方がないので、集落の外に向かっていく。


* * *


「何なのよ!あいつ!最近魔物も多いし、戦争のおかげで戦える大人が少なくなってるから私たちだって少しでも強くならなきゃいけないのに!」

「ヒルダ、モノは考えようだ。ソラがいてもみんなの足を引っ張るだけだから、そういう意味ではあいつはあいつなりにできることをやっているといえなくはない。」

「なにそれ。もう!村長のところに遅れちゃうわ。アレン、ユイもう行こう!」

「ソラ、一人で何してるんだろう……」


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