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新しい仲間②

「で、なんで君がいるんだ?」

「良いじゃないか。アレン君!」

「うん、ヒルダに呼ばれたから来たの。っていうかソラもいるのね。それとここ何?」

俺たちはいまダンジョンの入り口にいる。

そして俺の前には超絶かわいい女の子ユイと、かわいくて嫌な奴じゃなかったヒルダさんとあきれ顔のアレンがいる。

「だって6階層私たちだけじゃ無理でしょ?この秘密の特訓にユイにも参加してもらおうと思って。」

「秘密の特訓?何それ、楽しそう!」

楽しそうに輝く笑顔のユイ。

「ソラが見つけたダンジョンなんだが、俺たちはいま6階層で止まってるんだ。」

「ソラ、ダンジョン見つけたんだ!すごいね。」

「ああ、でもユイ、良いのか?古大樹のユイがダンジョンもぐるなんて。」

「今は戦争中だから先生たちもそんなに毎日こないんだよね。だから空いた日なら大丈夫だよ!」

ユイは最も家格のあるハイエルフたちが住む古大樹に家がある超エリート家系だ。ハイエルフは名字が無くて済む樹を名字のように使っている。

ちなみに北の大樹のアレン。三本長樹のヒルダ、地べたの俺だ。


4人で軽く打ち合わせをして、ダンジョンにもぐる。

流石、古大樹のエリート、ユイは強い。今までほとんど風の魔法しか見てなかったが、水の魔法がやばい。

「水大砲!」


「ギャウンッ」


地下水の小川の水が丸太のような大きさになって、すごい速度でコボルトにぶつかっていった。

まるで、でっかい水のレーザーだ。

やばい、水の魔法怖い。あんな量の水があんな勢いでぶつかったら死ぬ。


実際、コボルトは即死だった。


「水の矢!」


「ギャッ!」「グギャ!」「キャイン!」「キャン!」


たくさんのコボルトが水の矢に貫かれていく。

…ユイって単独でも5階層まで来れるんじゃないだろうか。魔法が多彩で、戦術の幅が広い。


クモとカブト虫の6階層でもユイは強かった。

「水の槍!」


ズドンッ!


あっさりと狼サイズの大カブト虫を水の槍が貫く。子犬サイズなら水の矢でも水大砲でも倒せそうだ。


「あのサイズでも一撃かよ…」

思わずつぶやく。

「水の魔法って怖い…」

ヒルダもつぶやく。

「流石、古大樹の一族…」

アレンもつぶやく。

「水の魔法って形が自由だから、想像力と魔力操作でいくらでも固くも鋭くもなるよ。」

「「「無理。」」」

3人の気持ちが一つになってしまった。


「いや、でもユイの言う通りだ、魔法でなんとかできることはわかった。あとは特訓あるのみだ。」

アレンが自分に言い聞かせるように言う。

「そうね、ユイ魔法教えてね?」

「うん!なんか冒険者みたいだね!!」

「ああ、そうだな。ダンジョン探索してるんだし、やってることは冒険者みたいなもんだな」

ユイが楽しそうなので、つい乗っかって答える。

「だよね!じゃあさ、このパーティ名なんにする?」

「…パーティ名?」

「うん、冒険者みたいだし、私たち仲間でしょ?じゃあパーティ名つけようよ。」

「ユイ、はしゃぎすぎよ。」

「そうだぞ、ユイ。それにそんなの恥ずかしい。」

「え、ヒルダもアレンも嫌?恥ずかしいかな…」

一気に落ち込んだテンションでユイがうつむく。こいつら純真なユイの思いをむげにしやがって!

「あ、いや、そうじゃなくて…」

「ごめん、嫌じゃないけどなくてもいいんじゃないかなって…」

アレンとヒルダがおろおろと言い訳しだす。

「良いじゃねぇか!パーティー名!まったく、お前らはロマンってのがわかってないな。」

アレンとヒルダを指さし、とりあえず言っておく。

「なによ。ロマンって。じゃあソラはなんか良い名前あるの?」

「い、いや、ないけど。ユイ、付けたい名前とかあるのか?」

「え、あの、あるけど、みんな嫌ならいいよ…」

まだ落ち込んだユイが小さな声でつぶやく。

「ユイ、俺たちは嫌なわけじゃない。いい名前ならそれにしよう。」

さっきまで恥ずかしいとかほざいてたアレンが何事もなかったかのように言う。

「え、そうなの?じゃあ、歌うジズっていうのはどうかな?」

「えらい弱そうだな」

うっかり言ってしまった。

「馬鹿ね、ソラ。歌うジズ、知らないの?」

ヒルダがあきれ顔をしている。

「ソラ、ジズは弱くて美味い鳥だが、歌うジズというのは童話の鳥のことだ。」

「?」

「ソラ、歌うジズってね、歌うんだけど、とっても強いのよ。」

なんだか楽しそうにユイが教えてくれる。かわいい。

「そうなんだ。歌うし強いのか。」

ちょっとデレ~となってしまう。

「なに、デレ~っとしてんのよ。普通のジズは熱くない火で自分をアピールするけど、歌うジズは鳴いてアピールするのよ。そして火と風の魔法を使うわ。」

「そう、歌うジズはね!全然普通のジズとは違うんだけど、強いし諦めないの!」

「そうなんだ、強いし諦めないのか。」

また、デレ~っとしてしまう。

「ほんと馬鹿ね、ソラ。」

「確かにこのチームはソラを中心にしているし、合ってる名前だな。」

「でしょ?」

ユイがうれしそうだ。

アレンの奴、なんで確かになんだ?でもユイも嬉しそうだし、これで良いか。

「よしっ!じゃあ、俺たちはこれから『歌うジズ』だ!」

「ああ。」

「わかったわよ」

「やった!よろしくね!!」


というわけで、俺たちはこれから秘密の特訓改め、『歌うジズ』の冒険をすることになった。

やることは変わらないけど。


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